1. Intro〜5MC+1DJ〜(Theme from nobodyknows+ pt.13)
2. どうよ?
3. T.R.U.E.(album version)
4. 宿なし
5. シアワセナラテヲタタコウ
6. 夏のかけら
7. 奇跡に乾杯
8. Hello! (Theme from nobodyknows+ pt.14)
9. メバエ
10. エル・ミラドール〜展望台の唄〜
11. マ・ライフ (Theme from nobodyknows+ pt.15)
12. Sweet Soul Music

1. Intro〜5MC+1DJ〜(Theme from nobodyknows+ pt.13)
アルバムの冒頭、というより全国の大小さまざまなライブ会場で、僕らのステージが始まる前に「欲しい」空気感をイメージしました。ちょっと壮大な感じもありますが、ヨレたサンプリング感も随所に出ていて良い感じだと思います。ちなみにオールドスクール感漂うラジカセからのラップはメンバーではなくロジックという外国のお友達です。「ヘイ、ロジック!」「なんだい、ミツ?」。そんな感じです。どんな感じだよ?

2. どうよ?
曲のテーマは「仲間」。そのイメージは白人黒人の混成バンド"WAR"の名曲"Why Can't We Be Friends?"。このWARの曲は同グループ内でイザコザがあった際「なぜ肌の色が違うだけでこんなにわかりあえないのか?なぜ仲間になれないんだ?」という思いをメンバーがそれぞれに抱き、その気持ちを歌にした、というエピソードがあります。つまり「同じ音楽が好きなんだけどもオレは白人、オマエは黒人。だから仲間になれない」ってのはねぇだろ?って事です。それは今の時代であっても、国や場所がどこであろうと、自分が思うよりもっと大きな枠で「音楽」というものを共有できれば、仲間になれるんじゃないの?って事だと思うのです。そんでもって「音楽」だけじゃなく、なんでもいい「何か」ひとつでも共有できれば、その人とは仲間になれるんじゃないかなと。違いますかね?だから、その「何か」を共有すべく、恥ずかしがらずに「最近、どうよ?」って声をかけてみるってトコからタイトルは「どうよ?」に決定。ちなみに僕は「最近どうよ?」と聞かれた場合「どうもこうもねぇよ」と答えるのがマナーとなっています。どうでもいいですね。さて。曲はアタマっからノリ(?ダ?ファンキーなんとか)が暴走→DMCバリのソロラップで酸欠→倒れる→残りの4MCがフックと共にノリを救助、ナカマってイイなぁ〜っという小芝居から始まり、その先はお得意にして怒濤のマイクリレーに。ナイスなソロギターは某パチスロ情報誌でもおなじみ(らしい?)フクフクフクちゃんです。ギター+スロット共々、とても勉強になりました〜。

3. T.R.U.E.
1st アルバム「Do You Know?」発売後、最初のシングルとしてリリース(カップリングは「シアワセナラテヲタタコウ」)。名古屋のクラブシーンの中で切磋琢磨していた僕らは、1stアルバムがオリコンチャートで1位になったり、TVの歌番組に出演するようになったりした事に対してほとんど実感がわかず、またその後の取材でもよく「何か変わりましたか?」と聞かれても逆に「?」という感じでした。ただ、自分達の作った曲が全国で支持されている、という実感なくも嬉しい事実をフマえた反面、次はどうするべきなのか?という事を様々な角度から、色々と考えた時期でもありました。ちょうどその頃、ヤスと話をする機会が多くあり(←ほぼ泥酔)、その話し合いの中で、ヤスの「"nobodyknows+"を多くの人が聴いてくれるという環境ができたのならば、より自分たちがこれまで貫いてきた想いを聴いてもらいたい」という部分に惹かれこの曲の製作を始めました。つまり、周りの環境がどう変わろうが、イチ地方の、客の全くいない小さなクラブの片隅でラップをしていた、あの頃と同じ気持ちで書きたい、ということです。正論。そしてそこから出る言葉の数々には「誰にも負けたくない」という強い思いと、そこから導き出される、紛れひとつない、たくましい精神世界があったワケです。その多くの言葉を自然と耳に流し込めるよう、トラック全般にギターのメロディを走らせてみました。ギターは三重県在住のトビー前田さん。スキルはもちろん、度重なるメロディの変更にもニコニコしながら最後までつきあってくれる、とてもスバラシイ方です。が、飲み過ぎには気をつけてください。

