DE
DES'REE
biography 2003


 世界中で500万枚以上のアルバム・セールスを誇るデズリーは、イギリスで最も 愛されているシンガーソングライターの一人だ。過去10年間、彼女はBritAward を数回受賞し、Ivor Novello(*アイヴォアー・ネヴェロ)賞を2度、そしてWorld Music Awardも受賞した。さらにバズ・ラーマン監督の映画 ”Romeo & Juliet” で は、”Love Theme” (“Kissing you”) を魅力的に歌い上げた。そして今、アメリカ を始め世界中でヒットを記録してきたデズリーが、過去4年間の間に手がけてきた 素晴らしい新曲の数々と共に帰ってきた。 *Ivor Novello Award:Brit Awrdとも並ぶイギリス版グラミー賞。Ivor Nevelloは無声映画時代に活躍したイギリス人アイドルで1951年に死去。  デズリーはいつも、日常に共鳴する、ごく普通の出来事や感情を歌っている が、彼女にかかれば、それはとても特別な曲に仕上がる。彼女には、独特の才能 があるのだ。普段の生活や平凡な出来事に、魔法をかけるようにして魅力を与 え、美しいメロディーとあの官能的なシルキー・ヴォイスで、決して他には無い 特別な曲に仕上げる才能だ。

 カリブ出身の両親の元(父親はバルバドス、母親はガイアナ出身)、ロンドン で生まれたデズリーは、1969年11月30日生まれの射手座だ。彼女の両親は 1960年代初頭にカリブから海を渡ってきた。そして、(カリブ海東端の小島) バル バドスで3年間を過ごしたデズリーは、14歳の時、音楽の世界に身を投じようと決 心した。両親のレコードコレクションを通じて、デズリーはジャズやレゲエ、カ リプソやゴスペルに親しむが、10代の頃から既に自分で作詞・作曲を始めるように なる。そして、23歳の時に初めて作成したデモテープが、ソニー・レコードの担当 者のもとに届けられた。そのデモテープには”Feel So High” が含まれており、 それは、ほどなくにデズリーの初のヒットシングルとなる。実はこの”FeelSo High” はソニー・レコードの中である記録を樹立している。デモテープが担当者 (この担当者、当時テレンス・トレント・ダービーの担当だったらしい)のもと に届いてから、それがデビューシングルとしてリリースされるまでの期間の最短 記録である。その記録、わずか12週間!

 “FeelSo High” と、共に出されたアルバム ”Mind Adventures” は、デズリー に国際的なスターの称号を与えたが、彼女を更にスターダムに押し上げたのは、2 枚目のアルバム”IAin’t Movin” のリードシングル ”You Gotta Be” だった。 ”You Gotta Be” はイギリスやヨーロッパのみならず世界中の人に、ポジティブな 心を歌う曲として愛された。アメリカでは、ビルボードのラジオ・オンエアの チャートに80週連続でランクインし、その映像も、VH1で最も多く放送された。ま た、”You Gotta Be” は、本国イギリスで1997年秋にリリースされた、ダイアナ妃 追悼アルバムにも収録された。またこの曲は、リミックスを経て、2度の再リリー スが行なわれたが、その都度シングルのトップ20にランクインしている。1990年 代において、3度もトップ20に入ったのはこの曲だけだ。

 1995年のSealと共に行なったアメリカツアーで、デズリーの国際的なスターと しての名声は不動のものになった。各地でチケット争奪戦が繰り広げられ、また Sealのサポートを受けて行なわれたデズリーの素晴らしいパフォーマンスに対し て、スタンディングオべーションが、毎夜のように贈られた。さらに同年、彼女 はヴァチカンで一般歌手として初のコンサートを行い、ローマ法皇ジョン・ポール 2世から祝福を受けた。

 “I Ain’t Movin” と3枚目となるアルバム ”Supernatural” の間、デズリーは映 画のサウンドトラックの世界にも挑戦し、多大な成功を収めている。スパイク・ リー監督の作品”Clockers” や ”Set It Off” などに曲を提供したが、最も有名 なのがバズ・ラーマン監督の ”Romeo & Juliet” に提供した ”Kissing You” (ロミ オとジュリエットの”Love Theme” として位置づけられている) だ。この曲は、 レオナルド・デカプリオ演じるロミオとクレア・デ−ンズ演じるジュリエットが 始めて出会うシーンで流れており(デズリーもこの曲を歌う歌手としてスクリー ンに登場している)、このサウンドトラックのハイライトとも言える曲となった。

 1998年にリリースされた ”Supernatural”は、これまでリリースされたデズ リーのアルバムの中で、最も大きな成功を収めた。”Supernatural” の一曲、 ”Life”は6月にトップ10入りし、続く ”What’s Your Sign” は11月にトップ20入 り(共にUK)を果たした。アメリカ、ヨーロッパ、そして極東(日本ではTBS系ド ラマ「TOHEART〜恋して死にたい」の主題歌に“LIFE”が起用され大ヒット。20 00年のジャパン・ツアーを大成功させた。)で行なわれたワールドツアーを経 て、デズリーの新アルバムの曲が1998年の終わりから1999年にかけて、少しづつ 形になり始めてきた。

 そしてデズリーは、フィリピンのホテルのプールでリラックスしながら、新曲 ”Cool Morning” の詞とメロディーをつむぎ始めた。その詞はとても清らかで純粋 なものだった。更に同じ頃、彼女はギタリストであり、作曲家であるPrince Sampsonと共に、”Why” を手がけた。

 『私は、毎回いろんな方法で曲を作っているの』とデズリーは言う。『でも大 抵の場合、まず、詞を断片的に思いついて、そのあと、曲がほんの少し頭に浮か んでくるの。そこからどんどん生み出していく、という感じ。完全な曲になるま で、何時間か家の中で歌い続けることもあるし、アルバムを共に手がけてくれる ミュージシャンのアイディアをもとにして、一緒に考えて作っていくこともある わ。時には、朝の5時とか6時とかに曲を思いつくこともあるわ。私の中に曲が 入ってくる感覚なのよ。そして、それを忘れないようにするために、ベッドサイ ドに録音機を置いているの』

 『アルバムの中の ”Something Special” は、コーヒーを飲んでいる時に思いつ いたの。バンドメンバーの一人と休憩していたら彼が不意にギターを弾き始め て、その時、”Recordedjustincase.Thechallenge we face. To make a little pace. I think we need more bass (念のために録音しましょう、いつも 挑戦を続けている私たち、すこしペースを出すために、もう少しベースを効かせ よう)” という詞が浮かんできたの。曲を作る過程を歌にしたのよ! 逆に、”It’s OK”という曲は、ちょっと不機嫌な時に作ったの。気持ちが盛り下がっている時 に書いたのだけど、結果的には、誰の人生にも起こり得る一日を歌った曲になっ たわ』

 常に平和と理解を求め続ける世界、ごくありふれた出来事の中や、あるはずが 無いと思われていた場所に、美や希望を見出せる世界。これが、デズリーの世界 だ。 デズリーのホームページを開くとこう記されている; 『私の誕生日にたくさんの祝福をありがとうございます。とても素敵な一日を過 ごしました。たくさんの花束に囲まれて。私はとにかく花が大好きなんです。今 私の家はとてもいい香りに包まれています。夜には家中にキャンドルを灯して心 静かに過ごしました。そして空には満月が。いつか友人が、満月の夜は月に感謝 をして、新月の夜には願い事をするのよ、と教えてくれたので、その夜はその言 葉どおりに過ごしました・・・』