参加くださったみなさん、ありがとうございました。 このイベントは9/8はヨーロッパ、9/9はアジア、オーストラリアで開催されました。北米、南米は9/15を予定しています。参加国は26カ国、会場は86カ所、合計50,000人のファンが参加。(9/10現在)
日本では直前までロンドンとの回線のチェックがあり、暑い中みなさんに外でお待ちいだたくことになってしまいました。今回、司会と通訳をお願いしたのはJ-waveでおなじみの南美布さん。まず、南美布さんからイベント全体の説明があり、回線がつながるのを待って、前日のライヴ・パフォーマンスの映像の中継が始まりました。ロンドンのスタジオではBOWIE NET(オフィシャルサイト)の会員がこのラッキーなライヴを楽しんでいました。ボウイは色あせたブラックジーンズにTシャツ、その上にシャツ、その上にジャケットと予想に反してカジュアルな服装。去年のヒーザンツアーではスーツ姿がメインでした。今回はアルバム「Reality」のイメージに合わせているのでしょう。「Reality」の1曲目NEW KILLER STARが終わると、ジャケットを脱ぎ、ファンに煽られてシャツも脱ぎ、Tシャツとジーンズ姿になって、ニューアルバム「Reality」から全曲、それもアルバム収録順に演奏が続きました。リラックスした表情のボウイのMCが1曲ごとに挟まれ、ライヴへの圧倒的な自信を感じさせました。

(セットリスト1)
・New Killer Star
・Pablo Picasso
・Never Get Old
・The Loneliest Guy
・Looking for Water
・She'll Drive the Big Car
・Days
・Fall Dog Bombs The Moon
・Try Some, Buy Some
・Reality
・Bring Me The Disco King

バンドのメンバーは昨年のHEATHENツアーからのメンバーであり、「Reality」のレコーディングメンバー。
Catherine Russell (vo)
Earl Slick (guitar)
Gail Ann Dorsey (bass)
Gerry Leonard (guitar)
Mike Garson (piano)
Sterling Campbell (drum)

