バロック・チェロの名匠アンナー・ビルスマ氏、逝去
2019.07.26
INFO
バロック・チェロの活動を長く続けてきたチェロ奏者、アンナー・ビルスマ氏が7月25日に逝去されました。享年85歳でした。
アンナー・ビルスマは1934年2月、オランダのハーグ生まれで、ハーグ音楽院で学び、59年にパブロ・カザルス国際チェロコンクールで第一位を獲得。62年からはオランダの名門オーケストラ、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席チェロ奏者を務めながらオリジナル楽器による演奏にも取り組み、グスタフ・レオンハルト(チェンバロ)、フランス・ブリュッヘン(フルート、リコーダー)らとともにオランダ発古楽運動の牽引者のひとりとして活躍しました。
レコーディングにも積極的に取り組み、テレフンケンの著名な「ダス・アルテ・ヴェルク」シリーズのレコード・プロデューサーであったヴォルフ・エリクソンが1969年に設立した「セオン」レーベル、そしてヴォルフ・エリクソンが1989年にソニーに移籍してスタートさせた古楽専門レーベル「ヴィヴァルテ」を中心に、ソロからアンサンブルまで、数多くの録音を残しました。特にチェリストの聖典であるJ.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」の2種の録音……1979年にセオンに録音したバロック・チェロによるもの、そして1992年にヴィヴァルテにモダン・チェロによるもの……は、特に重要な作品といえましょう。