ボブ・ディラン-2016年4月15日名古屋公演@センチュリー・ホール・セットリスト&レポート

2016.04.15


ディラン8公演目。名古屋公演。19時03分開演、21時08分終了。セットリストは大阪と一緒。落ち着いた感じでステージをこなす。インターミッションに入る前の一言、ややかんだのか、「みなそーん、ありがとう」って感じだったような気か!?今夜のディランはノビノビし過ぎてて、ピアノでキーとか気にせずに自由にやっていた。ノビノビディランです。ここまで8公演、ちょうど折り返し地点です。次は再び東京へ!残り8公演


「こんな気がする」ディランを観て第七弾 ● 2016年4月15日

 

名古屋駅から電車を乗り継いで15分くらいだろうか、日比野駅で降り5分ほど歩くとセンチュリーホールに着く。平成になってから建った施設だけにしっかりとした造りで約3000人のキャパを誇る。商圏を考えると大きい部類に入るホールになるのだろうけど、客席からステージは大変見易い会場だった。ロビーも広いせいか、即売所では平台に全てのCDを並べて販売。50種類近い作品が並ぶと壮観だ。残念なことに客席はやや空席が目立ったがグッズとCDの販売所は大賑わい。大阪でのお客さんに比べ若い世代が目についたのが嬉しい。

19時3分、ほぼ定時に会場が暗転するとアコースティックギターの演奏が始まり歓声に包まれてメンバーそしてディランがステージに現れる。

1. シングス・ハヴ・チェンジド 

センターでヴォーカル。いつもに比べ大分声を抑えて歌い始める。抑えてはいるものの一語一語がしっかり聞こえるのは声に芯があるからだろう。今回のツアーは喉の調子が良いようだ。

2. シー・ビロングズ・トゥ・ミー 

ディランはセンター。言葉を投げ捨てるように歌いながら凄みをみせる。かと思えば声がハネているかのように軽く歌う。自由自在のヴォーカルで観客を魅了した。


3. ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシング
ディランはピアノでヴォーカル。キー、リズムとも外すようなピアノ演奏を時々するのはバンドもしくは観客への緊張感を高めるためなのか衝動なのか。大阪ではスチュのギターの音量が出過ぎていて残念な思いをしたが、今夜はチャーリーのギター音量が小さいのでよく聞こえない。


4. ホワットル・アイ・ドゥ
センターでヴォーカル。今夜の観客は明らかに大阪とは違っていた。歌が始まっても拍手はまばらで静かに聴き入る。だからではないのだろうがディランは丁寧に大切に崩さず歌う。まるでそうする事で安心するかのように。


5. デューケイン・ホイッスル
ディランはピアノでヴォーカル。ディランの自由すぎるピアノ演奏にバンドがマッチしないようだ。この曲の演奏か何かを変えたくて試行錯誤しているように見えたのは私だけだろうか。声は良く出ている。


6. メランコリー・ムード
センターでヴォーカル。イントロが流れると悲鳴のような歓声が上がる。だが曲はチャーリーのギターに導かれてまさにメランコリーな世界に染まってゆく。ギターソロになると必ず控えの姿勢を取るディランが微笑ましい。


7. ペイ・イン・ブラッド
センターでヴォーカル。凄みを効かせたヴォーカルで煽るように歌う。ディランの声が出ていてバンドの演奏もタイトで良くなってきた。スタンダードの間にこうした歌を挟むのはメリハリがあって聴いていても楽しいものだ。


8. アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー
センターでヴォーカル。『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』の1曲目に収録だからだろうか、程度の差はあれ、どの会場でも拍手が起こる。愚直なまでの愛の歌を歌詞をかみしめるように歌う。何度観ても違和感は拭えないのだが今夜も心情が伝わる素晴らしい出来だ。


9. ザット・オールド・ブラック・マジック
センターでヴォーカル。軽快なテンポに乗って緩急をつけながら楽しそうに歌う。場内も一気に華やいだ雰囲気になり、女性から「ボビー!」と掛け声が起こった。


10.ブルーにこんがらがって
センターでヴォーカル。穏やかに歌い始めたものの適度に崩しながら気持ち良さそうに歌う。これまでに何回歌ったのだろうか、一度として同じ様に歌った事など無いだろうと確信めいたものまで生まれてきた。ピアノを自由過ぎる位な感じで演奏している。


ステージ中央で、ちょっとかんだのか「みなそーん、ありがとう」、と言ってはける。


11.ハイ・ウォーター(フォー・チャーリー・パットン)
ディランはセンター。曲のトーンはイントロのバンジョーで決まる。淡々としたヴォーカルで歌い始めながらも徐々に気持ちが入ったかのような充実した歌いっぷりを披露して曲を終える。チャーリーのギターが今夜は聴こえ難いのは何故だろうか。


12.ホワイ・トライ・トゥ・チェンジ・ミー・ナウ
センターでヴォーカル。若い観客が目立つ名古屋ではまだ馴染んでいないのだろうか、初めて聞くような体で耳を傾けている。間奏のスティールギターの時、ステージを右に左にウロウロするディランの姿は微笑ましい。


13.アーリー・ローマン・キングズ
ピアノ演奏でヴォーカル。何者かに憑かれたように言葉を紡ぎながら歌が進んでゆく。チャーリーのギターがやっとしっかり聴けたが、歌に深みを与える素晴らしい演奏だ。


