2010年3月10日発売 SICP2620-1 ¥3,780(税込)
●完全生産限定盤●ソフトパック仕様●内袋付
●絵と選曲と感想:みうらじゅん/デザイン:安齋肇、歌詞・対訳付
'93年、オンエア用として制作したD.J.コピー『DYLANがROCK』は当時500枚をプレスし主に放送局や出版社、レコード店に配布しました。この年はディランのデビュー30周年を記念したライヴ('92年開催)がCDや映像商品となって発売され、NICE PRICE(低価格シリーズ)のラインナップに新たに10枚のアルバムが加わるなど、ディラン作品が多数発売された年となりました。こうしたタイミングに、<若い世代にディランのカッコ良さを知ってもらおう>という狙いで実施したキャンペーンが、『DYLANがROCK』です。みうらじゅんのイラストに安齋肇のデザインは、既成のディランのイメージとは大きく異なったもので、D.J.コピーのみならずポスターやチラシ等での展開も話題を呼びました。作品としての完成度や反響などから、このD.J.コピーの商品化に向けて動き出しますが残念ながら、再三のアプローチも実を結びません。そんな中'94年に来日が決定し、そのタイミングに商品化を直談判するもあえなく却下されます。その後も新譜発売や来日などの機会を捉えて、商品化を働きかけますが、実現せず流れた年月が17年・・・今回の来日決定に伴い急遽強力アプローチ。「あなたの歌を若い世代に!」と言う当初からの切なる想いが遂に通じ、最近の歌を収録する事まで許諾が取れました。
この作品にはそうした想いが今もそしてこれからも変わらず宿っています。
01. | トゥームストーン・ブルース |
02. | マギーズ・ファーム(ライヴ) |
03. | こんな夜に |
04. | エヴリシング・イズ・ブロークン |
05. | 悲しみは果てしなく |
06. | サンダー・オン・ザ・マウンテン |
07. | ユニオン・サンダウン |
08. | グルームズ・スティル・ウェイティング・アット・ジ・オルター |
09. | ネイバーフッドの暴れ者 |
10. | アブソリュートリー・スイート・マリー |
11. | ディグニティ |
12. | アイ・スリュー・イット・オール・アウェイ(ライヴ) |
13. | オッズ・アンド・エンズ |
14. | セイヴド |
15. | メンフィス・ブルース・アゲイン |
16. | トゥイードル・ディー&トゥイードル・ダム |
17. | 見張塔からずっと(ライヴ) |
01. | 我が道を行く(ライヴ) |
02. | ソリッド・ロック |
03. | リタ・メイ |
04. | オネスト・ウィズ・ミー |
05. | マイティ・クィン(ライヴ) |
06. | チェンジング・オブ・ザ・ガード |
07. | 追憶のハイウェイ61 |
08. | ローリン・アンド・タンブリン |
09. | サブタレニアン・ホームシック・ブルース |
10. | シングス・ハヴ・チェンジド(ライヴ) |
11. | ウィグル・ウィグル |
12. | 嵐からの隠れ場所(ライヴ) |
13. | アウトロー・ブルース |
14. | 窓からはい出せ |
15. | 親指トムのブルースのように(ライヴ) |
16. | ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシン |
17. | 今宵はきみと(ライヴ) |
18. | ライク・ア・ローリング・ストーン |
奔放なイマジネーションが歌詞に散りばめられた、'65年作品『追憶のハイウェイ61』収録の歌でマイケル・ブルームフィールドのギターがこの曲のトーンを深みあるものにしている。
'05年作品『ノー・ディレクション・ホーム』収録のライヴで、マイケル・ブルームフィールドの切り裂くようなギターとディランの奔放なヴォーカルが印象的なニューポートでの'65年録音曲。
初の全米第一位を獲得した'74年発表アルバム『プラネット・ウェイヴズ』の冒頭を飾る軽快なチューンでザ・バンドとは初のスタジオ録音作となったが、息の合ったコラボレーションとなった。
ダニエル・ラノワがプロデュースした'89年発表の傑作『オー・マーシー』に収録された、心地良いテンポのノリの良い歌。録音はニューオリンズで、手堅いバックがディランの歌を支える。
オリジナルは『追憶のハイウェイ61』に収録されているが、そのオリジナルと同時期に録音された別テイク。後に'91年発表の『ブートレッグ・シリズVOL.1〜3』に収録された。
全米で『欲望』以来の30年振りとなるNO.1を獲得した'06年発表『モダン・タイムズ』の冒頭を飾る歌。表情のあるヴォーカルがぐいぐいと聞き手を引っ張る、いかしたロックンロール。
キリスト教に傾倒して創られたとされる三部作に続く'83年の話題作『インフィデルズ』に収められた、米産業界を皮肉りながら資本主義の矛盾を小気味よく歌い紡ぐ軽快なテンポのロック。
'83年のショット・オブ・ラヴ・セッション時に録音され、シングルのB面として発表された。後にアルバム『ショット・オブ・ラヴ』の再発売時に収められたシャープなエレクトリック・ブルースである。
プロデュースにはディランとマーク・ノップラーがあたりシンプルなロックが基調となった'83年作『インフィデルズ』に収録。ローリング・ストーンズを思わせるサウンドのタフでワイルドな歌。
ロック史に残る傑作として名高い'66年作品『ブロンド・オン・ブロンド』よりのセレクト。ぬたっとした独特のヴォーカルと確かな演奏が、見事にマッチし不思議な魅力をこの曲に与えている。
