michael forever　マイケルフォーエバー

　あの衝撃的なマイケル・ジャクソンの急逝から7ヵ月が経過した。彼の早すぎる死を惜しむ声は今もなお絶えることがなく、不世出のスーパースターを失った喪失感は癒えるどころか日を追うごとに増していくばかりだ。　そんななか、せめてもの救いは映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』やベスト・アルバム『キング・オブ・ポップ～ジャパン・エディション』などを通じて新しいマイケル・ファンが急増していること。マイケルが残したすばらしいアートの数々に色眼鏡なしでまっすぐに接することができる彼ら若い世代は、きっとマイケルの偉業と功績を正確に後世に伝えていってくれるにちがいない。　そしてそれは、ここに紹介する現地アメリカの若きアーバン・スターたちにも同じことが言えるだろう。マイケルの存在自体が表現の動機になっているような彼らのヴォーカルとダンスを目の当たりにすれば、“キング・オブ・ポップ”のDNAが確実に次のジェネレーションへと継承されていることがわかるはず。マイケルが音楽に注いできた情熱とその結晶は、姿かたちを変えて永遠に生き続けるのだ。

アッシャー

“Mr.エンターテイメント” 　前人未到の大記録を打ち立てたモンスター・アルバム『コンフェッションズ』（2004年）でポップ・ミュージックの頂点に立ったアッシャーは、今のヤング・アーバン・スターたちにお手本を示してきたシーンの兄貴的存在。持ち前の情熱的なヴォーカルとエレガントなダンス・スキルを駆使してブロードウェイ・ミュージカル『シカゴ』への出演をはたすなど、ショウビジネスの王道を突き進む安定した活躍ぶりは“Mr.エンターテイメント”を名乗るのにふさわしい気品と風格がある。

クリス・ブラウン

“ナチュラル・ボーン・スター” 　2005年、デビュー・シングルの“ラン・イット！”をいきなり全米チャートの首位に送り込む派手な登場を飾ったクリス・ブラウンは、生まれついてのスターとでも言うべき圧倒的な華がある。そのポテンシャルのほどは、マイケル・ジャクソン直々に指名を受けて“スリラー”のトリビュート・パフォーマンスを行なった実績にも明らか。最新作『グラフィティ』では先鋭的なサウンドにも果敢に挑戦しているが、この余裕の振る舞いにしてまだ20歳だというのだから恐れ入ってしまう。

オマリオン

“キング・オブ・ダンス” 　00年代初頭に絶大な人気を誇ったB2Kのリード・シンガーとしてデビューをはたしたオマリオン。彼が“キング・オブ・ダンス”と呼ばれるゆえんは、ダンサーのバイブル的映画『ユー・ガット・サーブド』（2004年）での好演にある。この映画に出演して以降は来日のたびにダンス・イベントに顔を出し、今やすっかりダンサーたちのアイコンになった印象。もちろんソロ活動も順調で、リル・ウェインも惚れ込んだなめらかなヴォーカルは新作『オリュージョン』でさらに磨きがかかった。