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the river box 12/23発売

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プロダクト展開画像

ブルース・スプリングスティーン
『ザ・リバー・ボックス:THE TIES THAT BIND: THE RIVER COLLECTION』

BRUCE SPRINGSTEEN/THE TIES THAT BIND: THE RIVER COLLECTION

収録曲
Track Listings

CD1&2:『ザ・リバー』(2014デジタル・リマスター)
Original THE RIVER album

  1. CD1:THE RIVER - Record One
  2. タイズ・ザット・バインド / The Ties That Bind (3:33)
  3. 愛しのシェリー / Sherry Darling (4:03)
  4. ジャクソン刑務所 / Jackson Cage (3:03)
  5. 二つの鼓動 / Two Hearts (2:42)
  6. 独立の日 / Independence Day (4:45)
  7. ハングリー・ハート / Hungry Heart (3:19)
  8. 表通りにとびだして / Out In The Street (4:17)
  9. クラッシュ・オン・ユー / Crush On You (3:11)
  10. ユー・キャン・ルック / You Can Look (But You Better Not Touch) (2:35)
  11. アイ・ウォナ・マリー・ユー / I Wanna Marry You (3:26)
  12. ザ・リバー / The River (5:01)
  1. CD2 :THE RIVER - Record Two
  2. キャディラック・ランチ / Cadillac Ranch (3:03)
  3. 愛しのシェリー / Sherry Darling (4:03)
  4. ジャクソン刑務所 / Jackson Cage (3:03)
  5. 二つの鼓動 / Two Hearts (2:42)
  6. 独立の日 / Independence Day (4:45)
  7. ハングリー・ハート / Hungry Heart (3:19)
  8. 表通りにとびだして / Out In The Street (4:17)
  9. クラッシュ・オン・ユー / Crush On You (3:11)
  10. ユー・キャン・ルック / You Can Look (But You Better Not Touch) (2:35)
  11. アイ・ウォナ・マリー・ユー / I Wanna Marry You (3:26)
  12. ザ・リバー / The River (5:01)

CD3:『ザ・リバー・シングル・アルバム』
THE RIVER: Single Album

1979年に1枚組アルバム『The Ties That Bind』として発売される予定だったが、ボスがポップすぎると判断し発売中止となった幻のアルバム。その後「ザ・リバー」など物語歌、アメリカの闇を描いた曲を入れ、1980年2枚組で 『ザ・リバー』が発表された。「Cindy」「Be True」「Loose Ends」などは『ザ・リバー』未収録の幻の名曲。他の曲も初期ヴァージョンなのでミックスやテイクが異なる。

  1. タイズ・ザット・バインド / The Ties That Bind (3:36)
  2. シンディ / Cindy (2:25)
  3. ハングリー・ハート / Hungry Heart (3:25)
  4. 盗んだ車(Vs. 1) / Stolen Car (Vs. 1) (4:28)
  5. ビー・トゥルー / Be True (3:51)
  6. ザ・リバー / The River (4:54)
  7. ユー・キャン・ルック(Vs. 1) /You Can Look (But You Better Not Touch) (Vs. 1) (2:09)
  8. ザ・プライス・ユー・ペイ / The Price You Pay (5:49)
  9. アイ・ウォナ・マリー・ユー / I Wanna Marry You (3:26)
  10. ルース・エンズ / Loose Ends (4:07)

CD4:『ザ・リバー:アウトテイクス』
THE RIVER: Outtakes (22 songs including 12 previously unreleased)

『ザ・リバー』の時期はブルースの最もポップな面と楽しいR&Rの面が出た音源の宝庫で、未発表とはいえシングルにしてもおかしくない曲ばかり。22曲のアルバム未収録曲がまるっと一枚に。既に未発表曲集『TRACKS』やシングルB Sideでも発表済みのものが 11曲+「11曲の完全未発表曲」を収録。