Photo by Chris Lopez


「Reality」からのライヴ・パフォーマンスの後はロンドンのリバーサイドスタジオにいるボウイと司会のポール・キングがスクリーンに登場!生中継!!!このインタラクティブQ&Aはオーストラリア、香港、シンガポール、日本の順番で、司会のポールが各国の司会者へ呼びかけていきます。オーストラリアはメルボルン2会場とシドニー2会場で行われ、質問は4問。続いて香港からは1問。シンガポールは残念ながら回線がつながりませんでしたが、ポールが代わりに質問を読み上げました。そしていよいよ日本の番です。美布さんの「Hello! Hello!」という声にロンドンのボウイが反応したとたん、会場からは熱い歓声があがりました。この場にいたみんながスクリーンとボウイの声に一気に集中!日本に一番長く時間を割いてくれ、盛り上りも大きかったのではないでしょうか。日本の会場からの声援にボウイの表情もニッコリ。この時は黒の長袖のTシャツに黒のパンツ、そしてグレーのハイカットのコンバースというラフだけど、オシャレなボウイでした。そしていつものポール・スミスの腕時計も。
ポール・キング:
(以下P)
ご覧頂いたのはロンドンでの昨夜の模様ですが今まさにそのステージ上にいます。昨日はいかかでしたか?
デヴィッド・ボウイ:
(以下DB)
こんばんは!とっても楽しかったよ。新しいアルバムからあのように11曲続けて演奏するのは全く初めてだったのでちょっとドキドキだけど、ヴァイブは最高で観客もスタジオ内や各会場含めて素晴らしかった。
P: みんなとても楽しんだことでしょう。さて現在はアジアとつながっており日本や香港、シンガポール、オーストラリアのみなさんもご覧になっています。さっそくオーストラリアへつなぎましょう。オーストラリアのリチャード?
オーストラリア
リチャード(以下R): (歓声) こんばんは!
DB: こんばんは!リチャード!
R: まず最初の質問ですがライアンという男性からです。『コンサートツアーはオーストラリアにも来るのでしょうか?』
DB: もちろん。クリスマスの後、来年初頭に行くよ。
R: クリスマスの後にオーストラリアですね、素晴らしい。何公演などお解りになりますか?
DB: 最低でも6公演はやりたいね。決まるのは11月頃だと思う。
R: 素晴らしい。では本日シドニーの会場にいるキースより、『私は最近2ヶ月になる娘に恵まれましたが父として何かアドバイスをお願いします。』
DB: お子さんにはとても早い時期に音楽に馴染ませることですね。互いのコミュニケーションという最も素晴らしいことにもなるからね。それとベッドタイム・ストーリーを読んであげること。
R: お次もシドニーのメラニーからです。『1967年の"David Bowie"から2003年"Reality"まで、考え方や音楽へのアプローチ(曲作りからレコーディングまで)何が変わったと思いますか?』
DB: 難しい質問だね。多分一番の違いは、早期の作品は、よりステージングを念頭において書いたことかな。当時は耳で聞こえてくるのと同じくらいに思い描くことができ、ステージを思い浮かべながら設計していた。最近の作曲はそれに比べて大半が単数形となっていて、ステージに立つ時の見栄えよりも演出する側にいる気がする。
R: これはメルボルンのベリンダからです。『ミュージシャンになってなければ何になりたかったですか?そして今どうしてると思いますか?』
DB: テレビの司会者になって良い仕事をしていたと思う。もしそうだったら今頃シドニーで早朝番組を担当しているね。僕はエリザベス・ベイにしばらく家を持っていたので、そこに住んでたかな。今は手放せなければ良かったと思ってる、マリーナの反対側にあったんだけどね。
R: もう一つだけ、ボーナス質問いいですか?ご自分のこれまでの作品(body of work)がさぞかし誇らしいでしょうね?
DB: 体(body)は誇らしいよ。その秘訣は多大な努力と何も食べないこと!(笑)
R: ありがとうございました!
DB: ちょっと〜、その質問にはちゃんと答えさせて!(笑)
P: 質問の中でツアーの話も出ましたが、オーストラリアではどんなショーになりますか?
DB: アリーナの後ろには大きなスクリーンを設置するよ。でも基本的には昨日やったようなショーだよ、僕とバンドとで各曲を演奏するというとってもとってもシンプルなスタイル。そういった形でここ2,3年やってきたんだけど正直言って今、一番心地良いんだ。
P: さて次は香港ですね、香港のアン?
香港
アン: こんばんは!さっそくですが、『あなたはクラフトワークのファンで、コラボレーションを行う機会もあったとか伺いました。今度クラフトワークの新しい作品が出ますが、今でもファンなのですか?』
DB: そう、大ファンだよ。彼等がやることは全て好き。彼等は本当に素晴らしいバンドだと思う。一緒に仕事が出来ればとっても嬉しいね。でもその為にはお互いに共鳴する音楽が生まれたり、一緒に作曲をしたいと思わないと実現しないかもね。でも実はこういう提案自体はまだ出てないんだよ。
P: そういえばここ最近で気に入った音楽はありますか?
DB: 今やってる音楽かな(笑)でもここ1年はたくさんの素晴らしい音楽が出てきているね。メイシー・グレイのアルバムも素晴らしかったし、ベックのアルバムもすごく良かったし、ダンディ・ウォーホールズも。ジェフ・ベックの最近のアルバムも本当に素晴らしかった。もっといろんな人が彼の音楽を聴けるようにもっと記事が出ないのは犯罪だと思うくらいだ。ジェフの過去3作も最高だし、最近の「Jeff」(最新アルバムタイトル)は本当に素晴らしい。彼の世代のギタリストを思い浮かべても彼ほど飛び抜けて冒険したり、意義のあることをしてる人はいないんだよ。スパイダーズとの作品はまるでジェフがプロディジーかケミカル・ブラザーズの一員になったようで興味深いよ。
シンガポール
P: お次はシンガポール。……繋がらないようなので私から質問をしましょう。『もう一度人生を体験できることが出来るのなら、どの時期を再び生きたいですか?』
DB: (笑)そうだな…2000年から現在までを、1967年に生きたい。置き換えられたらおもしろそう。でなければ曲になりそうだ。ありがとう、このアイデアを頂くよ。
P: でも曲作りに苦悩はなさそうですね、いつも作曲しているイメージですが。
DB: 幸運なことに創作に向いてない時はないんだ。多分音楽面は僕にとっては常に(電球のように)ついててメロディや興味深いコード進行を書くのは簡単なんだ。一度それが出来るとほんとにすぐにその特定メロディとつながる歌詞のアイデアが浮かんでくる。問題はないね。このバンドも良いインスピレーションとなっている。特に今回のアルバムにおいては、このバンドが作品を作り上げる起原になっていたと言える。まるで「Reality」のショーケースだと思う。皆才能あるミュージシャンで、このアルバムで頂点に辿り着いたと思っている。アルバムでもステージでもこのバンドと仕事をするのは最高の気分だ。
P: :さて、最後の国は日本、東京ですね。ミブ?
日本
ミブ(以下M): こんばんは、本当に素晴らしいパフォーマンスでした!
DB: ありがとう!
M: 日本からの一番目の質問ですが、『96年のアウトサイド・ツアー以来7年間も日本に来ていないのですが、今日この会場にいる日本のファンの前で来年日本へ来ることを約束して頂けますか?』
DB: 勿論だよ!確実に日本にまた行きたいと思ってる。とても楽しみにしている。いつも日本では楽しい時間を過ごしていて、素敵な時間に恵まれていると思う。92年には初めて妻を日本へ連れて行ったんだ。どうやら彼女も再び行くことになりそうだよ。
M: 2番目の質問ですが、『今回のアルバムのジャケットは非常にインパクトがありますが、これに至った経緯を教えてください。』
DB: アイデア的には「リアリティ(現実)」の言葉に対して不穏なバックグラウンドを見つけることだったんだ。なので自分をマンガのキャラクターのように再現し、そのマンガの「彼」の現実にはめ込むのではなく、抽象的バックグラウンドという更なる非現実に置くことにより「現実」が3度も除去されたのだ。解るかな?説明が下手で申し訳ない。制作したアーティストは2人いて、一人はレックス・レイというサンフランシスコに住むアーティストです。彼は非常に興味深い人で、また、古くから有名な「シティ・ライツ」というボヘミアン書店で働いているんだ。ビート時代の詩人のことを知っている人は、サンフランシスコにおいて書店が歴史的にも重要な存在であることを理解できるはずなんだ。彼がレックス・レイです。もう一人はイギリスにジョナサン・ボンドブルックというデザイナーがいて、彼がジャケットのタイポグラフィやデザインを手がけている。彼は「HEATHEN」のジャケットデザインも手がけているんだ。
M: ありがとうございました!アルバム発売、そして来年のツアーを楽しみにしています!
DB: 日本のみんな本当にありがとう!
最後はBOWIE NETでの投票でトップをしめた3曲
Hallo Spaceboy (アルバム「OUTSIDE」)
Fantastic Voyage 素晴らしき航海 (アルバム「LODGER」)
Hang On To Yourself 君の意志のままに (アルバム「ZIGGY STARDUST」)

