1. innocent word
2. 以来絶頂-album mix-
3. ススミダス→
4. SUMMER
5. 熱帯夜
6. Theme from nobodyknows pt.9
7. ココロオドル
8. 太陽と少年 featuringダンカン
9. Rash feat.coba
10. understan'?(Theme from nobodyknows pt.0)
11. 二十一世紀旗手-album mix-
12. ポロン2
13. センチメンタル バス
14. slow down
15. 家々〜撰ばれてあることの恍惚と不安とふたつ我にあり〜-album mix-
1. innocent word
ミニアルバム「ススミダス」に収録。製作中の通称は「オッケー狭間」。 もともとインストトラック "Theme from nobodyknows+ pt.6” として制作したんですが、それまでのライブでメンバー6人の自己紹介的な曲が無かった為、ここはひとつ、という事で一人8小節ずつのマイクリレーという構成になりました。 ライブの雰囲気を出したかったので比較的ラフな感じでの録音を終え、そこに全員で「ガヤ」を入れたんですが、ノリ+HIDDEN FISHの二人がやりすぎました。 あいつら。調子良すぎて近所迷惑です。それでも最後のノリの「タメ息」は気に入ってます。

2. 以来絶頂-album mix-
6人になって一番最初に制作した曲。です。が。 この曲が生まれるまでの数週間には壮絶なドラマがありました。というより、そのイキサツが無ければ今のnobodyknows+は存在しなかったと思います。 簡単に言うと「俺、生きててよかったな」です。あえてこれ以上その話には触れませんが、とにかくコレ以来は絶頂で行こう、そんなよくわからない自信と意気込みだけがあったのを覚えています。 あと、このalbum version、既発のシングルバージョンとはちょっと異なっていて、ライブと同じくあのビートから始まります。それがどうしたというワケではないんですが。 まぁ。なんだか。ちょっとアガるじゃないですか。それで、いいじゃないですか。どうなんですか。

3. ススミダス→
テーマはもともと「進み出す」で、HIDDEN FISHとノリの二人のリリックを主導ですすめる予定の曲でしたが、なにげに録音したヤスのバースが飛び抜けて素晴らしく、さらにそれを聴いた他のMCのリリックが同調しはじめた為、フック(サビ)以外は早い段階で完全体に。 ただここまで的を絞ったリリックに対する「最高のフック」が当然のように大きな難関となり、頻繁にスタジオに出入りしていたHIDDEN FISHを捕獲→監禁。 およそ2週間こもってフックを完成させた珠玉の1曲です。 気分が悪くなるぐらいナシ(HIDDEN FISH)の声ばかり聴いていた記憶があります。が。さすが元高校球児。追い込みに耐えぬきました。感動です。一方、ノリはその頃毎日ウドンのことばかり考えて自転車をこいでました。それはそれで、まぁ。素敵です。

4. SUMMER
強行スケジュールが続き、精神的にグッタリしていた頃、息抜きのつもりで作り始めたビーツにシンセを乗せたら、やたら楽しくなってしまい。 いつの間にかトラックが完成してました。ただ、BPMも速く、ラップのるかなぁとか思ったんですが「ま。何とかなるな」ぐらいの感覚で全員に聴かせた覚えがあります。 テーマも「夏」というだけで「そこから外れなきゃなんでもいいよ」とか適当言ってました。 そう。私は疲れていたのです。それに追い打ちをかけるかのようにHIDDEN FISHが見事にテーマズレしたリリックを満面の笑みで披露してくれた時には「あれ?このアフロ誰だっけ」という言葉以外僕には見当たりませんでした。 そう。私は疲れ果てていたのです。しかし。ヤスが「こんなんどうすか?」と持ち込んだ2つのフックが福音を鳴らしました。カコン。 構成を再構築したら一気に完成。サカナくん→ケガの功名。また、隠れキャラとしてg-tonのお母さんにも参加してもらいました。g-tonには内緒で。探してください。

5. 熱帯夜
インディーズ時代にプロデュースしていた「わかば塾(ヤス,Hidden Fish,ノリ)」での1曲として久しぶりに製作。 トラックは「エルサムライ」(わかば塾1st.に収録)の延長で、リリックのテーマは「正義と微笑」(nobody knows 1に収録)のわかば塾バージョン。 クラブでの日常をありのままに表現しながら最後はきっちり落とす、という構成で完成のはずが、なぜか突然心のアクマが誕生。 クラブでナンパといえば●●!の盛り上がりから、偶然スタジオにいたクリボウ(nobodyknows+物販担当)にナレーション参加してもらい、擬似的に●●を歌の中に登場させる事に成功。 と、ここまでは完璧。が。笑ってもらおうとミックス当日まで●●に内緒だったのが裏目に出て、当日デモを聴いた●●がまさかの大激怒。 急遽「ピー音」で名前を隠す、ということで治まったが、その結果、なぜか「●●さん」が「みつさん」に聴こえるようになってしまったという、まさにヌレギヌ系の悲しい一曲。ち。ちなみに●●はメンバーじゃないです。