  1. 【Record One(未発表曲)】
  2. ミート・ミー・イン・ザ・シティ / Meet Me In The City (3:35)
  3. ザ・マン・フー・ガット・アウェイ / The Man Who Got Away (3:29)
  4. リトル・ホワイト・ライズ / Little White Lies (2:36)
  5. ザ・タイム・ザット・ネヴァー・ワズ / The Time That Never Was (3:37)
  6. ナイト・ファイアー / Night Fire (4:42)
  7. ホワイトタウン / Whitetown (3:23)
  8. チェーン・ライトニング / Chain Lightning (2:49)
  9. パーティ・ライツ / Party Lights (3:08)
  10. パラダイス・バイ・ザ・“C” / Paradise By The “C” (3:07)
  11. ストレイ・ブレット / Stray Bullet (6:06)
  12. ミスター・アウトサイド / Mr. Outside (2:11)
  1. 【Record Two(Tracks, Essentialなどで発表されていたものを集約)】
  2. ルーレット / Roulette (3:52)
  3. レストレス・ナイツ / Restless Nights (3:43)
  4. ホエア・ザ・バンズ・アー / Where The Bands Are (3:43)
  5. ドールハウス / Dollhouse (3:31)
  6. リヴィング・オン・ジ・エッジ・オブ・ザ・ワールド / Living On The Edge Of The World (4:17)
  7. テイク・エム・アズ・ゼイ・カム / Take ’em As They Come (4:28)
  8. リッキー・ウォンツ・ア・マン・オブ・ハー・オウン / Ricky Wants A Man Of Her Own (2:44)
  9. アイ・ウォナ・ビー・ウィズ・ユー / I Wanna Be With You (3:21)
  10. マリー・ルー / Mary Lou (3:20)
  11. ヘルド・アップ・ウィズアウト・ア・ガン / Held Up Without A Gun (1:16)
  12. フロム・スモール・シングス / From Small Things (Big Things One Day Come) (2:42)
  13. (Record One、Record TwoとありますがCD1枚に収録されています)

DVD1:『ザ・メイキング・オブ・ザ・リバー:タイズ・ザット・バインド』
THE TIES THAT BIND - New 60 minute Documentary

プロデュース&監督:トム・ジムニー。『ザ・リバー』制作過程を振り返る60分の映像。これまでの『明日なき暴走30周年BOX』や 『闇に吠える街BOX』 でも大変素晴らしいドキュメンタリー作品が収録されたが、今回もスプリングスティーン自身、Eストリート・バンド・メンバー、スタッフなどが『ザ・リバー』の曲作りやレコーディングを振り返る、60分のアルバム・メイキング・ドキュメンタリー。ソロ・アコースティック・ギター演奏を披露したり、コンサート映像、ブルースやバンドメンバーのスタジオ内外でのレア写真で綴られていく。

  1. クリエイティヴ・ライフ / Creative Life(「Two Hearts」「Stray Bullet」「The River」)
  2. ロスト・ボーイズ / Lost Boys(「I Wanna Marry You」「The River」「Chain Lightning」「The Time That Never Was」)
  3. ザ・リバー / The River(「The River」)
  4. ノイジー・レコード / Noisy Records(「Cindy」「Sherry Darling」「Crush On You」「Ramrod」)
  5. サーチン・フォー・サムシング / Searching For Something(「Take ’em As They Come」「Hungry Heart」「Crush On You」「Be True」)
  6. ザ・リバー・ツアー / The River Tour(「Out In The Street」「Cadillac Ranch」「Ramrod」)
  7. ソングス・オブ・ブレッドス・アンド・デプス / Songs Of Breadth And Depth(「Independence Day」)
  8. パーソナル・カンバセーション / Personal Conversation(「Point Blank」「Wreck On The Highway」)
  9. クレジット / Credits(「The Ties That Bind」)
  10. (カッコ内はバックに流れている曲名です)

DVD2:『ザ・リバー・ツアー1980』
THE RIVER TOUR TEMPE 1980 from Tempe 1980, plus rehearsal footage

1980年の『ザ・リバー』ツアーからの2時間40分にも及ぶ完全未発表ライヴ映像。スプリングスティーン史上最高のライヴ・パフォーマンスのひとつと呼ばれている1980年11月5日アリゾナのTempeでのショーより24曲。更に様々なライヴ映像や貴重なリハーサルシーンも収録 。オリジナル・マルチトラックからの音声ミックスはボブ・クリアマウンテン(Stereo & 5.1 surround)、 マスタリングはボブ・ラドウィグという黄金のコンビ

  1. 明日なき暴走 / Born To Run
  2. 暗闇へ突走れ / Prove It All Night
  3. 凍てついた十番街 / Tenth Avenue Freeze-Out
  4. ジャクソン刑務所 / Jackson Cage
  5. 二つの鼓動 / Two Hearts
  6. プロミスト・ランド / The Promised Land
  7. 表通りにとびだして / Out In The Street
  8. ザ・リバー / The River
  9. バッドランド / Badlands
  10. 涙のサンダー・ロード / Thunder Road
  11. ノー・マネー・ダウン / No Money Down
  12. キャディラック・ランチ / Cadillac Ranch
  13. ハングリー・ハート / Hungry Heart
  14. ファイアー / Fire
  15. 愛しのシェリー / Sherry Darling
  16. アイ・ウォナ・マリー・ユー / I Wanna Marry You
  17. クラッシュ・オン・ユー / Crush On You(「Danger Ahead」~「Crush On You」)
  18. 恋のラムロッド・ロック / Ramrod
  19. ユー・キャン・ルック / You Can Look (But You Better Not Touch)

