Boucles d'oreilles
本人解説

周防正行監督作品「Shall we ダンス?」主題歌。原曲はミュージカル映画「王様と私」の劇中歌として有名です。アコースティック・コンサートをする中、初めてお見えになる方にも楽しんでいただけるよう、弦カルテット用にアレンジし、コンサートのレパートリーに加えました。
オリジナルは1996年『Shall we ダンス? オリジナル・サウンドトラック』

世界を旅した中でも、印象深い街ベニス。運河をゴンドラで流れながら、その歴史に思いを馳せる時、この曲ができました。オリジナルは1988年『PURISSIMA』。後にブラジル人歌手アナ・カランがポルトガル語でカバーし、米シェスキーよりリリースされました(ポルトガル詞はネルソン・モッタ)。

原曲はフランスでヒットした「T'en Vas Pas」。'87年に原田知世さんがこの曲をカバーするにあたり、私が日本語の歌詞を書きました。そのあとすぐ私自身もカバーし『スライス・オブ・ライフ』に収録(フランス録音)。

オリジナルは1980年『ロマンティーク』に収録されています。
60年代〜70年頃の、若き芸術家のたまごたちが夢を語りあった日々を描いています。
1984年ピエール・バルーがこの曲に歌詞を書いてくれて、「Amour levant」というタイトルでアルバム『カイエ』に収録。近年ステージでは、シンプルにピアノと歌うことが多く、「帰りこない青春・・・」と歌う度に、過ぎ去った時を実感します。

オリジナルは1982年『クリシェ』に収録(パリ録音)。「突然の贈りもの」に並び、もっともステージで歌うことが多い曲です。私のつくるラヴソングは、たいがい過ぎた日々を歌うものが多いのですが、取り戻すことができないことの中にも、肯定できる答えがあるとすれば、その事実を置き去りにすることなく歌い続けることで、それは生きるうえで学ぶべきことのひとつになっていくのだろうと思います。

オリジナルは2005年『One Fine Day』に収録されています。何処へ何回行ったかなんて、数えていないのでわかりませんが、もしかすると、パリへ行った回数がいちばん多いかもしれません。いちばん最後に行ったのは1999年の冬、サンジェルマン・デプレにある画家のアパートを借りて住み、レコーディングの準備をしていました。ヨーロッパの冬はほんとに夜が長くて、太陽が恋しく孤独な気持ちになります。だから陽のあるうちは、よく散歩をしました。そんな中でできた曲です。

オリジナルは2005年『One Fine Day』に収録されています。私はなんとなく曲を書くということがないので、つまり書きためたりしないので、殆どがアルバムのため、ということになります。そうして出来た曲がレコーディングされるまではそう時間を要しません。ですから、その曲がほんとに自分のものになるまで、何度も繰り返し歌い自分のものになるには時間がかかります。この曲もレコーディング後、ステージで何度も歌ううちに自分らしい歌になってきました。いずれはスタンダードな1曲になっていくだろうという予感がします。

アサヒ「贅沢日和」TVCMで歌った曲です。 CMの仕事にはいろいろなタイプがあります。
そのために書き下ろすことも、すでにある自分の曲を使って頂くこともそして今回のように、歌唱だけをたのまれることもあります。「Shenandoah」という曲は以前から知っていましたし、好きな曲でしたから歌唱を頼まれた時は、とても嬉しかったです。コマーシャルのための録音は長くても60秒ほどです。その録音当日もいつかフルサイズで録音できたらいいですね!なんて話していたのですが、気づいたらちょうどこのアルバム制作の最中でした。
まさに、よいタイミングだったのです。

NHKみんなの歌('84)のために書いた曲です。どんな仕事の場に行っても、まわりはすっかり私より年下になってしまいました。そんな彼らから聞く言葉は「子供の頃、この曲聴いてました!」っていう。ですから、コンサートでもよくアンコールなどで、歌うようになりました。オリジナルは1986年『Comin' Soon』に収録されています。弦でやるには、ちょっとムリのある曲ですけど。・・・・まあ、オマケです。