Mass Alert × 堀江貴文「崖っぷち人生相談所」|結果対談

Mass Alert (以下、M) 「僕が文化人にすごく憧れていて、会ってみたい方の一人が堀江さんでした。そこで、僕のシングル『ただ弱いだけじゃなくて僕らは…』のリリースを記念したネットお悩み相談企画『崖っぷち人生相談所』に、お声掛けさせていただきました」
堀江貴文 (以下、堀江) 「はい」
M 「ということで、一緒に企画をさせていただいております! それでは、よろしくお願いします!」
堀江 「よろしくお願いします」
M 「5/5〜19まで、皆さんのお悩みをテーマ別に募集しましたが、たくさんのご応募、ありがとうございました。そのお悩みを基に、堀江さんに、解決法なのか、それともビシッと鋭い一言なのか、を頂きたいと思っております。それではさっそくテーマごとに見て行きたいと思います」
【恋愛編】
★「お悩み1:彼氏がいますが、毎日ケンカばかりしています。ケンカしたくないのに、波長が合わない時期が来ると必ず言い合いになります。どうしたら上手く行くのでしょうか?? みんなケンカはするものなのですか?(20歳/女性)」
M 「どうですか、そんなにケンカはなさらないほうですか?」
堀江 「ケンカ、しますね」
M 「溜めずに、言っちゃいます?」
堀江 「全然溜めないですね。だから周りが大変だと思います」
M 「ですよね(笑)」
堀江 「カップルでも別々の人なんだから、絶対に波長が合わない時期はあるでしょう。そこで溜めるか溜めないか、じゃないですか?」
M 「でも、言い争いをしたくないんじゃないですかね?」
堀江 「言い争いしたくない人ってどうなるかっていうと、そのまま自分の中にずーっと溜めて溜めて溜めて…バーン!って爆発する人もいるし、自分が崩壊しちゃう人もいるし。程度の差はあれど、だいたいどっちかになるんですよ。爆発して『もう別れる! ふざけんな!』って思いつめて、刺しちゃったりする人とかいるんで」
M 「maxそこまで行ってしまう、と」
堀江 「一番いいのは、ちょっとでもイヤなことがあったら軽く言っていくこと」
M 「ジャブをずっと打ち続ける、みたいな」
堀江 「そうですね。でもジャブを打たれるのもイヤだっていう人もいますよね」
M 「いると思いますけどね。男子には特に」
堀江 「だけど、それは相手も同じ性格だったら大丈夫ですよ。彼氏がいて、毎日ケンカしてて、彼氏も溜めないでどんどん言う人だったら、いいんじゃないですか? 相手にずっと溜められて鬱みたいになっちゃったらイヤなので、やり合うっていう」
M 「やり合うのは避けられないことだ、と」
堀江 「だけど大事なのは、次の日になったらサッパリ忘れること。引きずらない」
M 「引きずらないコツってあるんですか?」
堀江 「忘れる(笑)」
M 「いいですね、その感じ(笑)」
堀江 「そうじゃないとやってけないと思うんですよね。それか、ほんとによっぽど性格の合う人といるか、ですよね。ただ、そういう人にはなかなか出会えないですから、安易な道を歩むか、運命の人に出会うまでずっと独身を貫くか…」
M 「それもなかなかパンチが効いた生き方ですよね(笑)」
堀江 「それはそれで寂しいじゃないですか。だから、そのへんにいる“まあまあ気が合うかな”みたいな人と付き合ったりするわけじゃないですか、人間って。だから、(ケンカするのは)しょうがないんじゃないですかね? 絶対我慢しないで、忘れるしかない」
M 「我慢しないで、忘れるスキルを身につけるっていう」
堀江 「まあ人生全体の中で言えば、たいしたことないんですから」
M 「世界から見たら、ちっぽけな話ですよね」
堀江 「ちっぽけな話ですよ。爆弾テロとかね、そういうのに比べたらケンカなんて全然ちっこい問題ですよ。当人はおそらく“世界の終わり”みたいな気持ちになってるんでしょうけど」
M 「波長が合わない時は必ず来る。溜めずにジャブを打ち続けて、イヤことがあったら忘れる努力をする、と」
堀江 「そう、すぐ忘れる」
M 「僕もできないんですけど、頑張りたいと思います」