DVD3:『ザ・リバー・ツアー1980』
THE RIVER TOUR TEMPE 1980 from Tempe 1980, plus rehearsal footage

  1. ドライブ・オール・ナイト / Drive All Night
  2. ロザリータ / Rosalita (Come Out Tonight)
  3. アイム・ア・ロッカー / I’m A Rocker
  4. ジャングルランド / Jungleland
  5. デトロイト・メドレー / Detroit Medley(「Devil With The Blue Dress On」~「Good Golly Miss Molly」~「CC Rider」~「Jenny Take A Ride」~「Devil With The Blue Dress On」)
  6. クレジット:ホエア・ザ・バンズ・アー /Credits: Where The Bands Are
  7. BONUS: THE RIVER TOUR Rehearsals
  8. 恋のラムロッド・ロック / Ramrod
  9. キャディラック・ランチ / Cadillac Ranch
  10. ファイアー / Fire
  11. クラッシュ・オン・ユー / Crush On You
  12. 愛しのシェリー / Sherry Darling

(Blu-ray Versionは2枚組。DVD versionのDVD1の内容がブルーレイディスクの1枚目に、DVD2/3の内容がブルーレイディスクの2枚目に収められています)

brucespringsteen

このボックス・セットでは、’80年代初期の俺たちのライヴ・ショウの粗削りなエネルギーや映像インタビュー、さらには最終的に『ザ・リバー』へと俺たちを導く様々な段階の音楽を通じて、このストーリーが様々な形に展開していくのをお見せすることになる。最終的に発売されたものの前に納品した1枚もののアルバムと、スタジオで過ごした沢山の長く、活気に溢れ、孤独だった夜を、混乱させてきたアウトテイクのかなりの概要(半分はこれまで未発表だった)も収録している。楽しんでいただけますように。

―――ブルース・スプリングスティーン

Bruce Springsteen & The E Street Band

- Bruce Springsteen ブルース・スプリングスティーン Vocal&Guitar

- Stevie Van Zandt スティーヴ・ヴァン・ザント Guitar

- Max Weinberg マックス・ワインバーグ Drums

- Roy Bittan ロイ・ビタン Piano

- Danny Federici ダニー・フェデリーシ Organ

- Garry Tallent ギャリー・タレント Bass

- Clarence Clemons クラレンス・クレモンズ Saxophone

- Producer:Jon Landau / Stevie Van Zandt / Bruce Springsteen

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プロダクト概要
About "THE TIES THAT BIND : THE RIVER COLLECTION"

Ties That Bind=絆の物語

THE RIVERのすべて!驚愕の未発表音源・映像の数々!驚異の歴史的ボックス・セット。1980年発表、名盤『ザ・リバー』が35年の月日を経て、オリジナル・アルバム・デジタルリマスター+幻の未発表アルバム+未発表曲集の4CD更に未発表映像3DVD/2BDを加えた、想像を超えた一大絵巻がリリース!

The River ロゴ

ロック界の“ボス”、ブルース・スプリングスティーンの通算5作目、初の全米No.1に輝いた大ヒット作1980年発表『ザ・リバー』から35周年となる2015年末、超強力ボックスセットが登場!名曲「ハングリー・ハート」が大ヒットし、日本でも特に人気の高い2枚組の大作『ザ・リバー』。その『ザ・リバー』が35年の月日を経て、DVD付7枚組(BD付は6枚組)という想像を超えた一大絵巻『ザ・リバー・ボックス~THE TIES THAT BIND: THE RIVER COLLECTION』としてリリースとなる。

4枚のCDには膨大な未発表を含む52曲、3枚のDVD(BDは2枚)には4時間もの未公開映像を収録。オリジナルの2枚組アルバム『ザ・リバー』、幻の未発表アルバム『ザ・リバー:シングル・アルバム』、1979年~80年のスタジオ録音の未発表曲を集めた『ザ・リバー・アウトテイクス』、DVD,BDには新規撮りおろしメイキング・ドキュメンタリー『ザ・タイズ・ザット・バインド』とともに、1980年のアリゾナ州テンピ公演からの2時間40分もの未発表ライヴ映像『ザ・リバー・ツアー1980』と、長い間噂になっていたものの未公開だったレアなツアー・リハーサル映像が遂に収録される。そして200枚の未公開写真やメモラビア、評論家ミカル・ギルモアの書き下ろしエッセイを収録したコーヒー・テーブル・ブック(卓上用大型豪華本)付きの豪華ボックスセットでリリースとなる。

