今回のツアーでこれまでにこなしたライブは18本、そろそろ体力的にキツくなってきた。寝不足と共に、夜遊びやついつい惹かれてしまう真夜中の夜食・・・これはどんなツアー慣れしてる人にでもつらいだろう。でもね、これ以外にどうやって時を過ごすというのだ?というわけで、どんな良心バンドでもやるであろう、リーズでの時間をひとつの長いパーティにすることにした。「コックピット」という会場でのライブ経験はなかったのだけれど、また招かれるのなら迷わず訪れるような場所。ここの楽屋は、過去に訪れたバンドがきっかけで壁中に落書きが。しかもいろいろなバンド名をダジャレで「肉」をテーマに書き換えるという技付き。例えば「UB40」→「U-BEEF-40」、「リンプ・ビスケット」→「リンプ・ブリスケット」(ブリスケット=胸肉)。もちろん僕たちも参戦しないわけにはいかない・・・「ザ・ヤング・ナイヴズ」→「ザ・ヤング・ステーキ・ナイヴズ」、「クラップ・ユア・ハンズ・アンド・セイ・ヤー」→「クラップ・ユア・ハンズ・アンド・セイ・レア」 暇という時間は恐ろしいほどに頭を働かせるものだ。 ここでのライブも親密で楽しかった ライブ後にはちょうどお隣の「ザ・コックピット」が営業開始、インディ・ディスコのクラブで・・・なんていい響きの言葉の組み合わせだ。バスは深夜2時に出発だったんだけど、誰もがそれを嫌がって・・・というわけでグッズ担当のマットはオリをクラブから引きずり出さなきゃいけないさま。夜遊びは閉幕、バスに乗り込み 少し飲んでから機嫌よく就寝。
ライブ当日。今日から前座交代でレディングまでヤングプランの代打でツアー参戦するのがこれまた最高なバンド デッド!デッド!デッド!がやってきた。僕は個人的に彼らのライブは見たことがなかったのだけれど、他のメンバーは数年前に一緒にライブをした経験があるらしい。 そして僕は1曲目からすっかりはまった。良い意味で 世間に出回ってる音楽とは全く異なったものを持っていて、ジャンルを付けるのも難しいくらい。気になる方は奴らのマイスペースを覗いてみて。さてさて、ライブの説明に関してはそろそろ形容詞を使いつきたんだよね・・・とりあえずとにかく楽しくて、ライブの出来もすごくよかった。そしてこの国で最もすばらしいバーへ・・・『ビッグ・ハンズ』、僕たちの良い出来を祝して。
お次はシェフィールド・レッドミルへ。前回のライブより遥かに良かったよ、前ここでライブをしたときは(これほんと)ひとりの男性と一匹の犬しかいなくて氷点下だったかな、確か。しかし今回はお客さんの入りもすごくって、ドジな僕はステージから落ちちゃったし(汗) 最後の曲の最後のキーを引き終えたら、僕は猛ダッシュでステージから降りて、会場を後にして、路地を抜けて、階段を駆け上ってテレビがあるところへ・・・なぜならリバプール対チェルシーのチャンピオンズ・リーグの後半最後の10分でペナルティ突入!多分他のメンバーはまだステージで最後の挨拶とかしてたんだろうけど・・・でもサッカーだし、ね。
というわけでスコットランドへ。スコットランドのライブで嫌な経験はない。スコットランドで悪いライブなんて格好悪いのだ。グラスゴーの「キング・タッツ」のライブは順調に 前座のリップコードも素晴らしいステージだった。
アバディーンも裏切ることはなく。「トンネルズ」というまたいい会場でのライブ、名前からして会場の形が想像できるでしょ?これといったことは思い出せないんだけど、観客からのリクエストで「ソングD」って声援がちらほら聞こえたな。そんな曲、弾き方わからないよ!けどアバディーンのみんな ありがとう。写真を撮らなかったことを再び後悔。記憶を捉えるのと同時にこういやって日記にアップするのに役立つのにね。