★「お悩み2:とっても悩んでいることでメールしました。好きな人がいますが、、、年齢が気になってアタックできません。相手は8歳年下の方です。同じジムに通っていてそこで知り合いました。ご飯に行くようになって、共通の趣味もあり楽しく話せますがそこから前に進めません。知り合って2年になります。彼女がいるのかも怖くて聞けません。まず何をしたらいいのでしょうか??(33歳/女性)」
堀江 「“知り合って二年になります。彼女がいるかも怖くて聞けません。”…なんじゃこりゃ? 33歳、相手は25歳。だって、ご飯行ってるんでしょ? 共通の趣味もあるんでしょ? もう付き合ってるようなもんじゃないですか、これ?」
M 「(笑)。でもなんかこう、彼氏がいるか聞けない、夢が崩れるというか…。」
堀江 「俺、彼女がいてもいいっすよ、別に」
M 「(笑)。ゴールに行けないじゃないですか?」
堀江 「行けるじゃないですか、別に。『俺が彼氏になるから』って。『別れろよ』でもいいし、まあ別れなくても自然とこっちに来るって、思えばいいんじゃないですか。ダメなんですか? 独占欲が強いんですか?」
M 「僕はちょっとダメですね…。独占欲なんですかね?」
堀江 「でも、2年も何も進めないっておかしいって! 何やってんの!? もう、ご飯に行ったら付き合ってるようなもんでしょ」
M 「でも、悩んでらっしゃいますよ?」
堀江 「だから、ご飯行ってて、共通の趣味もあったら、付きあうでしょ」
M 「まあ、付き合ってると言ってもいいぐらいの…」
堀江 「いや、付き合ってるって!」
M 「これ、付き合ってるんですか?(笑)」
堀江 「付き合ってます(笑)」
M 「『私の彼氏ですよね?』っていう確証の一言が欲しいんじゃないですか、女性の方って」
堀江 「それがおかしいんだよ。そんなのどうだっていいじゃん。25歳と33歳、もう大人なんだからさ。出会ってもう2年になって、ご飯に行くし共通の趣味もあって楽しく話すんだったら、もう付き合ってるようなもんじゃないですか? 同じジムに通っていて、ねえ? 運動が好きなんでしょう、どうせ」
M 「一緒に汗をかくことが好きなんでしょうね。でも『前に進めません。まず何をしたらいいでしょうか?』っていう。このままでいいんですかね」
堀江 「とりえあえずは、いいんじゃないですか。前に進むもなにも…でも男も男だよね、何やってんの、こいつ?絶対この25歳男子は、年上好きだよ。絶対そう! 俺は年下好きだったから、全然行ったことがない。だからこの男性は、年上好きであなたのことが好きなんだけど、たぶんそいつもいろいろ考えてるんだと思う。それは年上がリードしないと」
M 「なるほど。それいいですね。年上がリードしてください!」
堀江 「2年もうじうじすんなって!(笑) サクッと切り替えないと。だってさ、31歳の時に知り合ってるわけでしょ? 相手23歳でしょ? こうやって悩んでるうちに35歳になりアラフォーになり、余計に動けなくなりますよ」
M 「だからもう、早く、根性を出して切り拓く。年上なんですからリードしてください!と。ありがとうございます」
【お金編】
★「お悩み1:僕は、20歳になったばかりの学生です。10代・20代のうちにお金を貯めるといっても、そうは、簡単に溜まらないのが現実です。大人になってから、ビッグビジネスができるようになった堀江さんの10代・20代の時のお金の貯め方を参考までに教えてほしいです。(20歳/男性)」
堀江 「僕、金貯めたことないんですよね」
M 「貯めようと思って貯まっていたわけじゃない、ってことですか?」
堀江 「そうですね。僕はあったらすぐ遣っちゃうんで。僕が20歳のころはバイトしてて金があって、車をすぐ買っちゃいましたね。競馬とかやってましたからね」
M 「(お金を)それは無くしに行くようなもんじゃないんですか?(笑)」
堀江 「結構、無くなりましたね」
M 「この方の場合、車を買えるに至るまでのお金の貯め方がわからない、ということだと思うんですが…」
堀江 「車を買ったお金は、バイトにハマってたら、いつの間にか貯まってたんです」
M 「バイトに“ハマって”た…? そんなことがあるんですか?」
