1997年5月29日、早すぎる死を迎えたジェフ・バックリィ。 1994年、ジェフが27歳の時リリースしたデビューアルバム『グレース』は、全世界の人々の心の琴線に触れ、消えることのない刻印を残した。 『グレース』は美しさと憧れに満ちている。インスピレーションだけでなく、アスピレーション(切望)を起こさせるのだ。目に見えない何かを求めて。ジェフは特異な才能を持っていた。音楽であれ感情であれ、思い通りに表現できた。『グレース』は、それを聴いたミュージシャンに自分の限界を飛び超えさせる。『グレース』のおかげで、美しいことが再びクールになった。これは彼の素晴しい置き土産である・・・。

“ジェフ・バックリィはノイズの海の中の濁りのないひとしずくだった”
・・・BONO(U2)


“彼はどんな歌でも自分の世界に持ち込んだ。しっかりとした個性を持ちながら、 その曲を更に美しいものにすることができる。ジェフはそれを苦もなく自然にやってのけた。そんなことが可能な人間はこの世の中にほんのひと握りいるか、いないかなんだ。”
・・・ELVIS COSTELLO


“彼とはロウワー・イースト・サイドの住人として付き合いがあったんだ。バーで音楽の話をするにはもってこいの相手だった。実にソウルフルな男だったよ。彼はパティ(スミス)の大ファンでスタジオに遊びに来ていた。彼が亡くなったときパティはコンサートで愛情込めて言ったよ、「ジェフ、あんたはばかよ」ってね・・・”
・・・LENNY KAYE(Patti Smith Group)
<英文ライナーノーツより>
−ジミー・ペイジ曰く“『グレース』は今年(1994年)最高のアルバムだ・・・”
−トム・ヴァーラインとルー・リードはNYでのライヴに訪れた・・・
-エルヴィス・コステロは、自分が監督を務めるロンドンの音楽フェスティバルに招待した・・・
-クリッシー・ハインドはプリテンダーズとのジャムに彼を参加させた・・・
-ポール・マッカートニーもショウを観てバックステージを訪ねてきた・・・
-ボノとエッジは、ジェフが初めてニューヨークにやってきたときに激励し、ジェフの死後、
U2は「ハレルヤ」を歌って追悼した・・・(97年6月チベタンフリーダム)


『グレース』は美しさと憧れに満ちている。インスピレーションだけでなく、アスピレーション(切望)を起こさせるのだ。目に見えない何かを求めて。ジェフは特異な才能を持っていた。音楽であれ感情であれ、思い通りに表現できた。『グレース』は、それを聴いたミュージシャンに自分の限界を飛び超えさせる。『グレース』のおかげで、美しいことが再びクールになった。これは彼の素晴しい置き土産である・・・。
 
『GRACE』オリジナル盤を初のデジタルリマスター化
『GRACE』の主なセッションが行なわれたニューヨーク州ウッドストックのベアーズヴィル・スタジオなど、数々のソースから得られた13曲を収録(アルバム未収録の13曲。未発表のスタジオテイク及びライヴ・パフォーマンスなど)。
  1. “Forget Her” -未発表曲。かねてから噂されていたトラックであり、アンディ・ウォラスとジェフがファーストアルバム用にレコーディング及びミキシングしたものの、ジェフが「ソー・リアル」と差し替えた。
  2. “ドリーム・ブラザー” -未発表ヴァージョン。別のリリックをフィーチャー
  3. “ロスト・ハイウェイ” - ハンク・ウィリアムスのスタンダード。ベアーズヴィルでの『グレース』のレコーディングセッション中、最初にソロでレコーディングした5曲の1曲。以下の2曲も同様。
  4. “アリゲーター・ワイン” -未発表曲。スクリーミング・ジェイ・ホーキンスのカヴァー。
  5. “Mama, You Been On My Mind” -未発表曲。ボブ・ディランのカヴァー。
  6. ブルース メドレー -未発表曲。ブッカ・ホワイトの「パーチマン・ファーム・ブルース」と、ロバート・ジョンソン、サン・ハウス、チャーリー・パットンのいずれかによる「プリーチン・ブルース」。
  7. “アザー・ウーマン” -未発表曲。ニーナ・シモンのカヴァー。シモンとジェシー・メイ・ロビンソンの共作。
  8. “カンガルー” -アレックス・チルトン&ビッグスターから。プロモーション用限定のEP『Peyote Radio Theatre』からの貴重な作品。
  9. “アイ・ウォント・サムワン・バッドリィ” -シャダー・トゥ・シンクと共演。エピック・レコードの廃盤になっている映画サントラ『ファースト・ラヴ、ラスト・ライツ』からの貴重な作品。
  10. “エターナル・ライフ” - 「ロード・ヴァージョン」。コロンビア・レコードが直接配給していたラジオ・アワーという番組用のプロモーション限定の貴重な未発表音源。次の曲も同様。
  11. “Kick Out the Jams” -MC5のカヴァー。
  12. “ドリーム・ブラザー” (ナグ・チャンパ・ミックス) - プロモーション用限定のEP『Peyote Radio Theatre』からの貴重な作品。
  13. “Strawberry Street” - 未発表曲。1988年のオリジナル曲。1993年5月、ニューヨークのニッティング・ファクトリーでのリハーサル・レコーディングからの音源。演奏は、ベースのトム・グッドカインド(ザ・ワシントン・スクエアーズ)とドラムスのジョン・マクナリーを起用した初期の試作コンボ。(インターナショナル・ボーナストラック)
DVD 4曲のビデオ・クリップ、スタジオ・レコーディング映像、インタビュー、ライヴ・パフォーマンス等プロモーション・ビデオ「ラスト・グッドバイ」「ソー・リアル」「グレース」「エターナル・ライフ」(シカゴでのライヴ・パフォーマンス)の他、 EPKよりスタジオ・テイクの「グレース」と「ハレルヤ」、ジェフがストリングスの楽譜を書いている場面、ジェフのインタビューなども収録。プロデューサー、ジェフのバンド仲間、批評家などによるジェフの作品評価などが含まれる。