6. Theme from nobodyknows pt.9
インディーズ時代からほぼ毎回収録されているインストトラックのパート9。 もう、こりゃダンクラです。曲中の子供の声はシングル「以来絶頂」のイントロでもナイスなラップを披露してくれてる、かけるくんとわたるくんです。 かけるくんは小学生になりました。 一応「エンジョイ!」って言ってるんだけど、人によっては「アフロ!」に聴こえるそうです。おさかな応援歌。 稀に「あれ?パート8は?」と思う素敵な人がいるかも知れません。 そう。これまでの順番通りパート8を収録する予定だったんですが、CD1枚分の収録分数をオーバーしたためにお蔵入りしました。 で、急遽作ったのがこのパート9です。危なかったです。全部CCCDのせいです。

7. ココロオドル
アルバムのリード曲という事で "聴いた瞬間、心が踊る" 1曲に。 ギターソロ→タメ(無音)→爆発、で始まる「アタマの10秒」が勝負だったように思います。 そして冒頭のフックから始まり、そのままラストまで一気にたたみかける5MCのマイクリレーはもはや「慌ただしい中学生の射精」というより「落ち着いた大人の射精」にも似た風格すら感じます。射精。 あと。ライブ中、クリスタル(←腰痛)の「shake a body」での勝手な動きが医師の間でも一時問題となりましたが、ノリの「いやぁ、やってみたらアレが結構楽しいんすよねー」というこれまたサルの射精的な一言から全面解禁に。射精。 気をつけてください。あと、ガンダムのエンディングで使われているバージョンは、やっぱ少し速いですね。 気付いた人も多いと思いますが。ミックス終わった段階で「1秒短縮して!」。 色んな事やりましたが無理でした。ムダな部分は1秒たりともありませんでした。 たかが1秒、されど1秒。スゴイ部分で闘ってるなぁ、と改めて実感した1曲でもあります。よし。射精。

8. 太陽と少年 featuringダンカン
自分たちが経験した、懐かしい少年時代の夏休みの回想からスタートして、その夏の情景をゆっくり描きつつ、最後はクリスタルがグイっと今の時代に引き戻すという、男の子なら誰もが共感できる(予定の)1曲。 ヤスとHIDDEN FISHのやりとりもノスタルジックで、途中に飛び出す「家々」のフレーズ(g-ton)もこの曲にガッチリはまってます。 さて。冒頭のナレーションについて「なぜダンカンさんに?」とよく聞かれるのですが、この歌の設定上、どうしても冒頭に懐古的なナレーションを入れたくて、いろいろ試したんですがなかなかイメージと合わなかったんですね。 で、ちょうどその頃PS2の「ぼくの夏休み 2」をものすごく時間をかけながらやっていて、そのゲームのナレーションをされていたダンカンさんがこの曲にもバッチリなんじゃないかと。 早速オファーを出したところ、快諾していただけました。 録音当日に初めてお会いしましたが、ホンノリ酒くさい、本当にイイ人でした。 あ。ちなみにこの曲、ノリが参加してないように思われていますが、ダンカンさんが読み上げるナレーションはノリが書いたモノです。

9. Rash feat.coba
未発表の中に「カラテ」というオルガンネタの曲があり、自分で言うのもなんですが、かなりヨイ曲なんです。 が、コレがサンプリングの許諾等の問題でリリースが難しくなってしまい、だったら弾き直しで生まれ変わらせようと。 その時にまたもダメもとでお願いしたのが、世界的アコーディオニストのcobaさんでした。 実はcobaさんが名古屋に住んでいた頃に通っていたアコーディオン教室の先生とは少ーし面識があり、もうそれは立派なおじいちゃんなんですが、もしcobaさんが無理ならその師匠に!ぐらいの気持ちでいたところ、なんとcobaさんから「コレはいい!一緒にやろう!」と連絡が。 うれしかったですね。その後、長時間に渡るレコーディングを全力で演奏していただき、そのcobaさんの音楽に対するひたむきな姿勢には、心からの感動を覚えました。 そしてその珠玉の、かつ膨大なアコーディオンデータから「秋の夕暮れ」→「草原一面になびくネコジャラシ(たぶんイネ科)」を勝手にイメージ。 3日こもってエディットしまくった結果、インストトラック「狗尾草(エノコログサ)」("ススミダス→"に収録)が完成。 そのトラックを聴いたMC5人によってイメージされた「軽々しさ」「オサレ泥棒」などをキーワードにそれぞれが一気に書き上げ、仕上げのフックは5人が熊本キャンペーンで滞在していたホテルの一室でぐでんぐでんになりながら完成されたという、何かと思い出の多い1曲です。

