ダニエル・ラノワ
51年、カナダ・ケベック州ハル生まれのフレンチ・カナディアン。

80年代初頭、ブライアン・イーノに師事したことから音楽的キャリアがスタート。
U2、ピーター・ゲイブリエル、ロビー・ロバートソン、ボブ・ディラン、ネヴィル・ブラザーズのプロデュースを手掛け、カナダでは3年連続”プロデューサー・オヴ・ジ・イヤー”を受賞した経歴を持つ才人。

89年『Acadie』、93年『For The Beauty Of Wynona』と2枚のソロ・アルバムを発表した後、2003年Epitaph傘下の”ANTIレーベル”に移籍、約10年ぶりの3rdアルバム『SHINE』を発表。
2005年にはANTI移籍第2弾にして自身初のインストゥルメンタルアルバム『Belladonna』を発表した。


<文:松山晋也>
ブライアン・イーノのアンビエント・ワークスへの参加をとっかかりに、その後U2やピーター・ゲイブリエル、
ネヴィル・ブラザーズといったビッグ・ネイムとの仕事を通して、80年代を代表するプロデューサーとして名声を確立したラノワ。
しかし彼は元々、出身地カナダのインディ・レーベルでフォーク/ルーツ系ミュージシャンたちの作品を制作しながら、自らもロビー・バートソン風のギターを弾く渋いミュージシャンだった。
ワーナー~アンタイで発表してきたソロ・アルバムはどれも、土臭い北米伝統音楽のエッセンスを縦横に盛り込み、彼ならではの幻想的で壮大なサウンド・スケイプで展開したものばかりだ。
遥か遠くを見渡すような視線は、カナダ人ならではか。