'89年のオー・マーシー・セッション時に録音されたが後にブレンダ・オブライエンがオーバーダブし、新ヴァージョンとして陽の目を見た'94年『グレーテスト・ヒッツVOL.3』より。
ローリング・サンダー・レビューでの公演をまとめた'76年発表作『激しい雨』からの選曲で『ナッシュヴィル・スカイライン』に収録されたオリジナルの原形を留めない、これぞディランがロック。
'66年のバイク事故後、ウッドストックにこもり、ザ・バンドのメンバー達と録音した歌。後の'76年に『地下室』のA面1曲目に収録され、ディランの気さくなヴォーカルが魅力を放つ。
“キリスト教三部作”の中の1枚で、キリスト教との関わりをさらに探求した'80年のアルバム『セイヴド』のタイトル曲。ゴスペル・タッチの単調な曲ながら、ディランの巧みなヴォーカルが聴かせる。
'66年作品『ブロンド・オン・ブロンド』を傑作足らしめる名曲。強弱と艶と個性的なイントネーションのあるヴォーカルによって描かれた歌世界とそれを支える演奏は実際の曲の長さを微塵も感じさせない。
『鏡の国のアリス』に登場する、うりふたつな男たちをタイトルにしたこの歌は'03年の『ラヴ&セフト』に収録されている。畳み掛けるような軽快なテンポによって、曲の不思議さを呼び起こしている。
ディランにとって8年振りとなったツアーは、ザ・バンドと共に行ったもので記録的な動員により健在振りを深く印象付けました。その模様を録音した'74年作『偉大なる復活』に収められたハードでストレートな一曲。
'74年作『偉大なる復活』のLP2枚組ではA面1曲目だった、ディランのパワフルなヴォーカルに魅了されるロック・チューン。こうしたオリジナルとは異なる歌唱やアレンジは、歌に新たな解釈と魅力をもたらした。
“キリスト教三部作”で'80年発表『セイヴド』の収録曲。南部で活躍するミュージシャンやプロデューサーを中心に布陣したことでプリミティヴなゴスペル・ロック的味わいに仕上がっている。
『欲望』セッション時のアウトテイクでシングル「メンフィス・ブルース・アゲイン(ライヴ)」のB面に収録されていた。荒削りで奔放な演奏をバックに力強いヴォーカルを聴かせる。
重々しくどっしりとしたドラムスと効果的なパーカッション、疾走感のあるスライドギター等が絶妙のバランスでグルーヴを生み出し、ドラマチックに展開する'03年発表『ラヴ&セフト』収録のロックな歌。
“自画像”と言うタイトルながら他人の作品を大幅に取り上げて話題を呼んだ'70年作『セルフ・ポートレイト』。そんな中に収められたザ・バンドとのライヴで、ラフながらもほとばしるディランのヴォーカルが魅せる。
初の日本ツアーの後に録音された'78年発表作品『ストリート・リーガル』からの曲でツアーバンドを中心に録音しており、重厚な音作りながらバックコーラスが印象的でポップさが心地良い。
傑作として名高い'65年作品『追憶のハイウェイ61』収録のアルバム・タイトルソングで疾走感溢れる曲。サイレンか風を切る音で始まりスライドギターが生み出すサウンドに乗ったヴォーカルは、カッコイイ。
数々のアーティストのカバーで知られるシカゴブルース。ややしわがれた声でブルージーな歌を展開するが、バックで巧に演奏されるスライドギターも特徴的な'06年発表『モダン・タイムズ』からの1曲。
'65年発表『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』収録のディランにとって初のTOP40ヒットとなった曲。ラップスタイルの歌唱方のみならず、この歌のプロモーション映像など古さを感じさせない。
元々は映画『ワンダー・ボーイズ』のために書かれた歌だが、'01年に日本だけで発売された『ライヴ1961−2000』収録のヴァージョンより。2000年9月、イギリスでのライヴ録音になる。
ドン・ウォズのプロデュースのもと、制作が開始された'90年作『アンダー・レッド・スカイ』の冒頭を飾る曲。言葉遊びが耳に残る2分ちょっとの歌で寛いだ雰囲気と即興性が興味深い。
'76年作『激しい雨』に収められたヴァージョンで、オリジナルは『血の轍』に収録。ディランはここで新曲のようにアレンジしており、声の艶が魅力となってこの歌の新たな側面を披露している。
ロックの要素を取り入れフォークロックの先駆けとなった'65年発表『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』に収録された、まくし立てるような歌唱とギターが印象的な荒々しい曲。
'65年にディランは2度この曲を録音したが、ここにセレクトしたのはホークスとのセッションから生まれ、'85年に集大成として発表された『バイオグラフ』に収められたヴァージョン。
オリジナルは『追憶のハイウェイ61』に収録されているが、これは'66年英ツアーでザ・バンドと共に訪れたリバプールでのライヴ録音。シングル「アイ・ウォント・ユー」のB面として発表された。
'09年発表の『トゥゲザー・スルー・ライフ』の1曲目に収録された、うねりのあるグルーヴが心地良い歌でブルージーなギターやアコーディオンがディランの活き活きとしたヴォーカルを引き立てている。
'02年に発表になった『ライヴ1975』より。ローリング・サンダー・レビューをまとめたこのアルバムは、変貌を続けるディランを捉えたもので、この歌も『ナッシュヴィル・スカイライン』収録のオリジナルとは異なる魅力に満ちている。
シングルで全米2位を記録したこの曲は、'65年の傑作『追憶のハイウェイ61』のオープニングを飾る。ロックを代表する1曲として頻繁に語られるが、みうらじゅん原作の映画『アイデン&ティティ』と同様、今作『DYLANがROCK』でもエンディングに。