10. understan'?(Theme from nobodyknows pt.0)
知っている人もいるとは思いますが、もともとnobody knowsは僕とg-tonの2人で始めたユニットで、2人で一番最初に制作したのが"nobody knows 1"に収録されているオリジナルの"understan'?"だったんです。 で、この時のg-tonのリリックが放つ独自の世界観が僕は本当に大好きで、今回の初となるアルバムにはそのg-tonのラインをどうしても入れたかったんです。 で、当時から「トラックが完成した上にイメージされたリリックを後からのせる」という制作過程が多かったんですが、あれから5年経った今、このリリックに対する答えを持ったトラックを イチトラックメイカーとして作ってみよう、と。 いや、久々のタイマソでした。感無量。nobodyknows+としての出発点を再確認しました。そんなわけでサブタイトルのナンバリングも一気に遡って「0」になりました。

11. 二十一世紀旗手-album mix-
シーモネーターとガリガリ亡者をフューチャーしたオリジナルバージョン("nobody knows 2"に収録)が初期からのリスナーの方にはお馴染みだと思います。 ですが。時は経ち、今回収録となるアルバムバージョンはnobodyknows+のMC陣のみによるセルフリミックスとなりました。 大人の世界は色々あるんですね。畜生。しかし。そうそう。思い返せば、まだ別ユニットで活動していたヤス一番?にとって、このオリジナルバージョンが初めてのレコーディングで、「冬が過ぎて...陽のあたるトコまで耐えて行こう」のラインを録音した時に「あ。コレすごいな」と直感したことを 覚えています。 それから4年。旧作を超えるべく後半を再編成し、声、音色等全て録音しなおしましたが、どうでしょう。「前のがイイ」という人もいれば「今回のがイイ」という声も。どちらも満足するまで作ったので、納得してると言えばしてるんですが。 大人の世界は色々あるんですよね。畜生。あ。後半のHIDDEN FISHとノリは新たに書き下ろしてます。ただ「グースカピン」はねぇだろ、って話でしたが、まぁそういう事もある、と。病んでたんだなぁ、とか思います。色々あるんでね。畜生。

12. ポロン2
「ススミダス→」が大方の予想を裏切り(←ニヤリ)、ジワジワと、そしてチャクチャクと売れ続ける中、ライブで訪れた沖縄の街でその「ススミダス→」がよく流れていたんですね。 そんな時、もしこの状況が日本中のいろんな所で起これば「昔お世話になったんだけど、今では疎遠になってしまった人」にも自分達の声が届くんじゃないか、って思ったんです。 例えば小学校の先生。まだ小さい頃、仲が良かったのに親の都合で知らない街に引っ越していった友達。つまらないケンカが原因で別れたままの恋人。希望を、夢を叶えるため遠くへ旅立った友人。などなど。 人との「出会いと別れの繰り返し(←クリスタルボーイ)」が今の自分を形成してるとわかった時、その全ての人にヒトコトお礼が言いたい、と。メンバー全員がそんな気分だったんですね。 そして、この先に出会うたくさんの人達にもその気持ちを伝えたい、と。そんな思いをメンバー全員が心を込めて作った曲が、この「ポロリ」です。ポロリあるよー。ハイ。コレで台無し。 でも。だから。タイトルも「ありがとう」とかのほうが伝わりやすいとは思ったんですよ。ただ。ただね。照れくさいじゃないですか。面と向かって「ありがとう」って。だから「ポロン」で。確かそ んな感じで決まったんだと思います。なぁ。照れるなよ。

13. センチメンタル バス
"nobody knows 3"に収録。テーマは「夕暮れ」「バス」だったと思います。 当時すでにスタれはじめてた2stepを急に作りたくなって、そのまま勢いでやってしまったトラックです。 が、リリックの構成はとても良く出来ていて、その内容は、g-tonが彼女とケンカをしてバス停に向かい、一方クリスタルは夢を叶えるため、彼女と別れてバスに乗り込む。 この別々の出発点から時間の経過をたどって二人が一瞬だけ交差する。 そしてその瞬間の思いもそれぞれのまま、バスは走り続ける。 ひとつの物事に対して、対極的な二人の視点、心情を時間軸に沿って情景豊かに描いた、オリジナルnobody knowsならではの一曲。だと思います。 ってか久々に聴いて、これが真骨頂かも、とか思いました。 あと、この曲を作ってる時、何の脈絡もなく「オレ、バスになりますよ!」ってg-tonが言ってきた時は「あ、こわれた」と思ったんで、聞いてるフリして無視してました。 が。フックの事だとわかって「そりゃ素敵だな」って思いました。ね。

