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 ALBUM INFO
Artist:Tom Waits
Album:Alice
Label:Anti
Catalog Number:EICP-87
Release Date :2002-05-02
<初回デジパック仕様>

『“アリス”は子供のためのアダルト・ソングであり、大人のための童謡なんだ。これは大混乱や熱狂的な夢、光の歌とワルツにのったポエム…、そして夢の中の論理とナンセンスなオデッセイなんだよ。』
本作『アリス』は1992年冬、ハンブルグのタリア劇場にて初演されたミュージカル「アリス」(“不思議の国のアリス”、“鏡の国のアリス”を元にロバート・ウィルソンによってオペラ化された)の楽曲を約10年の時を経て初めてレコーディングしたもの。
同劇は94年イタリアの演劇賞において最優秀外国パフォーマンス賞にも輝いており、“トム・ウェイツの失われたマスターピース”といわれた、いわば幻の作品である。
また“Table Top Joe”ではスチュワート・コープランド(THE POLICE / ds)が参加している。

 MEDIA
Alice
Everything You Can Think
Flowers Grave
No One Knows I'm Gone
Kommienezuspadt
Poor Edward
Table Top Joe
Lost In The Harbour
We're All Mad Here
10  Watch Her Disappear
11  Reeperbahn
12  I'm Still Here
13  Fish & Bird
14  Barcarolle
15  Fawn

ALBUM DESCRIPTION ー"ALICE"について
"でも私は狂っているに違いない
君の名前の上を滑りに行って
そして2回それをたどる
アリスの氷を通り抜ける
そこにはアリスしかいないのだ"
  (−Aliceより)

『アリス』は風変わりなアングルの部屋の一角を占めるすべての作品の中でも、かなり特色の強いアルバムの一つである。その独特な声、ジャズ・バラード、死における強烈な妄想や望み等、今までにもよく知られている部分もある一方、全体的には奇妙でエキゾティックなものに仕上がっている。

苦しみや幻想、精神異常と諦めから作られたとても美しい雰囲気は、このアルバムの中で霧のように浮かび上がってくる。『アリス』はストロー・ヴァイオリンとその詩によっておこる不気味な感情詩的ミレンコリアといえる。落ちていくような曲があり、しかもそれは時々そのまま落ち続けていってしまう。もろく、何かにとりつかれているような霧、悲嘆、怒りの熟慮、そして受け入れられぬ愛と墓の背後から聞こえるアンセム(聖歌)…、そういった感情がこのアルバムに込められている。

「『アリス』は子供のためのアダルト・ソングであり、大人のための童謡なんだ。これは大混乱や熱狂的な夢、光の歌とワルツにのったポエム…、そして夢の中の論理とナンセンスなオデッセイなんだよ。」と、トム・ウェイツは述べている。

"土壌は漏れた蛇口を飲んでいる
君の家はソフトで色あせている
黒い夏に没頭しライトがつき
ドアが開く
そして黄色い猫が玄関の流れの中を駆け回り庭へ出る
ウッデン・チェリーの匂いは空気を吸い込んでいる"
 (−Watch Her Disappearより)

これは彼とキャスリーン・ブレナンが共に作り上げたオデッセイである。そして20年以上にも及ぶコラボレーションのひとつとなる彼らの作品でもある。

「キャスリーンは私のアリスなんだ。」とトム・ウェイツは言う。「私たちは80年の大晦日に出会った。それからというものずっと一緒に曲を書いているようなものだよ。スタジオの中で彼女は7つの新聞と小説に目を通すのだけれど、時間が来ると頭を上げてそれらについて批評し始めるんだ。それが曲を作る上で重要になったりするのさ。ウィルとアリエル・デュラントがこう言っていた、『本は口論の原因のようなもの、ひとつの言葉がもうひとつの言葉を呼びそれが時に血となりペンとなる』と。まさに私とキャスリーンにも同じ事が言える。」

