ラッキーソウルというバンドが形を成してきたのは、2004年も終わりを告げようというころだった。ソーホーのSpice of Lifeでアンディが中高年の間をかきわけながら目にしたアイヴァー・シムズという若手のギタリストが加入していた。ところが(ラッキーソウルにとっては結局良い方向へ転ぶのだが)当時のシンガーとベーシストが恋に落ちて子供ができ、そのままいなくなってしまう。代わりのメンバーを4ヶ月の間あちらこちらとくまなく探した結果、看護師をしていたブライトンのモッズ、トビー・フォーゲルを見つける。“探し物は目と鼻の先にある”という言葉に漏れず、彼はアンドリューの友人のボーイフレンドだった。一方、後にLondon Liteに「かつてブロンディのいた場所に立っている」と評されることになる女性、アリ・ハワードは、有名な書店の通俗心理コーナーで見出され、その後フロントウーマンとしてバンドにぴったりはまった。そして2006年の夏の終わりころ、トビーの友人であるマルコム・ヤングがキーボードとして加入し、ラインナップが完成したのである。
彼らは2006年の夏に、ブラーやプライマル・スクリーム、バーナード・バトラーなどを手がけたプロデューサーのGeorge Shillingと共にスタジオにこもった。そして近年最も優れたインディー系ポップ・アルバムのひとつとなる作品『The Great Unwanted』を作り上げた。
ヴィデオ『Add Your Light to Mine, Baby』の舞台は南ロンドンのパブThe Ivy House。制作したUs3 Productionsは以前CD:UKやT4、MTVにいたプロデューサーたちが創めた新しい制作会社で、これが初めて手がけたヴィデオとなる。特徴はフエルトの帽子を被ったエキストラや、写真家デヴィッド・ホックニーにインスパイアされたカメラワークだ。