この『ザ・リバー・ボックス』はアルバム発売に至るまで、そして発売後の成功への物語をすべて収録したボックス・セットである。CD1と2はオリジナルの『ザ・リバー』のデジタル・リマスター。CD3の『ザ・リバー・シングル・アルバム』は当初1978年の『闇に吠える街』の続作として1979年に録音し『ザ・タイズ・ザット・バインド』というタイトルで10曲入りのアルバムで発売される予定だった「幻のアルバム」。プロデューサーのジョン・ランダウは最初この形で出そうとしていたが、ブルースの意向によりお蔵入りとなり、追加楽曲を録音し翌年『ザ・リバー』として2枚組で発売されることになった。『闇に吠える街』と『ザ・リバー』を繋ぐ「幻のアルバム」が当時のままの姿で遂に日の目を見る。スプリングスティーンはこのアルバムについてこう語っている

「楽曲が、自分が自分の音楽に求める調和やコンセプト的な力強さに欠けていた。
それで俺たちはスタジオに戻ったんだ」

DISC4には『ザ・リバー』 のレコーディング・セッションで録音された未発表曲、アウトテイクの数々を22曲も収録。11曲の完全未発表アウトテイクは「Record One」と表示され、ボブ・クリアマウンテンがミキシング、ボブ・ラドウィグがマスタリングを手掛がけた。その他11曲のアウトテイクはボックス・セットの『トラックス』や『エッセンシャルズ』から「Record Two」に集約されている。

DVD3枚(BDは2枚)に収録される映像は4時間にも及ぶ。
『ザ・リバー』制作秘話をスプリングスティーンが語る60分の撮りおろしドキュメンタリー映像『ザ・タイズ・ザット・バインド』はトム・ジムニーがプロデュースと監督を担当し、『ザ・リバー』の作曲とレコーディングが行われた長い激動の時代を振り返るスプリングスティーンの親密なインタビューが目玉となっている。また、音楽の裏にあるストーリーを語るシーンとソロ・アコースティック・ギターを演奏して説明するシーンも必見。当時のコンサート映像や、スプリングスティーンとバンド・メンバーのスタジオ内外でのレアな写真がちりばめられている。

そして、完全未発表ライヴ映像『ザ・リバー・ツアー1980』は1980年に4台のカメラで撮影され、マルチトラックで録音されたプロショット映像。1980年11月5日、アリゾナ州テンピのアリゾナ州立大学テンピ校で行ったコンサートから、24曲、2時間40分収録されている。スプリングスティーン史上最高のパフォーマンスのひとつと幅広く認められているこのショーは、『ザ・リバー』収録楽曲の半分以上の初期ライヴ・ヴァージョンがフィーチャーされている。また、1980年9月下旬にペンシルベニア州リティッツで行われた『ザ・リバー』ツアーのリハーサル映像も20分収録されており、スプリングスティーンとEストリート・バンドが当時まだリリースされていなかった発売前のアルバムの楽曲のライヴ・アレンジに取り組んでいる姿が見られる。近年スプリングスティーンのコラボレーターを頻繁に務めるグラミー賞・エミー賞受賞歴のある映画監督トム・ジムニーが編集し、音声はボブ・クリアマウンテンがオリジナルのマルチトラック録音からステレオと5.1サラウンドのミキシングを、マスタリングをボブ・ラドウィグが手がけた。

一人のアーティストの一つの作品にまつわるマテリアルで、ここまでの大量で充実した未発表音源、未発表映像が収録されるのは驚異的。質・量とも他を凌駕する最高峰の史上稀にみる歴史的復刻作品となることだろう。 著名な音楽評論家のミカエル・ギルモアはライナーノーツの中でこう書いている。「『ザ・リバー』はスプリングスティーンにとって極めて重要なアルバム。それ以前の野心溢れる大興奮の時代と、それ以後のより簡潔な音楽的暴動や、時には恐ろしくもあるストーリーテリングの時代を留め合わせている」第一弾シングルとして未発表曲「Meet Me In The City」が公開となった。

【アルバム『ザ・リバー』について】

帯付き

アルバム『ザ・リバー』は1980年10月17日全米発売、通算5作目。ボス初の全米1位獲得作。全米のみで500万枚以上の売上。シングル「ハングリー・ハート」はスプリングスティーン初の全米TOP10ヒット(最高位5位)。日本でも大ヒットし、日本でも初めて彼の名が一般的に広まった作品(オリコン総合アルバムチャート28位)で、このアルバムでボスの存在を知った人が多い。ちなみに「ハングリー・ハート」はもともとラモーンズのために書かれた曲だった。当初『タイズ・ザット・バインド』のタイトルで1979年に1枚組アルバムとして発売される予定だったが。スプリングスティーンがポップすぎると判断し発売中止。その後「ザ・リバー」など物語歌、アメリカの闇を描いた曲を入れ、1980年2枚組として発表。ビートルズの『Get Back』、ビーチ・ボーイズ『Smile』などと並ぶ「幻のアルバム」ともいえる『ザ・タイズ・ザット・バインド』が当時のままの形で遂に日の目を見る。(Released:US 1980.10.17/Recorded:The Power Station(1979.Mar.~1980.Aug.) /Chart:全米1位、全英2位 /Sales:全米500万枚以上の売上 quintuple platinum album) /Producer:Jon Landau,Bruce Springsteen,Steven Van Zandt)