4. 宿なし
ヤス一番?、Hidden Fish、ノリ・ダ・ファンキーシビレサスの「わかば塾」による一曲。今さら「わかば塾」もナイですが。さて。まず完成したトラックを聴かせた途端、ヤスがテーマを即座に決定。ほぼ実話。昔、僕がマネージャーをしていた名古屋のクラブ"lush"では、土曜日の明け方まで客とムチャクチャ飲んで騒ぎまくった後に「で、今から何する?」っていうのが合い言葉になっていて、何の用意もナシでそのまま大勢で県境の山奥まで行ってムリヤリ釣りやらバーベキューしたり、ムリヤリ海に行ったりとかしてたんですね。たぶん誰も行きたくないのに(笑)。そこには「今遊ばなきゃまた明日から仕事だろ」っていう「優しさ」があったつもりでしたが、当時のヤスやクリスタルは「参加しなきゃならない行事」だと思っていたらしく、その当時の彼女とかに「ゴメン、みつさんがさぁ...」みたいな言い訳を毎週のようにしていたそうです。...気がつけば悪者。しかし。どうやらその歴史は繰り返されるらしく、nobodyknows+が少しずつ忙しくなる中、たま〜の休みがクリボウ(マネージャー)から発表されると「明日休み!?」というヤスの軽快な一言を皮切りに、メンバー全体(=のみ)を巻き込むムリヤリな「無計画旅行」は決行され、名古屋近郊はもちろん、時に大阪、時には沖縄まで。特にHidden Fishやノリがその「お連れ」となる事が多く、たぶん二人は「ゴメン、ヤスくんがさぁ...」とか他の友達に言ってるハズです。曲はそんな3人の「よくある日常」を切り取った、疾走感あふれる構成に。寝るヒマ惜しんで遊ぶ。そして遊んだ分しっかり仕事する。20代の鉄則ですね。そしてアルバムではこのあと、休む間もない怒濤のマイクリレー「シアワセナラテヲタタコウ」に。遊んだあとは朝までしっかり働きましょう。

5. シアワセナラテヲタタコウ
「T.R.U.E.」と共に2ndステージ最初のシングルに収録。テーマは「10人しか客のいないクラブで5人がマイクを握った時、その10人を確実に盛り上げられる曲」。そしてnobodyknows+流のクラブアンセム。それ以上でもそれ以下でもないですね。10年ほど昔、サジくんというナイスなハウスDJと「理想のクラブ論」をしていた時に、「非日常」という言葉が最終的に残ったんです。どういう事かというと、例えば今日失恋した人がいたとします。辛くて、苦しくて、現実から逃げたい、と思った時、まずその手段の一つとして、自分の好きな音楽を聴くんじゃないかと。なぜなら日常の生活の中で、最も手軽に「非日常」を感じられるモノの一つが音楽だからです。「この曲、まるで自分の為だけに歌ってくれてる」気がする瞬間ですね。そんなハズないのに。そんな事を考えているうち、やはり一人で聴いててもヘコんでくる。だったら自分の好きな曲が大音量でかかるクラブへいこう、と(←ちょっと強引)。そこには昼間何の仕事をしてるかもわからないような人たちが夜な夜な「音楽」という共通項で集まっている。もちろんその人たちの中には「学校でイジメられている」だったり「会社でバカにされている」人もいるかも知れない。でもここではそんな事は全く関係ない。この空間で重要なのは「この曲好きか嫌いか」「飲んでるのか飲んでないのか」くらい。誰にイジメられてても、どこでバカにされてても、どんなに仕事が辛くても、そんなありとあらゆる「日常」はここでは全く関係なし。お構いなし。色んな曲を聴きながら、楽しく飲んで、踊る。そこに集う人たちの様々な日常を音楽が全て切り離す「非日常」の空間。それが「理想のクラブ」なんじゃないのかと。ちょっと強引な気もしますが。実際僕も含めてメンバー全員が遊びに来てた頃もそんな感じがあったと思うんですね。楽しきゃ客の人数なんて気にしなかったし。そこで勝手に音(と酒)に包まれ、勝手に救われてまた明日の仕事もがんばれる。そんな曲です。