堀江 「僕、すぐハマるんですよ、いろんなことに」
M 「どんなバイトだったんですか?」
堀江 「車買った時は、PC・パソコン通信の会社にいたんです。いろんなことをやってたんですよ、ビデオを作ったりとか、当時は珍しかったデスクトップビデオ編集とか、Macの展示会とか。仕事がおもしろくてしょうがなかったので、ずーと仕事をしてたんですよ」
M 「じゃあ、自分が興味のある、ハマるようなことをバイトにしたらいいってことですかね?」
堀江 「そういうことになりますかね。その前にバイクを買った時は、夏の間ずっと塾の講師をやってたんですよ。一夏でバイク一台分稼いだんです。ビッグビジネスをやるために金を遣う、というよりは、単純に目先の物に遣っちゃうんですよね。そうするとまたお金がなくなるので、またお金を稼がなくちゃいけないんで、また何かを考える、っていうサイクルですね。まあ、20歳なら若いし体力あるし、なんでもやれるんで」
M 「なるほど。ま、好きなことをやるためにはやっぱり働くことが必要である、ということですか?」
堀江 「そうですね。僕結構バイトをぱんぱん変えて、いろんなバイトをやりましたよ」
M 「20歳なら何でもできるんで、いろんなバイトをやって、いろんな経験を今のうちに。」
堀江 「楽しそうなバイトにできるだけシフトしていくっていう」
M 「自分が将来やりたいことに向かって選んでいくのもいいかも、っていうことですかね?」
堀江 「僕は、バイト先で知り合った人に新しいバイトを紹介してもらってどんどん広げていく、みたいなことをやってましたね。」
M 「何でもできるんで、とりあえず頑張ろう!と」
堀江 「いろんな仕事に行けばいいんじゃないですか?」
★「お悩み2:私は就職活動を昨年8月から始めて、現在まで就職できず、貯金も底を尽き始めております。(26歳/男性)」
堀江 「今までは何をやってたんですかね?」
M 「何かきっかけがあったのかもしれないですけど…」
堀江 「俺は、選り好みしてるだけのような気がしますけどね」
M 「堀江さんだったらどうですか? 今25〜26歳で、大学卒業してから時間が空いてて、そろそろ始めなきゃ、働きたいな、みたいになるじゃないですか。(仕事を)選ばないですか? もう、とりあえず、っていう感じですか?」
堀江 「僕なんかは、日雇いとかやっちゃいますけどね」
M 「でも、期間雇用って不安じゃないですか?」
堀江 「僕はあんまりこう、安定したいと思ったことがなくて」
M 「ああ〜その概念がもう既に…」
堀江 「そうなんですよ。僕は20、21歳ぐらいが一番そういう生活をしてたんですけど、一応学生でしたけどあんまり学校行ってなかったし。」
M 「僕は、就職決まらなかったりしたら、不安になってくると思うんですよね」
堀江 「僕も、安定というよりは、真面目にならなきゃな、とは思っていました。競馬とバイトだけだとさすがにマズいかなと思って、僕は定期的なバイトを始めました。コンピューター関連の会社で、でも、時給は980円でしたよ」
M 「安いですね」
堀江 「結構安いでしょ? 週5回行って、時給980円で、平均8時間働いてもだいたい、月に12万円ぐらい。まあ、十分かなと」
M 「いや、でも…職には就きたいですよ!」
堀江 「それがよくわからないんですよ。12万円でとりあえず生活できるじゃないですか。僕は1年間それをやって、そうしたら若干時給が上がって1,050円になったんですよ。でもさすがに少ないなと思って、俺も経験を積んだし、いろいろとやらせてもらえるようになって、忘れてたプログラミングとかも思い出してきて、そこそこできるようになったんで、ちょっとステップアップしようと思ったんです。また大学のバイト求人票を見たら、近所に時給1,200円のところがあって勤務内容も似てたんで、そこに行って面接したら『いくらでも働いていい』って言われて。僕はその会社の“バイト第一号”だったんですよ。一日12時間とか働いて、収入がいきなり20万超えたんですよ。そしたら時給も上がって。ほんとに仕事が楽しかったんでやってたら、『お前、わりと小回り利くね』と言われて、新規事業を一緒に立ち上げたりもするようになって。一バイトなんですけど、フットワーク軽くやっていたら社内のいろんな人に気に入られて、『お前、大晦日にこんなバイトがあるけど一緒に来るか?』とか、全部それをやってたら、最後、月50万とかになって」