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ブルース・スプリングスティーンによるエッセイ
the Essay by Bruce Springsteen

 『ザ・リバー』は、サウンドも歌の内容も『闇に吠える街』で探求したアイデアへの反動と拡張の両方だった。『闇』は最新の技術を用いてプロデュースされたスタジオ・アルバムだった。『明日なき暴走』よりもサウンドのエキセントリックさを抑え、より伝統的な形で録音された作品だった。’70年代のレコード制作における無菌状態に近づきすぎていたことに懸念があった俺は、『ザ・リバー』ではライヴ・ショウの粗さや自発性をもっと取り込みたいという明確な希望があった。  旧友のギタリスト、スティーヴ・ヴァン・ザントが、ジョン・ランダウとチャック・プロトキンらのプロダクション・チームに加わってくれた。地元ニュージャージーのクラブ・シーンの古参同士として、スティーヴとは強力で親密な関係を楽しんでいた。今度は一緒に『ザ・リバー』のレコーディングの舵を、より粗削りな方向へと切り始めたんだ。  この作品はEストリート・バンドがスタジオの中で真価を発揮したアルバムだった。俺たちはガレージ・バンドと、いいアルバム作りに求められるプロフェッショナリズムの適正なバランスを取った。さらに、俺にはどんな音にしたいかのアイデアが明確にあった。スネア・ドラムは音を大きくし、楽器の音はあまり分離しないようにしたかったんだ。また、『闇』のシリアスさの後には、選曲の際、感情の幅に多くの柔軟性を自分に与えたいと思った。俺たちのショウにいつも満ちている楽しさをこの時は外したくないと考えたんだ。
 『ザ・リバー』で最初に録音したのは「ルーレット」。スリーマイル島の原子力発電所事故を受けて書いた曲だ。事故に相応しい偏執的な歌詞と刺激的なトラックだったが、アルバムに入ることはなかった。次に録音したのは「タイズ・ザット・バインド」。メンバーは木製パネルに囲まれたスタジオで、ドラムキットの上に距離を離してマイクをかざし、ライヴの反響をとろうとした。すべてが派手な音が跳ね返って回っていた。すべてのサウンドを完全にコントロールできた訳ではなかったが、それでよかったんだ。
 その時は特に壮大な戦略もなく、とにかくいい曲を書こうとしていた。強いて言えば、酒場のバンドが演奏してもいい音がするような曲を作りたかったんだ。俺にとってのこのバンドは基本的にそういうバンドだった。俺は長年の演奏活動を通じて、ガレージから出てきたかのような音がする曲でショウを始めることが多かった。過去には、アルバム作りでスタジオに入ると、そういうタイプの曲は途中で棚上げになってしまっていた。『ザ・リバー』に関しては、自分の音楽のこの面が決して失われないようにしたかった。
 いくつか録音したのち、俺たちは1枚もののアルバムをこしらえ、レコード会社に提出した。後から聴いてみると、どうも気に入らない。楽曲が、俺が自分の音楽に望む統一感やコンセプト的な力強さに欠けていたんだ。そこで俺たちはスタジオに戻り、さらに1年が過ぎた。沢山の曲が録音されたが、多くは基準に達していないと判断された。俺のソングライティングに対するアプローチがこの時はあまりきめ細かくなく、より本能に委ねるものだったことも問題の一部だったかも知れない。
 成功作をいくつか携えるようになると、人々の期待をより意識するようになるものだ。警戒しすぎてしまうこともあり得る。『ザ・リバー』ではバンドを生で演奏させて、自然に音楽が生まれるようにしようと決めた。うまくいった夜もあれば、いかなかった夜もあった。過去と当時のレコーディングに対するアプローチの折り合いをつけるための奮闘にこそ、このアルバムはアイデンティティを見いだした。俺たちは『ザ・リバー』を2枚組のアルバムにすることにした。より緩やかでコンセプチュアルな枠組みの中で、よりポップな曲を作り、異なるものの長所をそれぞれ活かそうとしたのだ。
 『ザ・リバー』の感情の深さは、収録されたバラードから来ている。「ポイント・ブランク」「独立の日」「ザ・リバー」「盗んだ車」はどれも曲が物語を語るんだ。「盗んだ車」は、俺がその後書くことになるたくさんの曲の元となった。内省的で心理的なこの曲のキャラクターについては、その後、間もなく『トンネル・オブ・ラヴ』でその進歩を追うことになる。彼は俺が後年に書いた、男と女のことを歌った曲における男性の役割の原型だった。アルバムのエネルギー源は「キャディラック・ランチ」「ハングリー・ハート」「二つの鼓動」「恋のラムロッド・ロック」他、クラブを盛り上げる曲たちである。俺が自分たちのライヴ・ショウに燃料を与えつつ、俺の作品に続々と登場し始めていたバラードとの釣り合いを取るために書いた音楽だ。これらの曲は聴き手がバラードによって登場人物の内面世界に引き戻される前に、その感情を解放し、外からの目線を与えた。
 『ザ・リバー』はまた、俺が家庭と結婚という責任について初めて書こうとした作品でもあった。カントリー・ミュージックはここでも重要な存在であり続けた。ある晩ニューヨークのホテルの部屋でハンク・ウィリアムスの「マイ・バケッツ・ガット・ア・ホール・イン・イット」を歌い出した俺は、その晩ニュージャージーに車で帰り、自室で「ザ・リバー」を寝ずに書いたんだ。俺は物語を語るのに「普通の人」の声を使った。バーにいる男が、隣のスツールに座っているよそ者に自分のストーリーを語るという設定である。曲は’70年代後半のニュージャージーにおける建設業界の破綻と、妹一家に降りかかった苦難の時期をベースに書いた。俺は義弟が給料のいい仕事を失い、生き延びるために文句も言わず一生懸命働くのを見てきた。初めてこの曲を聴いたとき、妹は楽屋にやってきて俺をハグするとこう言ってくれた。「あれは私の人生だわ」。俺の関心事を具体化したし、その曲作りのスタイルは、『ネブラスカ』や『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』でより深く具体的に発展させることになる。
 アルバムは、ロイ・エイカフの曲からいただいたタイトルで幕を閉じる。「雨のハイウェイ」(原題:Wreck On The Highway)は自分自身の死と向き合い、人生に限りがある大人の世界へと踏み込んでいく曲だ。登場人物は雨のハイウェイで死亡事故に遭遇する。彼は車を走らせて帰宅し、その晩恋人の横で眠れずに横たわりながら、誰かを愛したり、仕事をしたり、何かの一部になったり、子供を育てたり、何か良いことを行ったりする機会というのが限られていることに気づくのだ。
 以上は俺が自著『ソングス』向けに書いた『ザ・リバー』に関するエッセイだ。振り返ってみると、言いたいことは大体言っている。34年間の奇妙な日々を経て、俺は自分の本能の赴くままに俺たちが探しに行ったものを捉らえることができたと信じている。それは、俺がその時も共鳴していると感じていたコミュニティの、広く大まかな描写。このボックス・セットでは、’80年代初期の俺たちのライヴ・ショウの粗削りなエネルギーや映像インタビュー、さらには最終的に『ザ・リバー』へと俺たちを導く様々な段階の音楽を通じて、このストーリーが様々な形に展開していくのをお見せすることになる。最終的に発売されたものの前に納品した1枚もののアルバムと、スタジオで過ごした沢山の長く、活気に溢れ、孤独だった夜を、混乱させてきたアウトテイクのかなりの概要(半分はこれまで未発表だった)も収録している。楽しんでいただけますように。

