カルロス・ヌニェス

カルロス・ヌニェスはイベリア半島の北西部に位置するガリシア地方出身の若きスペイン人音楽家。この地方はフランスのブルターニュ地方同様、ケルト文化圏に属し、カルロスはその中でも圧倒的な人気を誇るアーティスト。彼が操るのはガリシア地方を代表する楽器であるフルートとバグパイプで、その独創性と激しく情熱的な演奏から、「ケルト音楽の新しい王(フランス・リベラシオン紙)」「バグパイプのジミ・ヘンドリクス(ビルボード誌)」などと絶賛されている。まさに次代のケルト音楽界をリードする存在であり、その活動は常に注目の的となっている。18才の時にチーフタンズのアルバム『トレジャー・アイランド』にゲストとして参加、そこから数年間は彼らのツアーに頻繁に同行して自身の評価を高めていった。1996年の『ロング・ブラック・ヴェイル』ではチーフタンズの“7人目のメンバー”としてほぼ全曲に参加、この作品を同年のグラミー賞に導くに当たって重要な役割を果たした。1997年には初のソロ・アルバム『スパニッシュ・ケルトの調べ』を発表、ケルト文化と他文化とのつながりにおける独自の世界を築き、絶賛を浴びた。続く1999年の『アモーレス・リーブレス』では前作で打ち出した方向性をさらに押し進め、世界各地で高く評価を得る。続く2001年の『ガリシアの碧い風』はスペイン国内だけで10万枚のヒットを記録している。これまでにジャクソン・ブラウンやライ・クーダー、ビセンテ・アミーゴ、ドゥルス・ポンテス、シンニード・オコーナー、さらにはチーフタンズやダン・ア・ブラースなどといったケルト系の音楽家に至るまで幅広いジャンルの音楽家と共演を果たす。2003年の『絆~ガリシアからブルターニュへ』ではケルト音楽の源流の一つであるブルターニュ地方の音楽に焦点を当て、ガリシアとの間にある絆を探っている。2005年にはこれまでのケルト文化を掘り下げるスタイルから一転、大胆なまでにポピュラーな方向を示した『シネマの海』を発表。ラヴェルの「ボレロ」、バッハの「無伴奏チェロ組曲」から「ゴッドファーザーのテーマ」など、まったく新しいサウンドを聴かせた。2007年、『ゲド戦記』のサントラに参加。スタジオジブリのスタッフの熱いラブコールによって、その『ゲド戦記』の世界観にインスピレーションを得て創りあげた作品集を発表し、話題を呼ぶ。2009年にはケルティック・ミュージックとブラジリアン・ミュージックの融合という新しい世界にチャレンジした『アルボレーデ・ド・ブラジル』を発表。高い評価を得る。