著名人からのコメント

五十音順・敬称略

ああ、やっぱりこれだよ。おもわず「おかえり!」と声をかけたくなったこのバンド・サウンド。もう聴けないと思っていた。ソロ名義の世界も好きだったけど、やっぱりジェフはこの世界を続けてくれなくっちゃあ。おまけにビートルズ愛をもろになびかせてのうれしい新作。これからのポップス・シーンを作っていく若者たちにもその背中をぜひ見せたくなりました。

伊藤銀次

美しいメロディに広がりのあるアレンジ。あるいはキャッチーなチューンに彩られたビート・ポップ。60年代から80年代のブリティッシュ/アメリカンなポップ・スタイルのすべて──ロイ・オービソン、ボブ・ディランからビートルズまで。さらにR&Bのフレイヴァーとプログレッシヴ・ロック的要素を打ち出すアーティスト、それがELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)であり、ジェフ・リンなのだ。ニュー・アルバム『アローン・イン・ザ・ユニヴァース』は、そんなジェフ・リンの音楽的要素がすべて詰め込まれた新作であり、ELOの歴史を俯瞰するための最適な一枚でもある。文句なく2015年の最もポップなロック・アルバム!!

岩本晃市郎 a.k.a 岩本“ELO”市郎(ストレンジ・デイズ)

コード進行とベースの行き方、ギターのリフやそれぞれの楽器の音色、そしてメロディ・ラインにコーラス、どれをとってもジェフ・リンのELO。いろんな時代のいろんなアルバムを彷彿とさせる。「ホエン・アイ・ワズ・ア・ボーイ」はもちろんだが「オール・マイ・ライフ」のようなジェフ・リンの曲に痺れてしまう。またデラックス・ヴァージョンの「ブルー」、日本盤ボーナス・トラックの「オー・マイ・マインド」などなんで正規に入れなかったんだ!? とまぁ『Zoom』以来15年ぶりの今回も僕好みのエロ(ELO)~いアルバムだ!?

風祭 東

衝動としてのポップ・・・!ビートルズ体験とは、あるショック性を秘めた音楽体験だったことを想い出させるこの手応え。ただビートルズっぽいのとは、わけが違う。なぜ今、この音を選ぶのか?レトロではない新しく強い快楽が伝わってくる。FAB4復活ではなく、今のELOがそこにある。

サエキけんぞう

ジェフ・リンは本当に軸がぶれない人だ。今回の素晴らしいアルバムも、どこを切ってもELO(ジェフ・リン)の美味しさが満載である。キャッチーを通り越して昔から慣れ親しんで来た錯覚をおぼえるメロディ、予想通りだっだり予想を裏切ったりしながらも必ずガツンと来る曲の構成、それが3分台に凝縮されている(4分台の曲はナシ)。これこそELOのポップスだ。それにこのアルバムの曲達はどの時代のELO=ジェフ・リンにもアクセス出来る質感とクオリティを持っている。ヒット曲を連発していたアルバム『Eldorado』から『Out Of The Blue』あたりのマジカルなポップ感、『Discovery』の70年代ディスコ感、その後のELO風シンセ感、トラヴェリング・ウイルベリーズのバンド感、果てはジェフがプロデュースしたロイ・オービソン作品へのオマージュ(泣けます)、ソロ アルバムのかっこいいビート感、それらが散りばめられているからジェフの長年のファンはハッピーになれる。逆にこのアルバムでELOを知った人は、どの時代のアルバムに戻っても違和感がないだろう。そんな事が可能なのは”When I was a boy, I had a dream”と歌うジェフ・リンの夢の軸が少年の頃から全くぶれなかったからだろう。尊敬してます。

杉真理

ロイ・オービソンの遺作『ミステリー・ガール』が出た89年。収録曲中3曲のプロデュースをジェフ・リンが手がけたあのアルバムについて、我が師・大滝詠一は“これ、ジェフ・リンの10年越しのタネ明かしだな”と謎解きしてくれたものです。『ミステリー・ガール』を聞くとジェフ・リンが79年、ELOで放ったヒット「コンフュージョン」がもろオービソンだったことがわかる、と。そんな指摘を受けて目から鱗。それまで熱心なビートルズ・マニアの一人、くらいにしか思っていなかったジェフ・リンが、実は米ポップスの奥義にも精通したサウンド・クリエイターだったことを思い知り、以来、ぼくはELOの深みにますますハマっていったのでした。新作『アローン・イン・ザ・ユニヴァース』でも英米を股にかけたジェフ・リンの雄大なポップ・マジックは健在。オーギュメントとディミニッシュ・コードの雨あられ。
大滝さんにも聞かせてあげたかったです。

萩原健太

ジョン・レノン=ビートルズでも、ポール・マッカートニー=ビートルズでもない。でも、ジェフ・リン=ELOと言ってしまってもいいでしょう。新作『アローン・イン・ザ・ユニヴァース』は、どこを切っても、誰が聴いてもELO&ジェフ・リンにしか生み出せないポップ・ミュージックが満載されている。しかも、トラヴェリング・ウィルベリーズも含めて、これまでの音楽活動の集大成とも思える内容は、まるで『ベスト・オブ・ELO&ジェフ・リン』の趣だ。ジェフ・リンの生み出すポップ・マジックに身を委ねる多幸感。その心地好さと言ったら!

藤本国彦(『ビートルズ・ストーリー』編集長)

1曲目「When I Was a Boy」が流れた時、本当に帰ってきたんだなー、あのELOが!と思いました。そしてジェフ・リンの曲をはじめて聴いたのは僕がまだBoyの頃だったなと思ってじんときました。輝き続けるポップの旋律に、乾杯!!

松尾清憲

新しいELOの出発である。かつてのように音をがちがちいっぱいに詰め込まずに、手作り感があるサウンドは美しい。これは明らかにジョージ・ハリソン、ポール・マッカートニー、リンゴ・スターのプロデュースをした結果だろう。最大の目標だったビートルズをプロデュースして、ジェフ・リンはひとりのミュージシャンになったのである。「ホエン・アイ・ワズ・ア・ボーイ」や「アローン・イン・ザ・ユニヴァース」からは、ジョン・レノンの匂いも感じる。新しいジェフ・リンが歩き始めたのである。

松村雄策

すごい!聴きたいジェフ・リン・サウンドが全て詰まってます!ELO名義のときのジェフ・リンのサービス精神には頭が下がります。まさか、いつまでも変わらない見た目もファンサービス?

本秀康 (イラストレーター/漫画家)

いやあ、バタバタしていてコメントを寄せるのが遅くなり、皆さんの素晴らしい文章を読んで唖然!さすがマニアックな皆さんに、全て言い尽くされてしまいました(笑)。とにかく黙って聴け、ということに尽きますね。

難波弘之