―ブルース・スプリングスティーン

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「叶わぬ夢は偽りなのか」
―アルバ『ザ・リバーの物語(英文ライナーより抜粋)
the Story of "The River"

スプリングスティーンは『ザ・リバー』を“苦難を抱えた人びと”についての三部作の最終巻と想定していたのだ。『闇』の向こうには何があるのか。どん底なのか、それともある種の勇ましい再生なのか? 三部作の最後はそのような問いかけを最後まで続け、なおかつそれ以上のものをもたらす内容である必要があった。

スプリングスティーンは1979年3月から1980年8月にかけて新作作りに取り組む際、「パーティ」と「不安」を合わせ、両方の要素を強めるやり方を模索していた。1979年8月、彼は1枚もののアルバム『タイズ・ザット・バインド』を録音したが、その後撤回した。自身の目指すものに適う作品にするためには、新作をもっと大きく、2倍の長さにして、新曲が広げた主題の領域や音楽的範囲にふさわしくならなければと気づいた。

「あるべき姿に感じられないものを、出す必要はないだろう?“まぁ、半年経ったら残りの半分を出せばいいか”と思うものを出す必要もない。俺は明日を信じていないんだ。半年後には何が起こっているか分かりゃしないからね。死んでいるかも分からない。俺は最初から、そういう風にものを作ることを信じていないんだ。アルバムは人生最後の作品であるかのように作るものだと思う」

(ブルース・スプリングスティーン)