ケンブリッジからコルチェスターへ、僕はライブ当日の朝にヤングプランの移動バスで辿り着いた。乗用座席2つ、後ろにはマットレス、そして機材が全て。コルチェスターを訪れたのは初めてだったのだけど、驚くことにすてきなところだった。そして美学的にも気持ちのいい会場で賞、おめでとうコルチェスター・アーツ・センター。会場にはたくさんの人が来てくれたんだけど、セット自体はちょっと交通事故みたいになっちゃって・・・オリーの厄介なアンプが前夜に起こした悲劇を再び起こしたり・・・うまく流れを変えようとがんばったんだけど、正直あまりいいものではなかった。でも もちろん、足を運んで来てくれたみんなはすごく応援してくれて・・・ステージで惨事が起きてる最中も客席を動かずに・・・本当にありがとう。幸運なことに翌日はオフ日でアンプの入れ替えに必要な時間となったんだ。
ノッティンガム、ノッティンガム、ノッティンガム。1,2ヶ月ほど前にNMEツアーで最も素晴らしい一日、そしてライブが開催された街。何故かレスキュー・ルームズで行われた僕たちのライブは18歳以上という年齢制限付きだった。どうしてか解らないし、ツアー中たびたびぶち当たる事態でもあった。会場のライブ予定表を覗いてみると14歳以上のイベントとかたくさんあったのに・・・どうして僕たちは18歳以上?ライブ自体は悪くなかったんだけれど、入場できなかった人がいて残念・・・ライブ後はリップコードと美味しいカレーを食べに行った。<写真は左から:ガズ(ツアー・マネージャー)、スムーズB(音響)、ヌー、テイト、サリ、フィル>
まだ目がかすんだまま、翌朝バスを降りると何百人ものエキサイトした女の子が目の前に。もしやリバプールでマムラ人気は早くも頂点を達したのかとバカげたことを考えたが、実はすぐ近くにMcFlyがうろうろしていることに気が付き平常心が戻った。アカデミー2とはこれまた会場で言うとピーター・クラウチ(サッカー選手)みたいな存在で、記憶力が許す限りライブにも数多くの人たちが来てくれた。覚えているのは『アウト・オブ・ザ・クエスチョン』の際のステージ乱入事件。けどギター・テクは乱入者をまた客席に投げ戻す作業がどうやら楽しかったみたいで。何故かリバプールの写真が少ない・・・っていうか1枚もない。というわけで次。
ここはどこだっけ?そうそう、ケンブリッジ。英国の中で僕が最も好きな街。実際の会場はあまりよくなかったんだけど、でも観客はまた素晴らしかった。ただね、ステージに立ったとき 本当に天井と頭の間に1センチの隙間しかなくて、ライブ中に頭を打たないようにすることに集中しなきゃいけなくて・・・アンプが飛ぶのも問題だけど(それは誰の責任でもなく)、セキュリティがいないから楽屋に大勢の酔っ払いが自由に出入りできちゃうのもどうかと思った。楽屋にはパソコンやiPodや携帯やお財布ら貴重品が散乱してるわけで。音も最悪だった・・・音響担当のクリスは腕の振り舞い時だった。よって総合的に振り返るとストレスが多い夜だったけど、見に来て会場を満員にしてくれたみんなにはありがとう。
東アングリア(イギリス東部)にいると次のライブ会場はさほど離れていないとだいたい思いがちなのだ。特に英国の東側ではね。けど間違うこともあるのだ。そう、次なる場所はエクセター。「The Cavern」とはヘイスティングスの「The Crypt」を思い出させてくれるようなところ・・・暗くて汚れたアンダーグラウンドな穴で僕が未成年飲酒をかつて経験した場所。部屋の片側からもう片側まで歩くのに永遠とかかってしまう場所。それはその場所が大きいからではなく、足が床にくっつきがちだから。すごいよね。ライブもよかった ていうか良すぎてこの日は写真を撮るのをすっかり忘れてしまった。
エクセターの翌日は1日オフ・・・そしてツアー中のオフにするにはもったいないくらい素晴らしい天気。バスという街へ繰り出すことにし、あまりにも天気が良いから本物のロックンロール・バンドらしく一日中ビア・ガーデンに居座るのではなく、ゴルフをすることにした。完全なるゴルフ・コースではなかったのだけれど、丘の上に広がった素晴らしい18ホールでバスの街が展望できるような場所だった。利用料を払い、クラブとボールもゲット、鉛筆も持って掛け金の5ポンドが設定されてコースへと繰り出した。僕とザ・ロックはペアとなり、そしてナイアル、テイトとオリの3人がもうひとつのチームに。ヌーはエクセターで行方が解らなくなって・・・だから残念ながらこの場にはいなかった。