グラディ・テイト
1932年1月14日 ノースカロライナ州ダーハム生まれ。4歳の頃から地元ダーハムの教会や学校等で歌い周囲の注目を集めるものの、12歳に変声期を迎えると自分の声変わりにショックを受け一時歌うことをやめてしまう。一方、5歳の頃から独学でドラムを始め、空軍に入隊していた51~55年に正式に学ぶチャンスを得る。空軍の21人編成バンドでドラムスを担当している間にそのバンドの編曲者でありトランペット奏者であったビル・ベリーはテイト用にヴォーカル譜も書いてくれた。除隊後、ワシントンD.C.で英語とスピーチの教師として教壇に就くものの、俳優の道を志し59年にニューヨークへ居を移す。しかしドラマーとしての力量を評価されワイルド・ビル・デイヴィスの下でプロとして活動を開始し、ジェローム・リチャードソンのコンボ、クインシー・ジョーンズ・ビッグバンドで活躍する。その後はデューク・エリントン、カウント・ベイシー、ジミー・スミス、ウェス・モンゴメリ、ビル・エヴァンス、オスカー・ピーターソン、エラ・フィッツジェラルド、アレサ・フランクリン、サラ・ヴォーン、ペギー・リー、シャルル・アズナブール等、ジャズからポップスまで数多くのミュージシャン/ヴォーカリストと共演。ドラマーとしての活躍は言うまでもないが69年に初めてのヴォーカル・アルバム『風のささやき』(Skye)を制作、ドラムスとヴォーカルを両輪にした音楽生活を始めた。「ナット・キング・コール以降、最も素晴らしい男性ヴォーカリスト」とも呼ばれており、これまでに数枚のヴォーカル・アルバムを発表しているが、73年と89年にはグラミー賞の男性ベスト・ポップ・ヴォーカルにノミネートされている。