一旦はトム・ウェイツの失われたマスターピースといわれた『アリス』は、もともと92年冬、ハンブルグのサリア劇場でロバート・ウィルソンによってオペラ化されたものである。『アリス』は、ルイス・キャロルによるアリス・リデル("不思議の国のアリス"、"鏡の国のアリス"のモデルとなった少女)についての物語が基本となり作られた。

キャスリーン・ブレナンと共に、トム・ウェイツは92年の夏にロバート・ウィルソンのオペラ「アリス」のため曲を15曲完成させた。サリア劇場は『アリス』を18ヶ月も公演し続けたのだが、トム・ウェイツはその曲を作夏までレコーディングしなかったのである。

「歌は聞き手の夢に参加し、君ら自身の世界を完成させるんだ。これらの曲は暗く、奇妙な家の不確かな階段の様なものなのさ。」とトム・ウェイツは説明している。

"君は唇の上のバラと共に死ぬだろう
そのときバラは骨の形をしている
それは君の腰
すべての虫が君の脊椎の梯子を登る
 我々全てが狂っている"
(−We're All Mad Hereより)

『アリス』はある男の内なる世界と望みを呼び起こすため、ファンタジーやエキゾチックなキャラクター、そしてイメージを引用している。このアルバムは"Alice"からはじまり、そして非好意的で稀少なシーンへと移っていく。曲タイトルは、半分しか覚えていない夢の道しるべとして付けられたように思える。歌詞は我々を捕らえ、楽しませてくれ、移り移っていく。そして幻想的なワルツで、しかも猫がピアノの上を歩いているような"Barcarole"で終わりを告げるのだ。

"私は君だけを慕っている
私の靴は水浸し
心臓のワインの中には石が入っている
骨でできた井戸の中
私は池に運ぼう
彼女は君のポケットの中
ドル札の中にくるまって
彼女の首周りには
君の時計チェーンが巻かれている
その時が来るまで私はここにいるよ"
  (−We're All Mad Hereより)

ベース・サクスフォン、ヴァイブ、パルプ・オルガン、フレンチ・ホーン、そしてベースのストリング・トリオ、ヴァイオリンとチェロは、他のトム・ウェイツのレコーディング方法とは違った形でアレンジされている。

"雨は美しいサウンドを作る
6フィート下の人々のため"
   (−No One Knows I'm Goneより)

参加しているミュージシャンは以下で、トム・ウェイツはピアノ、パルプ・オルガン、メロトロン、チェンバリン・ヴァイブを弾いている。 ダウン・ハームス(ストロー・ヴァイオリン)/マット・ブルベック(チェロ)/ラリー・タイラー(ベース)/ベベ・リセンフォース(ストロー・ヴァイオリン、ヴィオラ、ベース・クラリネット、マリンバ、クラリネット)/カーラ・キーステッド(ヴァイオリン)/コリン・ステットソン(アルト、テナー、バリトーン・サクスフォン、クラリネット)/アラ・アンダーソン(トランペット、バリトーン・ホーン)/ニック・フェルプス(フレンチ・ホーン、トランペット)。 また7曲目"Table Top Joe"では特別ゲストとしてTHE POLICEのステュワート・コープランド(ドラム)とベント・クラウセンが(ピアノ・ソロ)が参加している。

あまり特徴的ではないアレンジについてトム・ウェイツに問うと、彼はこう答えた。「70年代では私の多くの曲がストリングに埋もれてしまっていた。しなびたストリングの音はもう聞きたくなかった。だからそのことについて自分たちと同じ様に感じているストリング・プレイヤーを探したんだ。そしてストリングが元来持っている性質から逃れようと努力した。」
歌詞的にも音楽的にも、全ての曲はひとつのサークルとなってつながっている。前の曲と次に来る曲が深く関わっているのである。『アリス』はトム・ウェイツという人物を大胆に解き明かす一つのパズルになっているのだ。