ライブ・レポート
2003.4.24 原宿アストロホール
★担当ディレクターTerryからのリポート
ガレージ、パンク、ロックンロール・リバイバル、ニューヨーク、エレクトロ・クラッシュ、 停滞していたシーンに新たなる胎動が感じ取れる最近。新譜のレコードを買うのが楽しくなって
来た。しかしながら、前述したようななんらかのムーブメントやジャンルとして括られるものに 関しては必ず、供給過多が起こり、どうしてもデフレ状態になってしまうのは、シーンの常。
それによって、良いバンドなのに、日の目を見ないなんて悲しいこともよくある。ガレージ系の バンドはその危険性を多分に孕んでいるんだよな。。。
どうしてMewのライブ・レポートの前フリにそんなことを書くかというと、彼らがそういった ムーブメントとかとは関係ないところで独自の世界観を提示しながら、デンマークを飛び出し
アラン・マッギーに認められ、UKでのメジャー契約を勝ち取ったバンドだからだ。 現シーンにおける唯一無二。だからこそ、目立つ。そこはアドバンテージでもあるが、
目立つだけに、求められるクオリティーも他のバンドの比ではないほど高いのも事実だと思う。 だからこそ、CDを聴いてその音楽性にノックアウトされた人。映像を見て、その独特の世界に
一気に引き込まれた人。スマパンやマイ・ブラッディ・ヴァレンタインの影をMewに見て、 そんな時代のノスタルジーを感じている人、様々な想いでこの日の原宿アストロ・ホール、
一夜限りの日本公演に足を運んだことだと思う。かくいう僕も「一体どんなライブで彼らの独特な世界観 を表現してくれるのか?」期待は膨らむばかりだった。この日の前売り券は即日ソールド・アウト。
会場はそのチケットを手に入れることができた、幸運な400名で後ろの方ギリギリまで一杯。凄い熱気。 期待と不安が入り交じる気持ちで胸がいっぱいになった。なんか、あんまりこういうことはないんだけど。
ヨーナスの可愛らしい存在感がそうさせるのだろうか。不思議な魅力に溢れた人で、かまわずにはいられない 感じなのだ。
ヨーナス、ボウ、ヨハン、スィラスがステージに登場。女の子達の黄色い声援が彼らを迎える。 心なしか緊張してるみたいだ。「Am I
Wry ? No」のイントロのリフ。ゾクッとする!バックで シンクロする映像。ヨーナスのハイトーンは、録音の音源と遜色無く胸に響く。ヨーナスの第一声
の刹那、会場内が一斉にどよめく。みんな、本当にこの瞬間を待っていた。そんな感じだ。 ふわふわしたキャラクターがキュートなヨーナスだが力強く情感を込めて歌い上げる。ヨーナスの
ヴォーカルも、ボウのギターも、ヨハンのベースもやはり堅さは見られる。若干演奏がもたついたり、 ずれたりという部分もある。終演後もそんな声が聞かれた。しかしながら、それもまた、彼らの今を
投影しているし、一曲ごとにイメージに合わせた映像、楽曲、声、全て相まって一つの世界を表出させる 彼らのステージは、「演奏の上手下手」では語れないものがあると、僕は思う。彼らのアルバムには
映像的なイメージを喚起するものが多分にあるが、ライブにおいてそのイメージを損ねることなく 更に深く広く具現化してみせる。彼らはどこでプレイしようともその浮世離れした世界を創出し、
観ているものを別世界へ誘うのだ。当然、その受け取り方は人ぞれぞれ。演奏のもたつきが気になる 人にとっては、そうもいかないかもしれないと途中までは、僕も思っていた。
とは言いつつ、ライブも後半、国内盤CDのボーナストラックに収録されている「Wherever」あたりから、 演奏も、ヨーナスの声も固さがほぐれ、一体感がでてきた。だんだんMewの魔法が効いてきた。今振り返ると、
「EIGHT FLEW OVER,ONE WAS DESTROYED」、「SHE CAME HOME FOR CHRISTMAS」「SHE
SPIDER」とアルバ ム収録の順番と一緒にプレイしていくにつれ、ここがどこだか忘れて、Mewの世界に引き込まれつつある自分がいた。
