ピエール瀧 PRESENTS 7HOURS DELUXE

2003.10.10 (FRI) ,@LIQUIDROOM, SHINJUKU
02:20 AM
早くも当日最大の目玉、瀧ライヴ・アワー。
当日限定で結成されたスペシャル・バンド「ピエール瀧とベートーベン」の登場を前にして、スクリーンには「楽聖」の肖像が浮かび上がる。<7HOURS>決定後、瀧がまず最初に企画したのが、この生バンによるライヴだったという。メンバー構成は……

公私共に親交の深いギター・ベートーベン=ブラボー小松
かつてのバンド仲間、シンセサイザー・ベートーベン=砂原良徳
石野卓球の推薦によるベース・ベートーベン=ジニームラサキ(アンドロイド69)
砂原と同郷同学年、小松の推薦によるドラム・ベートーベン=吉村由加(DMBQ)

……という鉄壁の布陣。
この実力派揃いのベートーベンによるステージは、名前の通り「運命」から始まったのは言うまでもない。新解釈による「♪ジャジャジャジャーン」な演奏が終わる頃、袖からシルクハットをかぶった瀧が悠然と登場。
タキシード&蝶ネクタイを素肌にまとった姿は、シド・ヴィシャス@ラスベガス・ヒルトンを彷彿……させないビール腹が象徴的である。
以降のセットは、以下の通り。

オールナイトロング
俺が畳だ! 殿様だ!
ちょうちょ
さびしがりやの瀧
バカ正則
元祖・力医師
キラーポマト
モテたくて・・・(Featuring 天久聖一)
富士山
ガリガリ君


ご覧の通り、まさに人生〜電気グルーヴを通して「瀧=瀧」というワン&オンリーな存在感を全面に押しだした傑作……つーかバカ曲ばかり。
まず前半、特筆すべきは人生時代のソロ作「さみしがりやの瀧」!
この曲はマジ泣けた。コアな人生ファンにもほとんど知られていないレア中のレア・トラック。「♪鼻からパイプ〜鼻パイプ〜」というバカ曲が、入念にアレンジされた演奏によって崇高に聞こえてしまうところがスリラー。
しかし最高の見せ場は、なんと言っても「元祖・力医師」以降の後半メドレー。
打ち込みのシーケンスをバックに叩きだすマン・マシンなドラム。官能あふれる唸りをあげるグルーヴィなベース。
かき鳴らすリフが耳の中をのたうち回るギター。ベートーベンヅラがズレるのをこらえる砂原の狂い弾きシンセ……。
ベートーベンによる電気レパートリーの生演奏ヴァージョンは、まさに圧巻の一言だった。
そして何より――その圧倒的なセッションを導く瀧の絶対性!
観客はただ忘我して、聴き踊るしか道はない。
なんだか、観て(聴いて)はいけない世界の領域に、うっかり足を踏み入れてしまったような70分。いやぁ、マジ濃かった!
濃すぎて、そのあと腹を下したくらいにヘヴィなステージ……
その閉幕のBGMは、もちろん「第九」の調べである。











03:30 AM
電気グルーヴ「誰だ!」「ドリルキング社歌2001」PV放映。 ちなみにこの頃、電気グルーヴ・マネージャー道下の携帯に、ヨーロッパ・ツアーでドイツ滞在中の石野卓球から国際電話が入る。どうやら、ベートーベンの演奏が気になったご様子で……ほんと仲間思いな奴だよなぁ。


2/3