M 「すげえ稼ぎですね(笑)」
堀江 「どんだけ残業やってんの? みたいな感じになって、時給も1,500円とか1,600円ぐらいまで上がったのかな。白色の確定申告とかしてましたもん」
M 「すごいっすね」
堀江 「いきなり就職って、ハードル高くないですか?」
M 「そう言われてみるとそうですね」
堀江 「僕はいきなり時給が高いところに行って成功したわけじゃなくて、時給980円の、社員10人ぐらいのところに行って、言ってみれば、めっちゃ零細企業じゃないですか? そこでバイトから始めてステップアップして、2年目はもっと時給高いところに移籍して、そこで2年間ぐらいやって『俺、稼げるな』と思って、営業もやらせてもらって、『俺、営業もできるわ』と思って、自分で会社を作ったんですよ。そうしたら月給100万円になったんですよ、会社を作ってから。それからずっとそれを下回ったことがなくて。…ていうことなんで、いきなり就職っていうのがハードル高いんじゃないですか?」
M 「大きな会社の正社員だけがすべてじゃない、と。身近なところから始めたほうがいい」
堀江 「ちっちゃな会社のバイトから始めてスキルアップして行くっていうほうが、自然なのかなと思います。そりゃ貯金も尽きますよね」
M 「そりゃそうですね、そればっかり狙ってたら」
堀江 「いい譬えがあって、僕旅行する時って昔よく、ヒッチハイクをしてたんですよ。でも、友達と僕とでやり方が違ってたんです。僕が思うヒッチハイクのいいやり方って、高速エリアのパーキングエリアに入って行って、そこで止まってる車に声を掛けるのが一番なんですよ。段ボール紙かなんかに行き先を書いて立ってるのがよくありますけど、それはまず、車を止めるのにまず一苦労ですよね。止まってる車を狙ったほうが早いに決まってるじゃないですか」
M 「なるほど!」
堀江 「未だにそれをやってない奴がいて、馬鹿だなと思ってたんですけど(笑)」
M 「僕は高校生の時に、『福岡』って書いて立ってましたよ(笑)」
堀江 「(笑)。パーキングエリアに行って10台ぐらいに声を掛ければ絶対に乗せてくれますから」
M 「うゎ〜そうだ〜!」
堀江 「そこでもう一個、工夫するんです。例えば、東京から大阪に行く車ってほとんどいないんですよ。いないに決まってるじゃないですか、そんな長距離」
M 「そうっすよね、あんまりいないですよね」
堀江 「確率はすごい低いわけですよ。だけど、例えば、東京から静岡まで行くっていう車は結構いるんです。近いから。『どこまで行きますか?』って訊いて、『富士まで行くよ』って言われたら、富士まで行って、また富士で近所まで行く車を狙って、例えば『浜名湖まで行きます』とかいう車を狙って、行ってたんです」
M 「いきなりでかいのを狙わずに」
堀江 「だから僕は何も考えずに、とにかく次のパーキングエリアまで行く車がいたら、乗っけてもらってたんですよ。いきなり大阪まで行く車を狙うと、1時間とか2時間掛かるんですよ。更に、同じ車にずっと乗ってたら眠くなるじゃないですか」
M 「それもデメリットですよね」
堀江 「同じ人とずっとしゃべってるのもダルいんで、どんどん変えて行ったほうが楽しいかなって。10台ぐらい乗り継いで大阪まで行ってました。いきなり大物を狙おうとするから時間が掛かるんですよ」
M 「なるほど。すごいっす!」
堀江 「近所にいくらでもチャンスってあるんですよ」
M 「まずは、目の前のできることを始めてみる、と。」
堀江 「ですね。バイトから始めましょう」
M 「バイトから始めましょう、ですか。ありがとうございます!」
【社会編】
