〜consider the heart〜 2005/02/02発売


'70年作品。カナダ出身のシンガー・ソングライター、トニー・コジネクのセカンド・アルバムです。ジェイムス・テイラーを手がけたピーター・アッシャーがプロデュースを行い、飾り気のないアコースティック・サウンドが、コジネクのピュアな感性を引き立たせる出来となりました。トニーの描く詩の世界は、日常生活のごく当たり前な出来事をどこか刹那的にとらえた繊細で深みのあるものです。わずかな楽器だけで織り成すメロディーが12編の詩に生命を与え、時を経ても色あせない作品に仕上りました。
'71年作品。60年代に登場した多くのアーティストの中でも、きわめて進歩的な音楽性を持ち、ボブ・ディランと肩を並べるほどの個性派として人気を呼んだティム・ハーディンのブルージーなアルバムです。ジョー・ザヴィヌル、マイク・マイニエリなどの参加でジャズ的アプローチによる音作りがなされた事やティムの切なく渋いヴォーカルが、大きな魅力になっており、全体を落ち着いた趣のあるものにしています。一方で彼は、ロッド・スチュワートが取上げた「リーズン・トゥ・ビリーヴ」やジョニー・キャッシュでヒットした「イフ・アイ・ワー・カーペンター」等で作家としての才を発揮し将来を期待されていました。しかしながら'80年12月に40歳でこの世を去ってしまいました。
'72年作品。70年代初頭、シンガー・ソングライターが大きく脚光を浴びる中で発表され、傑作として名高いエリック・アンダースンの8枚目になります。CBS移籍第一弾にあたり、ノバート・プットナムのプロデュースによりナッシュヴィルで録音されました。ケネス・バトレー、デヴィッド・ブリッグスらによる控えめな演奏が、淡々としながらも複雑な心象風景を描くエリックの歌を際立たせています。アルバム・タイトル曲ではジョニ・ミッチェルがヴォーカルで参加し印象的な出来となりました。今回の内容は、2曲の未発表ボーナストラックを収めた’99年にアメリカで再発されたものと同様になります。
'72年作品。ソロで6作目に当たるこのアルバムは、アルの代表曲を多数収録し時代を超えて高い評価を得ている最高傑作です。特にアトランタ・リズム・セクションをバックにレコーディングされた「ジョリー」は、渋谷系と言われる日本のミュージシャンに愛され数々のカヴァーを生み、クラブ・シーンでもヘヴィ・エアプレイされました。近年、ソニーのTVCMでもお馴染みとなったのは記憶に新しいところです。この曲のみならず、今作では、話題のシンガー・ソングライター、ジョン・プライン作の「サム・ストーン」をいち早く取り上げるなど、アルの抜きん出た感性もみせています。
'77年作品。ディランズ・チルドレンと称され将来有望なシンガー・ソングライターとして注目されたエリオットのCBS移籍第一弾で4枚目となる話題作。もともとニューヨークを本拠として活動を続けていた彼が、ロンドンにレコーディング場所を移して完成させます。フィル・コリンズやミック・テイラー等がバック・ミュージシャンとして参加。人工的で無機質に仕上げたロックンロール・ナンバーからエリオットらしい独特の甘さのあるソフトなバラードに至るまでほのかに英国の薫りが漂い、彼の新たな魅力や一面を引き出す事に成功しています。日本初CD化
'78年作品。絶賛の声が飛び交う中、登場したスティーヴのデビュー・アルバム。ミシシッピ出身の彼は、フォーク、ブルース、カントリー、ロカビリー、ゴスペル等を吸収しながら育ちます。やがてニューヨークへ出て来た彼は、グリニッチ・ヴィレッジを中心に歌い始め、後にレコード会社の目に留まります。そうして完成した今作は幅広い音楽性を持ち、簡潔な言葉で様々な情景や心理を綴った歌詞を持つアルバムとなりました。無駄の無いシンプルな音をバックに歌うハスキーなヴォーカルも大きな魅力であり、スーパースターを予感させた所以でした。日本初CD化