14.ザ・ナイト・ウィ・コールド・イット・ア・デイ
センターでヴォーカル。自分の声を駆使してどこまで歌え表現できるかを試すように歌っている様だ。エンディング間近で屈伸運動をしているかのようなポーズをみせる。


15.スピリット・オン・ザ・ウォー ター
ピアノ演奏とヴォーカル。自分の歌となるとやはり崩すのか。歌い方に変化をつけながら表現の妙をみせる。チャーリーのギターがほとんど聴こえないのが残念である。


16.スカーレット・タウン
センターでヴォーカル。ドラムとバンジョーが絡み合いながらイントロが始まる。凄みを効かせたヴォーカルがホラーのように不気味さを増しながら展開。チャーリーのギターソロが素晴らしく、不気味さを加速させているようだ。


17.オール・オア・ナッシング・アット・オール
センターでヴォーカル。覚めたムードで歌い綴る姿はクール。このバンドだからこそ出来うる表現があり、チャーリーの素晴らしいギターソロに惚れ惚れする。この曲を支配しているのは紛れもなくチャーリーのギターだ。両手を挙げ広げながら、しめのポーズをとった。


18.ロング・アンド・ウェイステッ ド・イヤーズ
センターでヴォーカル。軽やかなスタートを切ったが、ディランのヴォーカルは声が出ていて素晴らしい。バンドの演奏も控え目ながらかゆい所に手が届くバランスの良い演奏で今夜のハイライトとなった。


19.枯葉
センターでヴォーカル。流石にこの曲だけは歌い出すと同時に拍手が起こる。歌いながら陶酔しているのでは無いかと思うほど歌に同化している。心地良さそうな声が聴いていても快感だ。


ステージは暗転して後半を終了


20.風に吹かれて
ピアノ演奏とヴォーカル。いとおしむような歌い方がこの歌をいっそう美しくしている。チャーリーのギタープレイがよく聴こえないのが惜しい。前向きに吹っ切れたかのような見事なヴォーカルなのに残念だ。


21.ラヴ・シック
センターでヴォーカル。迫力があり挑みかかるようなディランの歌い方が痺れる。二人のギターのバランスがよく間奏での各々のプレイはスリルがあって引き込まれる。チャーリーが信じられないようなプレイをして歌を盛り上げた。


エンディングを迎えメンバーたちはステージ中央へ。ディランは右手を上げたりしながら何度もうなずき客席を見回して去っていった。



《ボブ・ディラン2016年4月11日大阪@フェスティバルホール セットリスト》




Set 1:
1 Things Have Changed シングス・ハヴ・チェンジド 
(『Wonder Boys"(OST)』 2001/『DYLAN THE BEST(2007)』他)
2 She Belongs to Me シー・ビロングズ・トゥ・ミー 
(『ブリンギング・イット・ オール・バック・ホーム/Bringing It All Back Home』 1965)
3 Beyond Here Lies Nothin' ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシング 
(『トゥゲザー・ スルー・ライフ/Together Through Life』2009)
4 What'll I Do ホワットル・アイ・ドゥ 
(『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
5 Duquesne Whistle デューケイン・ホイッスル 
(『テンペスト/Tempest』 2012)
6 Melancholy Mood メランコリー・ムード 
(来日記念EP『メランコリー・ムード』2016)
7 Pay in Blood ペイ・イン・ブラッド 
(『テンペスト/Tempest』 2012)
8 I'm a Fool to Want You アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー 
(『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
9 That Old Black Magic ザット・オールド・ブラック・マジック 
(来日記念EP『メランコリー・ムード』2016)
10 Tangled Up in Blue ブルーにこんがらがって 
(『血の轍/Blood on the Tracks』1975)


Set 2:
11 High Water (For Charley Patton) ハイ・ウォーター(フォー・チャーリー・パッ トン) 
(『ラヴ・アンド・セフト/Love and Theft』2001)
12 Why Try to Change Me Now ホワイ・トライ・トゥ・チェンジ・ミー・ナウ 
(『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
13 Early Roman Kings アーリー・ローマン・キングズ
(『テンペスト/Tempest』 2012)
14 The Night We Called It a Day ザ・ナイト・ウィ・コールド・イット・ア・デイ 
(『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
15 Spirit on the Water スピリット・オン・ザ・ウォー ター 
(『モダン・タイムス/Modern Times』2006)
16 Scarlet Town スカーレット・タウン 
(『テンペスト/Tempest』 2012)
17 All or Nothing at All オール・オア・ナッシング・アット・オール 
(来日記念EP『メランコリー・ムード』2016)
18 Long and Wasted Years ロング・アンド・ウェイステッ ド・イヤーズ 
(『テンペスト/Tempest』 2012)
19 Autumn Leaves 枯葉 
(『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)


Encore:
20 Blowin' in the Wind 風に吹かれて 
(『フリーホイーリン・ボ ブ・ディラン)
21 Love Sick ラヴ・シック
(『タイム・アウト・オブ・ マインド/Time Out of Mind』 1997)


 

東京3公演のあと、仙台、大阪3回、名古屋と回って、再び東京へ戻って、残り8公演!
次は4月19日(月)オーチャードホール。

●ボブ・ディラン来日公演スケジュール
http://udo.jp/Artists/BobDylan/index.html

●NEW ALBUM 5月25日発売 『フォールン・エンジェルズ』
https://www.sonymusic.co.jp/artist/BobDylan/info/466738


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