★「お悩み1:社内いじめに遭いました。初めてです。仕事は営業をしていて歩合制です。成績は中の上くらいで、大していい成績ではありません。トップならまだしも、自分がいじめられる理由がわかりません。今までみんなで飲みに行ったりしていたのに、全く誘われず、さけられています。ちょっと辛いですが、妻も身重なので転職の勇気もありません。耐えるしかないのでしょうか?(32歳/男性)」
堀江 「どうなんですかね? 僕も、いじめとかあんまりよくわかんないんですよね」
M 「僕も、今郵便局には勤めてますけど、そういう感じじゃないので、堀江さんは会社をやられてた時、こういうことに悩んでいる部下がいた、とか聞いたことなかったですか?」
堀江 「あんまりないですね。若い会社だったからかな? 営業で歩合制で中の上…まあ、そこそこじゃないですか。そんなんで社内いじめに遭うんですかね? まあ、気にしないいのが一番いいっすけどね」
M 「(笑)」
堀江 「飲みに行けないぐらいでしょ?」
M 「誘われないのは気にしないほうがいい、ですか? いやでも、ツラいっすよ。」
堀江 「『なんで?』って言えばいいんじゃないですか? でも、それは言えないんだよね?」
M 「言えないからこその、悩みなんじゃないですか?」
堀江 「狭い組織だと、たぶん、誰か一人“声が大きい”奴がいて、そいつの『あいつムカツクよね』っていう話に皆が同調して起こるんですよ。だけど絶対に自分の味方っているはずなんですよ」
M 「その、同調してる人の中に、ですか?」
堀江 「はい。いじめの構造って、すごく力が強くて“声がでかい”奴が自分のことをイヤだって言ってるっていうことなんですよ。で、『なんかあの人かわいそうだよね』って思ってる人もいるんですよ。でも、これは両方とも少数派なんですよ」
M 「なるほど」
堀江 「ほかの人は何かっていうと、『どうでもいい』と思ってるんですよ。別に他人のことだからどうでもいいや、ってほとんどの人が思ってる。大事なのは、いじめっていうのはそういう構造であることを知ることと、学校や会社だけが世界じゃないってことを知ること、その二つなんですよ」
M 「なるほど」
堀江 「僕は結構、日本社会の中でいじめられた経験があるからわかるんですけど…(笑)」
M 「(笑)」
堀江 「要は、僕を応援してくれる人もすごいいるんですよ。どうでもいいと思ってる人もものすごく多くいて、これが一番のマジョリティーなんですけど。“声が大きくて、いじめる人”も、多くいるように見えるけれども実は数は少ないんですよ。って思うと、納得するというか。ただ、会社の中だとたぶん、部署内的には何十人しかとかいないわけでしょ? そうすると、自分の会社のすべての人が自分のことを嫌ってるって思うんでしょうけど」
M 「思いがちですよね」
堀江 「思いがちだけど、実はそんなことないんです。だからたぶん解決策は、まずは外の人とのコミュニケーションを取るようにするっていうこと。今はmixiとか、ソーシャルネットワーキングサービスとかがあるので、そこで自分の趣味のサークルに入ってみるとかして、外の世界との交流を広めてみる、とかね。それがまず一つ。会社の中で過ごす時間を“薄める”っていうか」
M 「ここだけが世界じゃない、というか」
堀江 「もう一つは、自分のことを擁護してくれる人は絶対にいるんで、そういう人を探す。例えば少人数で誰かと営業に行く時とかに、『俺、皆に避けられてるっぽいけど、どうなの?』ってちょっと喋ってみるぐらいはやってみたほうがいいと思う。そうするとだいたい、誰がいじめの首謀者かってわかるでしょ?」
M 「声がでかい奴ですよね」
堀江 「ただ追随してるだけだな、みたいな人と仲良しになってみるとか」
M 「なるほど。結構手はありますね」
堀江 「…まあ、僕がこういう状況になったらキレますけどね」
M 「(笑)。めっちゃいいこと散々言っておいて、ご自分はキレるんですか?(笑)」
堀江 「僕はキレて、いじめてる奴に突っかかって行きますね。『ていうかさ、お前なんで俺と飲みに行ってくれねえの?』って取っ組み合いのケンカをします。僕はそうやって生きてきました」
M 「それが最終手段かもしれないですね。大事なことは、外の人とのコミュニケーションを取ってみて、“薄めて”みる、と。あとは、自分のことを守ってくれる人もいるはずだから探してみる、と。そういうことですね?」
