大回顧展「DAVID BOWIE is」、『★』デザイナーのジョナサン・バーンブルック一夜限りの完全招待制トークショーを開催
会期も残すところ、あと3日!
DAVID BOWIE is 日本展実行委員会は、「20世紀で最も影響力のあるアーティスト」デヴィッド・ボウイの世界観やキャリアを総括した大回顧展「DAVID BOWIE is」(会期:2017年1月8日~4月9日、会場:寺田倉庫G1ビル)を開催しています。
会期も残り3日間となった「DAVID BOWIE is」では、今年2月の第59回グラミー賞で最多5部門を受賞したアルバム『★』(Blackstar)のアートワーク・デザインを手掛け、同アワードで「最優秀レコーディング・パッケージ」(Best Recording Package)を受賞したグラフィック・デザイナーのジョナサン・バーンブルックによる70名完全招待制のイベント「DAVID BOWIE is ジョナサン・バーンブルック プレミアム・トークショー」を昨日4月6日(木)に展覧会会場の1Fに併設される「DAVID BOWIE is CAFE」で行いました。
ジョナサン・バーンブルックは2000年以降にデヴィッド・ボウイのメイン・デザイナーを務め『★』(Blackstar)などアルバム・アートワークを担当しました。さらに、本展キュレーターのアーティスティック・アドバイザーとして、会場内の『ベルリン時代』に関するセクションのビジュアル・アイデンティティを手掛け、展覧会にも携わった人物です。他にも実験的な書体をデザインすることでも知られており、作品としては英国現代美術家、ダミアン・ハーストのブックデザイン、六本木ヒルズや森美術館のビジュアル・アイデンティティなども手掛けています。
当日は抽選で選ばれた70名が招待され、一夜限りのイベントとして開催しました。イベントでは、ラジオDJやナレーターを務めるサッシャを聞き手に、「最優秀レコーディング・パッケージ」受賞やデヴィッド・ボウイとの創作活動、アルバム『★』(Blackstar)、大回顧展「DAVID BOWIE is」についてトークが展開され、トーク終了後にはサイン会を行いました。
イベント冒頭で、「最優秀レコーディング・パッケージ」受賞を祝福されるとジョナサン・バーンブルックから「すごく嬉しかった。ただ、受賞することが大切ではなく、いい作品を作ることが重要。その音楽に値するアートワークが作れたことが一番大事であって、実際にアルバム販売後にアートワークへ高い評価とすばらしい反応をいただいたことで手応えを感じさせていただきました」とコメント。授賞式当日の話やこれまで手掛けてきた作品、取り組んできたプロジェクトについて紹介されました。
デヴィッド・ボウイの話題に話が移ると「彼の音楽がすばらしく、彼のことが好きで、だからこそ、彼のありのままの姿、ありのままの音楽をそのまま皆さんに伝えるという仕事ができました」とこれまでの創作活動を振り返り、「ファンであるということと同時に、客観性を持つということも大事。アーティストの姿をただ出せばいいということではなく、作品の中に彼が貫いている哲学などを表さなければそれに意味を持たない」と活動の中で意識していたことを語りました。またアートワーク制作について「彼に音楽の中身やどういう意味を込めたかは一切聞かない。楽曲を聞いて、込められている感情や音楽の情緒、描き出す情景を捉えて形にする。『★』(Blackstar)ではそれがうまくできたかな」と紹介。『★』(Blackstar)のアートワークに隠された秘密についても触れ、音楽とアートワークの関係性についても独自の見解を語りました。そして『★』(Blackstar)のアートワークで使用されたグラフィックを「人類の歴史において色々なかたちで使用されていたシンボル」と、『NO PLAN EP』のアートワークで使用されたグラフィックを「デヴィッド・ボウイ自身が我々を導いてくれる星のような存在だったから」と解説しました。
▼『★』(Blackstar)アートワーク
▼『NO PLAN EP』アートワーク
サッシャより大回顧展「DAVID BOWIE is」日本展について聞かれると、「まずは、違う国・文化圏で彼が成し遂げてきたことを伝えることが大事だと思っている」と、続けて「デヴィッド・ボウイ自身、非常に日本から多大な影響を受けた。山本寛斎さんの衣装、歌舞伎、三島由紀夫の作品、大好きだった日本で開催されることは理にかなっている」とコメント。また、公式図録の制作にも携わっていることが紹介されると、デヴィッド・ボウイを知るうえで最高の物をつくりたかったこと、展示されている物を正しく理解し、その背景にどのようなことがあるのかをしっかり理解してもらいたい、という想いが込められていることなどが語られました。
サッシャから最後に「デヴィッド・ボウイはなぜ特別な存在なのか、なぜ特別な仕事になるのか」と聞かれ「この世の中に存在した最もセクシーな生き物だった。と同時に、多くの傑作を世に出してきた人でもあった。すばらしいメロディと同時にすばらしい歌詞も書けた人。最もすばらしかったのは、我々が生きていくうえで感じる複雑で入り組んだ感情や情緒、感覚、あるいは哲学、喜びや悲しみ、それをわかり易く作品に昇華し、楽曲を聞いた私たちが色々な苦難を乗り越えられるようになったこと。それができた人はこの何十年を振り返ってもたくさんはいないと思う。彼と仕事をすることは楽しく辛いことは一つもなかった。周りの人からも最高の創造性を引き出せる人で、寛容さもあった。」と一夜限りのイベントを締めくくりました。
ジョナサン・バーンブルックも携わった「DAVID BOWIE is」は会期も残り3日間。4月3日(月)からは閉幕直前の混雑を想定し、営業時間を延長して各日程において20時最終入場・21時閉館で開催しています。
• 大回顧展「DAVID BOWIE is」
http://davidbowieis.jp/