6. 夏のかけら
僕の父方の実家は三重県の海と山しかない本当に小さな漁村なのですが、名古屋から車で2,3時間という距離にもかかわらず、自然が多く、昔ながらの日本の風景が残っている場所なんです。そこに数年前から夏になるとメンバー全員でよく遊びに行くようになったのですが、「朝5時に起きて沖で釣り→昼はそのまま泳ぎ→夕方戻って釣った魚を食べて→疲れ果てて寝る」という、自然に囲まれながら過ごすユル〜い時間のループがココならではの貴重な楽しみとなって、今やnobodyknows+夏の定番休息地となっているんです。それは毎年「今年は行けるかなぁ」という声がメンバー内から出始めると「そろそろ夏だなぁ」と感じてしまうほどです。で、この歌はトラックが完成した時点で「夏の終わり」をテーマにMC陣にパス。すると舞台はおのずと、誰が言うでもなくその漁村に。それぞれが勝手に、大自然の中で童心にかえって遊びまくる中、全員が感じる「夏の終わり」という瞬間。その同じ情景の中で感じた瞬間をそれぞれの視点が描く、という5MCならではの曲になったと思います。ちなみにヘタすぎずウマすぎない口笛は深夜一人っきりで録音。これは本当に寂しかったです。そしてクリスタルボーイの前半パートで登場する「ナ?ミ〜」というフレーズは、名古屋のクラブシーンでカルトな人気を誇るDJ「た〜ちゃんぐ」で、彼が昔シーモネーター(現SEAMO)のユニット「シーモネーション」でラッパーをしていた頃の名パンチラインです。クリスタルが「この部分だけはどうしても"た〜ちゃんぐ"さんにやってもらいたい」と熱望したため実現しました。どうもその頃は「牛丼〜ナ?ミ〜」とかラップしてたようです。それはそれで素敵だと思います。

7. 奇跡に乾杯
g-ton、クリスタルボーイによる「よくある日常」パート2。フックはヤス一番?、曲中クリスタルにカラむ「コワい先輩」をHidden Fish、カウンターでずっとグラスを磨きながら、その一部始終を見かねてツっこむクラブの店員(←弱気)にノリ・ダ・ファンキーシビレサス。そして1stアルバム収録の「熱帯夜」から、いぜん曲とは全く関係なくナンパを繰り返しているクリボウ(マネージャー)。5MC&1DJ+1クリボウ。まさにSigma Sounds Studioオールスターズです。g-tonの実話とクリスタルの実話から、ブレイクの寸劇で「メバエ」PVで立証済みの大根役者ブリをいかんなく発揮、そして最後のシメへの導入→「誰だっけ誰だっけ誰だっけなぁ〜」のラインは正直、録音の時点でズッコケましたが、日本語のラップが産まれて十数年、もう、コレもアリなんじゃないかと(笑)。そしてクリスタルボーイ曰く「g-tonさんのイイ加減さがいい意味で出た」ラストの強引な全員での「乾杯!」まで、とにかく進行するたびに笑いっぱなしの製作でした。ちなみにこの曲は一時シングル候補にまでなったのですが、惜しくも敗退。残念でした。あと、イントロとラストのクリボウのセリフは僕が勝手に書いてクリボウにお願いしたのですが、かなりイヤがりながらも、なぜか録音は一発でOK。...?。何だか様子がおかしい。前作「熱帯夜」の時は何日も録音し直すほどマイクの前でマトモにしゃべれなかったのに...。その後、TVやラジオで流れるアルバムCM用のナレ−ション録りもお願いすると、またしてもイヤがりながら録音ブースに入ると一発でOK。そのテンションもかなり高め。どちらかといえばノリノリ。?。...イヤがるのはフリだけなのか?と感じていた頃、「次のソロ企画はHidden Fishじゃなく、どうやらオレらしいよ。」とクリボウが周囲に(あの声で)フいてるというウワサを街で耳にしました。素敵です。

8. Hello!(Theme from nobodyknows+ pt.14)
エル・ミラドールのイントロなど要所でお世話になっているピアニスト、のりたけ爺さんがスタジオに遊びに来た時「ポップな曲」を作ってみよう、という話になり大まかなラインが決定。その後、ハネたドラム、素直なベース、軽やかなギター等挿入、徹底してポップなトラック像が完成するも、そのかなりのポップさにちょっと危険なニオイがしたため、ラップは敬遠。試行錯誤する中、むやみやたらに「ハロ〜!」を繰り返す無邪気な子供をイメージ→迷わず投入。さらにポップ度120%アップ↑。...やりすぎたか?そこからは「この野郎、こんなになりやがって....タダで済むと思うなよ」とかブツブツ言いながら、札幌在住の友人スティーブに電話。「遊んで欲しがる子供に対する非情な大人の『グッバイ』」をリクエスト→携帯の通話を録音→ポップ度200%ダウン↓。やりました。ようやく(心の)バランスが取れて完成。そしてこのままハロ〜→グッバイな「メバエ」へ!うまい(自画自賛)!