堀江 「はい」
★「お悩み2:どーもー! 人生に悩んでいる22歳です。今北海道に住んでいて、ゲーム会社で働いています。東京に出た友達からチャンスがあるという話をよく聞きます。僕は北海道でもチャンスはある!と信じているのですが、やはり、東京の方がいいのか最近悩み始めました…堀江さん、Mass Alertさんはどう思われますか?(22歳/男性)」
堀江 「では、この東京の話の相談に答えましょうか。長崎から上京してきたMass Alertくんと、福岡から上京してきた僕ですから」
M 「そうですね、九州から上京してきた2人ですので。22歳男性。どうですかね? 僕は東京に出たらなんとかなる、と思って出て来た側なので」
堀江 「僕もそうですけどね。僕は18歳で出てきましたけどね」
M 「僕は23歳で出て来たんですけど」
堀江 「結構、遅いよね?」
M 「その頃の僕は別にチャンスをつかもうとも思ってなかったんで」
堀江 「あ、そうなんですか? でもね、結構北海道の人ってコンサバティブ(保守的)なんですよ。26〜27歳とかで上京してくる人もいるんですよね。『え〜!?』みたいな」
M 「『遅せえだろ』ってことですか? まあ、そこで出てくるぐらいならもうちょっと早く来とけよっていうのは絶対ありますよね」
堀江 「そういうおっとり系の人が結構多いんですよ」
M 「だから、彼も今22歳で悩んでいますけど」
堀江 「チャンスはそりゃ東京の方が多いでしょう、人が多いんだから」
M 「人が多いからチャンスが多い。この方は出て来て、どうなりたいんですかね?」
堀江 「チャンスをつかみたいんでしょうね。ビッグになりたいんじゃないですか?」
M 「ビッグになりたいならば、東京に」
堀江 「まあ、考え方にもよるんですけど、実際チャンスは、そりゃ人がいっぱい集まってるところの方が多いに決まってますよね。確率的には。チャンスに出会える確率は人と人とのコミュニケーションの密度の濃さというか、出会いっていうのがあるから」
M 「そうですよね、出会いですよね」
堀江 「今は、『ネット上でも出会えるから(上京しなくてもよいのでは?)』ということを(相談者の方は)おっしゃりたいんだと思うんですけど、やっぱりそれは、リアルに出会ったほうが話は早いですよね」
M 「出会いってすごいですよね。僕も人との出会いで音楽を始めて、ここまで来たんで」
堀江 「でしょ? だからやっぱり東京にいた方がいいですよね。」
M 「『ビッグになりたいならすぐに出てこいよ!』って感じですか? 出会いがあるから」
堀江 「ですね〜。北海道でもチャンスがあるのはたしかですけど、確率は普通に低いですよね。人がいっぱいいる効果っていうのは(足し算ではなく)倍、倍の“乗数”で効いてくるので、確率的に言うと、10分の1の人口だったら10分の1かっていうとそんなことはなくて、たぶん100分の1とか。人口比以上に効いてきますから。なので、人がいっぱい集まってるところにいたほうがいいと思いますね」
M 「この北海道の彼に、東京に出て来る上でのアドバイス、予備準備を言えたらお願いします」
堀江 「ないでしょう。来てみて考える、みたいな(笑)。友達のとこに転がり込んだり」
M 「裸一貫で今すぐ出て来てくれ、と。」
【まとめ】
M 「いっぱい答えていただきました。ありがとうございました!」
堀江 「ありがとうございました」
M 「ヒッチハイクの話からなにから、勉強になることがありました。あと、僕が勢いで出て来たことが正解だったと知れてうれしかったです(笑)。今回の企画の感想があったら…」
堀江 「これ、おもしろいですね。僕人生相談って結構好きなんですよ。昔、リリー・フランキーさんとも人生相談企画をやってたんですよ。リリーさんの人生相談はすごくレベルが高いので、人生のことも本質的なことも話してくれるんだけど、笑いもしっかり取るっていう、相当レベルが高くて僕なんてあんまり口を挟める余地がないぐらい完成度が高いんですよ。あれが僕の目標なんで」
M 「じゃあ、僕も目標にします(笑)。」