『ザ・リバー』はそれらの基準に適ったものだった。実際、この作品は、ブルース・スプリングスティーンの1970年代のアルバムの中で最も音が大きく騒々しいものとなった。

「愛しのシェリー」は元々『闇に吠える街』のセッション中に書かれたものだが、同作のトーンには陽気すぎた。この曲の語り手はガールフレンドに対してこうぼやいている。
「おまえのママはバックシートで吠えてる/彼女に言ってくれ、そのでかい足をどけてくれと/月曜の朝はいつも、彼女を乗せて職安へ行かなければ/彼女に言ってくれ、今朝は仕方ない俺の負けだと/ただ黙っててくれれば彼女の勝ちだと/でも乗せてやるのはこれが最後だ」。
同時にシェリーはこのシンガーを生き生きと自由な気分にさせている。彼は、真の愛には重荷(とシェリーの母親の太い足)がつきものだと分かっているのだ。

「アイム・ア・ロッカー」は乱痴気パーティのような曲で、パロディーでもある。P.F.スローンがジョニー・リヴァースに書いた曲「シークレット・エージェント・マン」に近い。しかし、この曲の場合、諜報員の秘密兵器はバンドである。コード、ビート、叫びだけでどんな敵でも吹き倒したり、壁を破壊したりすることができる。

「キャディラック・ランチ」はまもなくアメリカの高速道路から消え去ることになる、あの手の長い流線型のガソリン食い虫へのスロットル全開の賛歌である。このマシンがこのシンガーのベイビーをさらってしまうにもかかわらず、彼はその美しさとパワーを同様に褒めている。

『ザ・リバー』は明るくなったり、暗くなったり、人々やその運命は、曲から曲へ移り変わるように感じられ、バンドは激しく鞭打つ演奏をし、夢幻のようなサウンドを作りだした。時には大きなビートが苦しみや「謀略」を覆い隠していた。つまり、陽気に聞こえたものも、それよりも多くの意味をはらんでいたかも知れないということである。

オープニング曲「タイズ・ザット・バインド」はその曖昧さをすべて前面に出している。愛情と家族は人々同士を結びつけるものだと歌詞はうたっているが、必ずしも歯切れのいい言い方ではない。その結びついている絆の中に助けの手が見いだせるかも知れないし、自分を崩壊させるそもそもの原因が見つかるかも知れない。いずれにせよ、その絆を断ち切る方法はないのだ。

「ハングリー・ハート」は音楽と歌詞を矛盾する方向に作用させるという意味で、さらに注目にあたいする一例である。この曲が家族生活にこれ以上耐えられなくなって妻子のもとを去ったという自分の行動を、酒場で見知らぬ者に正当化している男を描いた曲であることは、すぐには問題視されなかった。重要だったのは、ビーチ・ボーイズ風のハーモニーにあふれたこの曲が素晴らしくラジオ映えしたことだった。実際、語り手の将来性のない願いにもかかわらず、人生が満ち足りているように聞こえたのだ。

評論家兼伝記作家のデイヴ・マーシュはこう書いている。

「『ザ・リバー』は、常に逃避しようとしていること、常に後ずさりしていることの現実も含めた、不可避の現実についてのアルバムである。だからこそスプリングスティーンは、色々な意味で“明日なき暴走”を一層楽しそうにした“恋のラムロッド・ロック”を、“俺が書いた中でも最も哀しい曲のひとつ”として説明することができるのだ」(デイヴ・マーシュ)
一部の登場人物にとっては、残された時間がなくなりつつあるのだ。ブルース自身もこう語っている
「多くのものがとにかくロックしている。それが主な狙いだったんだ。理想主義的なものもいっぱいあるし、そうだな、聴いて笑ったりなんかできるものも多いし、ものによっては非常に理想主義的でもある。俺はそういうものをすべて(アルバムに)入れたかったんだ。最初は全部入れるつもりはなかったけど、時々そういったことをただ感じることがある。時には演奏しているときに…人生はこんなにいいことだけじゃないだろうって思ったりする。実際、確かにいいことばかりじゃない。決してそうはいかないだろう。だけど、だからと言ってその時の感情がリアルじゃないってことにはならない。確かにリアルで、確かに起こっていることだからね。ステージ上ではそういう気分になることがよくあるんだ」

(ブルース・スプリングスティーン)

ある時点で、このアルバムのストーリーは2つに分かれるように感じられる。人生自体が時としてそうであるように。ストーリーの片方は歓び、快活さ、愛情、家族、説明責任の夢を描いている。スプリングスティーンも言うように、ロックすると、その高揚感が希望になるのだ。自分は自分の道を見いだした、自分は愛と責任を受け入れた、自分は天の恵みとしてそうする運命にあるという、護られた希望に。しかし、後半において、この2枚組のアルバムは最も息を呑む効果を達成している。スプリングスティーンは車のイメージをふんだんに使いすぎる、として批判されていたことが時折あった。車がまるで解放の象徴であるかのように、彼の曲は突っ切るように走っていたからである。『ザ・リバー』の後半の展開の中で、車は顕著かつ意味のある象徴として使われている。ある曲では、ひとりの男が止められ捕まることを望みながら、夜遅くに盗んだ車を走らせているが、代わりに無へと消えてゆく亡霊になったような気分にさいなまれる。