9. メバエ
難関でした(笑)。とても色々な事を考えた曲です。トラックのベーシックな部分はかなり早い時期からできあがっていて、その時の僕のテーマは「春の訪れとともに芽生える新たな感情」でした。その「新たな感情」というのは、春にアリガチなあたらしい生活、友達など、そこから生まれる新しい感情、というイメージだったのですが、リリックをクリスタルボーイ主導、という事でトラックを渡したところ、いつのまにかテーマは「恋愛」へ。好きなんですね、本当に(笑)。んで。「人の恋愛バナシなんて毒にも薬にもならねぇ」が信条の僕は「そのほうが書きやすいなら、いいのかな」くらいの感覚でしたが、膨大な全員のリリックをまとめる際、恒例の「あぁでもないこうでもない」が繰り返され始めると、他の楽曲とは違い、その「人の恋愛」に全く思い入れのない自分としては→興味ゼロ=まとめる気もゼロ(笑)。しかし。コレではイカンと思い直し「コレはラブソングじゃなく、もの凄くメロウな曲」と自分に言い聞かせながら、コーラス倍速、ピッチシフトもフル活用(笑)し、シメ切りギリギリになって全員が納得のいくラインで完成。今思えばシングルカットじゃなければ本当に笑いながら作れた気もしますね。アルバムに収録後、久々に聴き直してみてもとてもよい曲だと思いました。そんなこんなで。「メバエ」のシングルに同時収録されたノリのソロ曲「マグナム今池☆彡」と「Theme from...」にこだわりまくった覚えがあります。「Theme from...」はこれでもか、と言わんばかりに「春」を装い、ノリソロは冒頭の意味深いボイスコラ−ジュ+「メバエ」ネタのメチャクチャな発声練習がそんな葛藤を如実にモノ語っている気がします。まだ聴いてない方はこちらのシングルも是非。

10. エル・ミラドール〜展望台の唄〜
「メバエ」のリリックがクリスタル主導という事で、それとほぼ同時にナシ(=Hidden Fish)主導で始まった一曲。毎日スタジオに来ては「超えたいんですよ、超えたいんですよ」と呪文のように繰り返しながら一生懸命曲のテーマを説明するアフロの相手をするのがいい加減面倒になってきたので、いつものソウルバーで曲のテーマについて全員ミーティング。東京勤務になったハズがなぜかこの店のカウンターで泥酔→ひとりで寝ている「ぴあ」編集ハマ男(ヒューマンビートボックス担当)を横目に、全員ベロベロになりながらもアフロくんの「超えたい」イメージをかなり具体的にとらえ、朝方解散。その結果、後日全員揃っての声録音でピタリと息の合った、全員のイメージ通りの展開に。アッパーな曲調をただのパーティラップに終わらせず、とてもメッセージ性の強いリリックとして完成させる5MC。成長、してますね。「踊らされてんじゃねぇ踊ってんだ」。力強い。ところでタイトルは?と木村さん(A&R)にせかされ、これまたギリギリで思いついたのが「展望台」。先にタイトル決めろよって話ですね。んで、この意味を説明すると、高くそびえ立つ展望台は何の為にあるのか?→眼下に広がる街を眺めて「いい景色だね」と心を癒すタメ?そうじゃなく、この狭い日本で、大小さまざまな建物がひしめきあいながら「オレのほうが高いぜ」だったり「こっちのほうが大きいぜ」とかウダウダやってるのを展望台は「お前らアホか」といつも思ってるワケです。「ココから上、見てみなさい」と、いつもそう言ってるんですね。それがわからないうちは、展望台から降りた途端、ラットレースにまた身を投じるだけなんです。そんな古くからある展望台の気持ち、それが「展望台の唄」なんです。わかってもらえたでしょうか?自分達も忘れがちな事ですね。ただライブなんかで「それでは次の曲、展望台の唄!」とか言っても何だかシックリこないのでスペイン語にしてみました。なぜスペイン?英語だとobservatory。下唇噛んで〜と、日本人には難しい発音。ココは「聞こえ」の問題で。アレナメヒコ→エルサント!