さらに会場の盛り上がりに答えて、3曲が追加され、最後にもう一度NEW KILLER STARのライヴパフォーマンスで終了となりました。この4曲はホントに予定外だったようです。

・Modern Love (アルバム「LET’S DANCE」)
・Cactus (アルバム「HEATHEN」)
・Afraid (アルバム「HEATHEN」)
・New Killer Star(アルバム「REALITY」)

その後、会場でNEW KILLER STARの最新プロモーションビデオが上映され、プレゼント抽選の発表がありました。「Reality」グッズをプレゼントしたかったのですが、アメリカからの到着が遅れてしまったため「HEATHEN」グッズのTシャツ、マグカップ、CDケースと、直筆サインのプレゼントとなりました。当選された方おめでとうございます。

文句なしでカッコイイ!日本でのライヴが待ちどおしい!ホントに来日してくださいよ!

 
【初回盤】 SICP-444〜445 \3,150(税込) /  【通常盤】 SICP-446 \2,520(税込)

1.New Killer Star   7.Days
2.Pablo Picasso   8.Fall Dog Bombs The Moon
3.Never Get Old   9.Try Some, Buy Some
4.The Loneliest Guy   10.Reality
5.Looking For Water   11.Bring Me The Disco King
6.She’ll Drive The Big Car   12.Waterloo Sunset

<初回限定2枚組のボーナスディスク>
1. Fly  /  2. Queen Of All The Tarts (Overture)  /  3. Rebel Rebel