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★妹沢奈美の我がオアシス人生に悔いは無し〜
『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』レポ
サマーソニック@東京、詳細レポ
オアシス・サマソニ東京 Photo:MITCH IKEDA
 もはやリアムが帰ってしまうのではないか……と、誰もが心配したでしょう@サマソニ東京。40分間もの音響トラブルを耐えられる男ではない、というのはファンの皆さんならご存知のとおり。だがしかし、リアムはステージに現れた!これだけで、この日のライヴが素晴らしい(=リアムの精神的コンディションが最強)ことは確約されました。
 しかしリアムだけでなく、メンバー全員がこの日は渾身のステージを見せてくれました。"ターン・アップ・ザ・サン"や"ライラ"ではリアムの喉の好調っぷりが伝わると同時に、観客席からの大合唱も素晴らしい。それに応えてメンバー全員のスイッチが入ったのか、4曲目の"Bring It On Down"ではイントロのザックのドラミングから、ノエルの冴え渡るギター、ゲムの音とのアンサンブル、全てが完璧な状態で届けられます。次の"モーニング・グローリー"に入る前には「レズビアンはいるか」(リアム)にシーンとする会場、そこにしばし間をおいて「俺」(ノエル)と答える、ああ、これぞオアシス名物の兄弟漫才。続けて「じゃあレズビアンの男はいるか」(リアム)、再び会場はシーン。そして間を空けて「俺」(ノエル)。ああ、兄貴。最高。
 リアムはこの日、ずーっと観客に話しかけていた。こんなことは、日本では初めてだ。"シガレッツ&アルコール"の前では「ハイ、トウキョウ!」、他にも「あんがとよ、みんな」だの、全ての人にわかるように「次の、曲は、ワンダーウォール」とゆっくり発音してみたり。一方で兄貴は「ボンジュール」や「グラシアス」を連発。きっとテレ屋のこの人は、フランスやイタリアで「アリガト」と言ってるのではないでしょうか。
 オアシスがこの日繰り出したサウンドは、明らかに『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』で彼らが獲得した質感を伝えていた。つまり、重くないサイケデリック。"シガレッツ・〜"も意外なほどにサイケなアレンジになり、また"シャンペン・スーパーノヴァ"など重厚なサイケデリックさが特徴だった曲は、むしろ軽やかにノイズを重ねるサイケに変質。それらが全く違和感なく、「今のオアシス」の勢いとして響いてきます。
 この日は、お客さんも素晴らしかった。"ドント・ルック・バック・イン・アンガー"でのあの大合唱は、この日のハイライト。人間は涙ぐむと声が変わるが(美空ひばりを除く)、ノエル自身はこの曲で、確かにグッときていた。その姿に、こっちも胸がつまる。一方でリアムの声のハイライトといえば、やはり"ワンダーウォール"。これをリアムが歌うのをナマで聴くのは、本当に久しぶり。地声が駆け抜けるさまに、誰とも違う個性的なこの声に、全ての思考回路はシャットダウンされてひたすら魅せられるのみ。また、最後の最後までリアムの歌声が空を突き抜けていった"リヴ・フォーエヴァー"も、最高だった。
 16曲目の"マイ・ジェネレーション"まで、走り抜けたオアシス。やはりこのバンドは特別だと、わが世代のロック王者の圧倒的なライヴに今はただ、敬礼するのみです。

<SET LIST>
TURN UP THE SUN
LYLA
BRING IT ON DOWN
MORNING GLORY
CIGS & ALCOHOL
THE IMPORTANCE OF BEING IDLE
A BELL WILL RING
LIVE FOREVER
THE MEANING OF SOUL
MUCKY FINGERS
CHAMPAGNE SUPERNOVA
ROCK 'N' ROLL STAR
WONDERWALL
DON'T LOOK BACK IN ANGER
MY GENERATION
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