ホールごとの詳細までは入らないけど(スコアカードが手元にあるからできることはできるんだけどね)、記憶を辿るとナイアル、テイトとオリーの最終スコアはそれぞれ85、ザ・ロックは80で2位、そして僕(トミー)が75で華麗なる優勝。お祝い代わりにアイスを頬張り、天国が与えてくれたオフ日の後半戦へと突入した。ご存知の方もいるかもしれないが、バスの街は温泉で有名なのだ。天然水とかそこらじゅうに湧き出てね。「郷に入っては、郷に従え」というわけでThermae Bath Spa(共同浴場)でたっぷり2時間!!!ぜひグーグルで調べてみて、本当にすごいところだったから。140ポンド(約3万4000円)もするキャビア・フェイシャルは辞めたけど。すっかりリラックスした後に待ち受けてたのは近場のイタリアン・レストラン、そしてモールズ・インディ・クラブ。最高のオフ日だった。
「暗闇から一筋の光、何が見えた?ピーター・ビアズリー(イギリスのサッカー選手)?」
みなさん、こんにちは。
2007年の4月と5月、マムラによる英国ツアーは様々な要因によって記憶に残るだろう。最も大きな要因、それは愛である。マムラはとっても幸運にも、今回のツアーは仲良し達と過ごしたのだ。その名を上げるとヤングプラン、リップコード、そしてデッド!デッド!デッド!。これを読んでいる頃には多くの人が彼らのステージを既に見ているだろう そして彼ら全員をこれからも心から応援して欲しいと思う。リップコードは最高のハウスメートだったし、デッド!デッド!デッド!は久しぶりに出会ったオリジナルで度肝を抜かれる音楽を作り出すし、ヤングプランは毎晩僕たちを驚かせてくれた。
僕たちの移動行程は次の通り・・・ヘイスティングス→タンブリッジ・ウェルズ→ブライトン→ポーツマス→ノーウィッチ→エクセター→ストーク→ニューキャッスル→リバプール→ケンブリッジ→コルチェスター→ノッティンガム→オクスフォード→ルートン→マンチェスター→シェフィールド→グラスゴー→アバディーン→リーズ→プレストン→バーミンガム→ブリストル→レディング→ロンドン。全てで24公演・2,491マイル(約4000km)、そうちゃんと計算したさ。見方を変えてみると、ベクスヒルからバグダッドまでの距離。ヘイスティングスとタンブリッジ・ウェルズでのリハーサル的公演(今やマムラ史上最も素晴らしいセットと言われているが)のあとに、ブライトンへ立ち寄ってはコンコルド2のヘッドライン出演を果たした。(これは多くのバンドにとって個人的な目標ともなっているらしい)この日リップコードは欠席、リード・ボーカルのフィルの喉に何かが生息していたみたいで、4日後にしか会えないとのこと。ちょうど3日前にザ・ホラーズが同じ会場を満員にしていたのを目撃していただけに、同じだけの観客がマムラを見に訪れているのを見るのがすごいと思った。もはや記憶が薄れてきてるのだけど(だって4月14日の出来事だし!)ステージは多分良かったんじゃないかな?この日 自分がおろしたてのジーンズを履いていたことははっきりと覚えている、だからきっとうまく行ったはず。
ブライトンから海岸沿いをなぞるかたちでポーツマスまで辿り着いた、具体的な場所はウェッジウッド・ルームズ。僕も昔、まだスパイキーな短髪と眉毛ピアスをしていた頃、無名バンドを見にここに来た記憶がある。しかも当時は勢いある会場で僕が行ったライブの中でも一番ラウドで盛り上がっていたはず。ライブ数時間、することがなくてインスピレーションを探しに探検してみたんだ。見つけたものはゼロ、ただ「ロサリース」という売店・・・というわけマムラが最も得意とすることをした。それはパブを見つけ出してただひたすらにビリヤードで遊ぶ。
ハンプシャーからノーフォークへ、そして僕らがライブを行う最も美しい会場へ・・・それはノーウィッチ・アート・センターという改造された教会。この日の天気は最高だったもんでヤングプランと近くの公園へ繰り出してマムラの友人達ケイトとデイヴィッドがセッティングしてくれた地元民とのサッカー対決。最終的な点数は覚えてないんだけど、結果として僕たちの勝利だったのは確か。
実際のその日のライブは暑くて、汗臭くて、けっこうイカれてた・・・いい意味でね。ありがとう、ノーウィッチ・・・