14. slow down
長いですよ、コレは。まず、名古屋で活動しているピアニスト、ノリタケさん(新舞子在住)がウチのスタジオでレコードを聴きながら休憩してた時に、遊びで弾いたエレピがビックリするぐらい調子良かったので即座に録音。 しかし即興という事もあって、あまりにもエディットが困難だった為、後日、本人による弾き直しを依頼したところ「覚えてないよう」と。 流石ヒデキ。やるじゃない。それでも何とかトラックを完成させ、MCへ。 冒頭のみループで、その後はメロが展開しまくる、というHIP HOPらしからぬ曲構成に全員が試行錯誤を繰り返した結果、完成。 長かったアルバム制作の最後にとりかかった曲ということもあって、ここまでの辛かった道のりやそれに対する思いを、それぞれが自分以外のメンバーに送るという「nobodyknows+によるnobodyknows+の為」の一曲になりました。 実際、この頃の僕は毎日曲作って毎日声やら楽器やら録音して(整合性を計る為に)リリックを毎回チェックして、それでも時間が足りず地方ライブも一人でトンボ帰りして寝ずにまたエディットしてっていう生活を、昨年末から休み無く続けていて、5月のGWになって「あ、そういや正月休みもらってない」とか思い出すくらい、本当に病んでいたんです。 さらに僕らは他の多くのメジャーアーティストと違って事務所やプロダクションがなく、東京から離れた名古屋で活動してるってこともあって、自分達でまかなわなければならない事も多くあったんです。 で。リーダーじゃないですか。色んな事を言われるですよ。もうプロデューサーなのかエンジニアなのかトラックメイカーなのかDJなのか、それ以前に人間としてコレで幸せなのかがわからなくなってて。 そこにはもう何かを牽引するだけの余力はこれっぽっちもなくなってて。このアルバムが完成したらもう辞めようと思って「ひとりで釣り堀やりたいから僕の契約、解除してくれないですか」って本気でレコード会社を説得していたんですね。 もう、終わらせる事以外考えられなかったんです。 そんな最中、この曲に5人全ての最終的なリリックが乗って、「よし。コレで終わり。」と。 ところが。そのリリック全てを一通り読み返した時に...。 いやぁ。感動しましたね。本当に。心救われました。この曲に具体的なテーマなんてほぼ無かったですから。なのに揃ってこの内容。 ちょっとした奇跡だなって思いましたよ。nobodyknows+最高だと。僕にとってのnobodyknows+は売れても売れなくっても関係ないですから。 と、そんな思いが詰まったこの曲は、当初シングルでって話もあったんですがヤハリちょっと違うと。 これだけの道のりがあって初めて聴ける、僕らにとってこのアルバムの中にしか入れる事のできない、かけがえのない一曲なんです。ね。

15. 家々〜撰ばれてあることの恍惚と不安とふたつ我にあり〜-album mix-
オリジナルnobody knowsのメジャーデビューミニアルバム"nobody knows 3"の、いわゆるタテ曲。 当時僕らはどうでもよかったんですが、やはりラップをのせている以上"HIP HOP ユニット"として周りを認識させたほうがヨイ(つまり売りやすい)って言われてたんですが、頑に拒否。 で。メジャーデビュー1発目がロービートで4つ打ちのハウス。売れるわけないよ、って本当によく言われましたね。 で、やっぱりそんなに売れなかったですね、このミニアルバムは(笑)。 しかーし。しかしですよ。今回のこのアルバムを締めくくるにはこの曲以外なくないですか? このアルバムでの収録曲順を考えた時、15曲全てを一枚ずつレコードバッグに入れたとして、DJプレイをしたらどの順番でかけるだろうと。 そうしたら間違いなく「家々」がラストになるんですね、オレ流だと。 そんなわけで栄えあるラストに決定しました。思えば「どうですか、こんなのは?」的アプローチだった曲が、時間の経過とともに「わかったかコノヤロー!」的な曲に生まれ変わったという、先見の明があるのかないのかもウヤムヤにさせる、いわば霊感商法的な1曲。 ですね。リリックも"センチメンタル バス"同様、一つの物事に対してg-tonの恍惚感とクリスタルの不安感が真ん中で交錯してて、やはりこれもオリジナルのnobody knowsにしかできなかった表現だったなぁとか思います。あと「さくら」に人気が集中しているクリスタルボーイですが、この曲中の「出会いと別れくり返して...君をこの手に抱きしめ」のラインが僕の中では最高のクリ節です。 あ、まーたコイツいい事言った!言いやがったよう!ってなりますから。 で最後はg-tonが酒でごまかすと。この絶妙なバランス感は6人になってからも続いてますね。一応、大切にしてます。一応。ですけどね。