反戦ビデオ『Boom!』(監督:マイケル・ムーア)で世界平和を訴える
2003年3月、システム・オブ・ア・ダウンとマイケル・ムーア監督(映画「華氏911」、「ボウリング・フォー・コロンバイン」他)が手を組み制作した反戦ビデオ『Boom!』(『Steal This Album!』収録曲)。ここには世界平和を願う気持ちと力強い政治的意見が表現されており、彼らがこのビデオにより全米で一大キャンペーンを張り始めた数日後、アメリカによるイラクへの空爆が始まってしまった。『Boom!』には、世界各都市で1000万人が参加した反戦デモンストレーションの模様やデモ参加者の声、またブッシュJr.、ビン・ラディン、フセイン、ブレアらをミサイルに乗せるアニメーションなどが収録されている。『Boom!』とはもちろん、何かが爆発するときの音である。

「ウディー・ガスリーやボブ・ディランのように、システム・オブ・ア・ダウンは『ブーム』で新世紀の真の抗議の曲を創った。これはとても力強く、人を動かす力を持ったビデオになり、このビデオを見る何百万人の人たちの心に訴えかけると思う。そしてこれは彼ら視聴者が、平和を求める人間は決して少ないわけではないということを気付かせてくれるはずだ。」 マイケル・ムーア監督


『Boom!』directed by Michael Moore
『ブーム』のビデオクリップは人の命を肯定するビデオで、人々が住みたいと思う世界を頭の中で具現化させそして実際に創造させるために立ち上がらせるものである。『ブーム』は戦争は最終的にはメディアが選ぶものでも政府の選ぶものでもなく自分たちが選ぶものなのだと警鐘を鳴らす。


ビデオクリップ1 ビデオクリップ2
ビデオクリップ3 ビデオクリップ4
ビデオクリップ5 ビデオクリップ6
ビデオクリップ7 ビデオクリップ8


〔プロローグ〕2003年2月15日と16日の週末、イラク攻撃に反対する世界同時行動が米国の市民団体連絡組織「ANSWER」の呼びかけにより行われた。この抗議行動には、実に約60カ国、1000万もの人々が集まり「反戦ウエーブ」再現をめざした。日本でも東京、大阪、京都、名古屋、福岡などで 反戦デモが繰り広げられた。東京では市民団体ピースボートのチャーター船が14日朝、「NO WAR」と書いた巨大な横断幕を掲げて晴海港に入り、そして約600人が乗船、海上デモをして15日午後神戸へと向かった。システム・オブ・ア・ダウンのメンバー自身も、15日彼らの地元L.A.でのデモに参加した。

<システム・オブ・ア・ダウン『BOOM!』に関するメンバーのコメント(抜粋)>
サージ(vo)「僕たちはこの『ブーム』のビデオが生命の尊さと美しさを伝えると同時に、恐れや戦争や戦争の噂のない世の中に住みたいという想いを象徴できたらと思っている」

ジョン(ds)「僕たちは皆、この国に移民として来た人間だ。ここで生まれたかどうかは関係ない。この土地に最初からいたのはネィティブ・インディアンだけで、アメリカが遠征して戦う相手のほとんどは実は僕たちの祖国でもある。それを忘れてはいけない。」

サージ(vo)「一人一人は小さいけれど、たくさんの人が集まることで自分たちの声を聞いてもらい、これは正しい戦争ではない、支持しているものではないんだと政権に伝えようとするデモなんだ」

ジョン「俺達は音楽と同時に社会的姿勢でも有名なバンドで、自分たちは本当にこの世界を大切に思っているというメッセージを提示すべき時が来たんだ」

ダロン(g)「人々に目を覚ましてほしい。社会には意見を変えてほしい。人々にTVだけの情報を元に判断しないようにしてほしい。」

ジョン「僕にとってはこれは全世界に対するメッセージなんだ」

シャヴォ(b)「わからないけれど、社会の方向を転換させようとしているんだ。もしこれが放送されたら、もしかしたら何かが変わるかもしれない。だからこのビデオには力のすべてを注ぐ」

ジョン「誰もアメリカ自体を批判しているわけではない。僕らの話の焦点は人を殺す、という根本的な悪に対する批判だ。」

ダロン「ただ人に死んでほしくないだけだ。そのどこが非国民だと言うんだ?」

サージ「道は人でいっぱいだ。すごすぎる・・・感情が力が辺りに溢れている。一番最近参加したLAのデモでは12,000人ほどの参加者がいた。このデモにはどれくらいの参加者がいるのかわからないがそれと同じくらいは来ていてほしいと思っているr?。ニューヨークやサンフランシスコに比べたらまだまだ及ばない、恥ずかしい数字だよ。」

ダロン「アメリカ合衆国の父に聞いたってきっとこの戦争には反対するさ」

<マイケル・ムーアによる『BOOM!』に関するコメント>
「この戦争のおかしなところは、この国そして世界の人口の本当の大多数の人たちが反対していることだ。ニュースを見る限りでは、何百万人の人が立ち上がり、罪のない人間を殺すことを伴わない、現在検討されているものとは違う解決方法を求めていることはわからない。だからこの『ブーム』ではこれらの人たちに焦点をあて、彼らの姿や声を届けたい」