11. マ・ライフ (Theme from nobodyknows+ pt.15)
ラストに向かっての、最後の場面転換を考えました。イメージは個人闘争です。仲間だ、恋人だって言ったところで、産まれてくる時も死ぬ時も人は皆ヒトリなんだよなぁ、って事ですね。そんな事言ったらミもフタもないですが、一人一人、それぞれが色々な事を考えたり、楽しもうとしたりするから仲間ができたり恋人や家族ができたりして、そこからそれ以上の考えや楽しみが生まれる。当たり前の事ですが、こりゃとてもすばらしい事。んで、一度きりしかない人生で、それをもっと増幅させるためには、やっぱり一人一人がもっと考えたり、もっと楽しもうとする事が大切だと思うワケです。それは誰の為でもなく、自分の為に。.....そうすればディープインパクトの単勝オッズもあんな事にはならなかったんだ.....ちくしょう!ナントカ党もあんな事にはならなかった......そりゃまぁいいか。でも、みんな、もっと楽しみながら考えようよ、と。そんな感じかも。何だ「かも」って。政治に口出すとばるぼらがいなくなる!←何言ってんだ!? そんな一人一人に向けて、ラストの「Sweet Soul Music」へ!

12. Sweet Soul Music
「スィートソウル」という響きで、SOUL MUSIC好きの方なら官能的なイメージを、人によってはニュージャージーまで連想する方も少なくないとは思うのですが(←絶対少ない)、ここで言う「Sweet Soul Music」の意味はちょっと違います。それはナニか? 僕らは70年代〜80年代のSoul Musicを今でも聴くとなぜかとても懐かしい、ホロ苦い気持ちになるんですが、その歌の内容のほとんどが「愛」や「愛から生まれる苦しみ」が主だったりするんですね。で、人の色恋沙汰なんて全く興味ないし、その上英語で何を歌っているのかほとんどわからない多くの曲がなぜそんな気持ちにさせるのだろう?と。色々読み書き、考えたワケですよ。するとね、こりゃね、もうアレですよ、やはり「時代背景」しかないんじゃないかと。今から30年以上前のアメリカで、人種差別をはじめとする様々な問題が引き起こした多くの社会的事件がモノ語るように、その「激動」ともいえる時代と共に育ったアメリカの歴史上の産物が、今なお「生きるメッセージ」として、時代を、そして国境を超えて共感されつづけているんじゃないかと。んで。ここからが本題。今の混沌とした時代を生きつつ、その上で発せられた自らのメッセージをCDとして残したnobodyknows+の曲がこの先、何十年か経った後どのようにして聴かれるのか?同じ時代背景を生きる中、僕らの曲を聴いて大切な時間を過してくれている人たちは、その時どんな気持ちでコレを聴くのだろうか?そんな事を考えました。んで、もしその時が来るのであれば「あの頃はよかったねぇ〜」っていう、楽しく、ホロ苦い思い出だけではなく「あの頃はこんな事考えてたなぁ」ってトコまで思い出させたい。どうしても。そして聴き終わった後、今と変わらない前向きな気持ちになっていてほしい、とそう思ったんです。それこそが「時代を超えても生きるメッセージ」=「Sweet Soul Music」である、と。いやぁ偽善者っぽくてイイですね。

さて。曲の方なんですが、まずトラックが完成した時点で「こりゃアルバム用のテーマ(←Theme from nobodyknows+)だな」と決めていました。トラックだけで何かを想像させたいって気持ちが先走ったワケです。言葉が入ると、その「絵」が聴く人全てにハッキリ見えてしまうので「これはパーティソング」「これは恋の歌」など、その「絵」があからさまに決まってしまう。これは至極当然の事なんですが、この曲に対して僕が思う「Sweet Soul Music」というテーマはあまりにも抽象的すぎるのであえて明確な「絵」を避けたかったんです。んが、しかし。一応トライアルって事で、特に何も伝えずトラックをMC5人に渡したところ全員が「Sweet Soul Music」に符合する内容のリリックを持って来たのです。コレにはメンバー全員、ちょっと驚きました。まさに奇跡に乾杯。こうなるともう何も問題はなく録音→完成。過去の自分からここまで生きて来た今の自分への問いかけ、そしてそれらはそのまま未来の自分への問いかけに。「時代を超えるメッセージ」なんじゃないかな、と。

ちなみにこの曲の別バージョン(ブレイクス)が先行シングル「どうよ?」に"Theme from nobodyknows+ pt.12"として収録されています。バーチャルバンドバージョンです。こちらもゼヒ。

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