アルバム本編(ボーナストラックはのぞく)の最後を飾る名曲「COMFORTING SOUNDS」においては、もはやここは 普段自分の生きている世界ではなく、全くの異世界のようだった。
彼らのアルバムには映像的なイメージを喚起するものが多分にあるが、ライブにおいてそのイメージを損ねることなく 更に深く広く具現化してみせる。彼らはどこでプレイしようともその浮世離れした世界を創出し、観ているものを別世界へ誘うのだ。
今回は原宿アストロ・ホール一夜限りであったが、8月にはまたサマーソニックで戻ってくる。その時を楽しみにしていて欲しい。 必ず、あの大舞台をMewの世界にしてくれることだろう。
余談だが、ライブの翌日、Inter FM、その翌日、J-waveでアコースティックパフォーマンスを披露したのだが、 その歌は鳥肌が立つほど美しかった。
サマーソニックでの更なる飛躍を確信させる、それほど素晴らしい物だった。
(by Terry)
セットリスト
AM I WRY? NO
156
BEHIND THE DRAPES
SYMMETRY
SNOW BRIGADE
WHEREVER
EIGHT FLEW OVER,ONE WAS DESTROYED
SHE CAME HOME FOR CHRISTMAS
SHE SPIDER
COMFORTING SOUND
★TOKYO FM当選者からのリポート
ザ・コーラル、アフターパーティーのあと、丸2日間、所謂「祭のあと症候群」になってしまった私。家から一歩も出ず、引篭る日々。そんな私を外の世界へ連れ出してくれる素晴らしいプレゼントが・・・!
TOKYO FMの観覧募集当たっちゃったーーー!!何が当 たったのかというと!早くも今年No.1ニューカマーの呼び声高い、あのMewのライヴ
当たっちゃったんですぅ〜♪こりゃもう引篭ってる場合じゃない!意気揚々と原宿 へ。
会場前は早くも長蛇の列!デビューアルバム発売からたった1日しか経ってな い、初来日の新人バンドのライヴじゃないよ、この光景。会場内はもっとスゴイこと
に!うしろギリギリまで人、人、人!心なしか空気も薄い!そんな状況下でも、みん なの顔は期待で胸いっぱいって感じの笑顔。フッと照明が落ちる。と同時に湧き起こ
る歓声。ステージ上には・・Mewのメンバーが!「ヨ、ヨーナス・・可愛過ぎるぅっ !!!」。ヴォーカルのヨーナスのあまりの愛くるしさに思わずブッ倒れそうになる
私(変態)。♪ジャッジャンッ!幾度となくHUBで聴いたお馴染みのあのイントロ。 「Am I Wry? No」!「♪Farah〜」キャーーーっ!!CDまんまー!鳥肌ぞわぞ
わ〜〜っ!正直、ヨーナスのエンジェルヴォイスが生でどこまで通るものかちょっと 不安だったんだけど、全くもって余計なお世話でした。私と同じような気持ちだった
人も結構いたのか、ヨーナスの第一声が発された瞬間、会場内がどよめいたしね。イ ンタビューで自分たちの楽曲には映像が密接に関係してるって語ってただけあって、
ステージ後方のスクリーンに1曲ごとにイメージに合った映像が次々に映し出されて ました。楽曲、ヨーナスの声、映像が一体化して会場は全くの別世界に。あの瞬間は
原宿でも東京でも日本でもなかったよ、あの場所は。会場全体ワープ状態でしたね。 まぁ時折、演奏がもたついたりとか、ぎこちなさが見えたりとか、まだまだステージ
慣れしてないなぁっていうところも垣間見えたりしたけど、それは8月のサマーソ ニックまでの課題ってことで。本当にあっと言う間の初来日でした。
Mewを体験して ない人に私が言えることはとりあえず2つ。まず絶対アルバム買いましょう!そして 夏、サマーソニックに行きましょう!!
(by TOKYO FM当選者 Mizukiさん)
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