グールー
1966年生まれ。80年代後半にDJプレミアと共に伝説のヒップホップ・ユニット=Gangstarr(ギャングスター)を結成、89年に『No More Mr. Nice Guy』でデビュー。アルバムに収録された楽曲「Manifest」を偶然耳にし惚れこんだ映画監督スパイク・リーが映画『モー・ベター・ブルース』サントラへの参加を打診、結果生まれたクラシック「Jazz Thing」の大ヒットもあり、当時はジャズ・ヒップホップまたはアシッド・ジャズという枠組みの中で語られることも多かったが、ギャングスターとしての驀進は90年発表の2枚目『Step In The Arena』以降。解散の危機を乗り越えながら計6枚の名盤を残した。プレミアは天才的なトラックメイキング・センスで頭角を現し、ノートリアスB.IG.やKRS-ONEといった当時のNY大物作品を手がける稀代のビートメーカーに(昨年はクリスティーナ・アギレラのアルバム・プロデュースで話題に)。一方のグールーも93年よりソロでJAZZMATAZZプロジェクトを稼動、シリーズ1stアルバム『Jazzmatazz, Vol. 1』を発表。この1stのジャケットに記されたかの有名なキャッチ「An experimental fusion of hip-hop and jazz」(ヒップホップとジャズの実験的融合)の通り、サンプリングではなく“共演”というよりリアルな形態でヒップホップとジャズを融合するというテーマの下、毎回リヴィング・レジェンド=グールーのコネクションならではの大物ジャズ・アーティスト&個性派ソウル・シンガーが集い、ヒップホップ史に残る名共演を繰り広げてきた。95年に2nd『Jazzmatazz, Vol. 2』、2000年に3rd『Jazzmatazz, Vol. 3: Streetsoul』と今日までにシリーズ計3枚の作品を発表している。