「ドライブ・オール・ナイト」では、語り手が失った恋へ戻る道を探そうとしている。彼は自身の浅はかな喜びをほとんど信じているかのように見受けられる。ここでの車は、単に人生を切り抜けることや、無益な行動を避けること(あるいはそこに向かって行くこと)のメタファーだけではなかった。車は車らしい役割を果たしているのだ。つまり、車は私たちの欲求や願望が何であれ、私たちを行くところへ連れて行き、目的へと連れていくものなのだ。

「雨のハイウェイ」では、これを最も簡潔に表現している。アルバム最後の曲でカントリー・ウェスタン調の哀歌だ。2人の男たちが壊滅的な報いにいたる曲である。この曲の語り手が雨の夜遅くに家に向かって車を走らせていると、事故車と血に遭遇する。若者が道路に横たわりながら助けと慰めを祈っているが、死が先に訪れてしまう。語り手は自宅に帰る。彼は自分が目撃した、死によって失われたものすべてに思いを馳せ、恋人を抱き寄せ、自分と彼女の温かな生活に愛おしさを覚えるのだ。彼はスプリングスティーンの他のどの曲の運転手にもなり得た。その反面、ハイウェイでの死亡事故もまた、どの曲にも起こりうるものなのだ。この結論なしにアルバムを想定することは難しい。要するに、これは、本当に結ばれた絆の物語だった。スプリングスティーンが言わんとしていたのは、死が不可避であるにもかかわらず、人生と愛を抱きしめよう、そして、その持続する期間の長さと恵みを実感することだった。

1981年、スプリングスティーンはこのように語った。
「俺は、この世界がパラドックスであること、そして、そういうものだという事実を受け入れようとした。パラドックスへの唯一の対処法は、それを我慢して受け入れることだ。…物事を大局的に見るようになった。物事が何であるか、どういう仕組みになっているのか。そして、それをとにかく我慢して受け入れることを学ぼうとした。物事がとても素晴らしくなることがある、そんな時にどう生きることができるのかということさ…」

(ブルース・スプリングスティーン)

『ザ・リバー』はスプリングスティーンにとって極めて重要なアルバムだった。
それ以前の野心溢れた混乱と、より簡潔な音楽のお祭り騒ぎ、そして、それに続く、時には恐ろしいストーリーテリングとを繋ぐ中心点だったのだ。スプリングスティーンはいつも、世間の制約に力強く抗う登場人物を描いていたが、同時に逃亡と荒廃のジレンマの間で裂かれる人生を生み出す、社会状況にも目を向け始めていた。スプリングスティーンのモチーフにおいて、人々は大きな希望を追いかけるものの、欺かれた愛情や運の尽きた家族を渋々受け入れるかもしれなかった。

「ザ・リバー」では、若き語り手がガールフレンドを妊娠させてしまい、その後、義務を果たすために骨の折れる仕事や面白味のない結婚生活に突入する。最終的にはすべての感情的および経済的な現実が迫り来る中、歌い手の結婚生活は失われた理想主義の生きた嘆かわしいメタファーへと変わる。
「大切だと思われたすべてのものが」スプリングスティーンは良心の呵責の中でそう歌う。「みんな空しく消えてしまったみたい/俺は何も覚えていないという振りをし/メアリーは少しも気にしてないという振りをする」。『ザ・リバー』の世界の中では―ベトナム戦争後の、脱工業化社会のアメリカにおいては―人は充足感と人とのつながり、そして喜びを望んでいたが、時にはそれが夜半過ぎのむっとする悪臭の中、人気のない危険地帯を車で走ることに終わっていた。自分自身の気質を超えたところにある何らかの悲惨な力が、彼らを逃げようのない結末へと引き込む可能性があるかのように。これらの人々にとって、絶望とは単なる実存的な状態ではなかった。社会的な状態でもあったのだ。

『ザ・リバー』は他の意味でもスプリングスティーンにとって極めて重要な作品となった。同作はポップス界進出へのきっかけとなり(アルバムはビルボード・チャートのトップに上り詰め、ファースト・シングルの「ハングリー・ハート」は5位まで上がった)、長い政治的な流れの始まりともなった。スプリングスティーンはそのような事柄について語りたがらなかったが、彼の新たな成功は、大きくふえた熱心なオーディエンスを彼にもたらした。

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