「沖永良部島って沖縄じゃないの?」と、驚かれるときがある。そう、沖永良部は、鹿児島県の奄美郡島の一島なのだ。しかし、鹿児島本土から約550km(船で18時間)、沖縄本島までは60km(船で沖縄北部まで5時間)と沖縄のほうに距離が近く、琉球文化も色濃く残っているため、鹿児島と沖縄の両文化のよさを取り入れたハイブリッドな島である。
周囲55.8kmの小さな島は、温暖な気候と高い山がなく、ハブがいないことも手伝って、花卉産業が盛んなため海岸線ギリギリまで赤土の農地で、「花のすぐ向こうには海」の風景が特徴的。作られた景色ではない、すっぴんさが初めて訪れた人でさえ懐かしさを感じる土地だ。 海の青・空の青 静寂・暗闇・星空・月明かり 潮騒・鳥の声・風の音・薫る緑 何かあったら三線片手に唄が始まり、何もなくても唄をうたう。まるでしゃべるように唄が生活にある。それを日常とする大らかで心優しい素朴な島人たち。他の南西諸島の島人からも「沖永良部の人はよく働く」と言われていてその島民性は、幕末時、西郷隆盛の流刑地であり、彼は牢屋の中から「敬天愛人」の思想を説いた。その教えを受け継いだ温かくまじめな働き者が多いとのこと。そんなハートフルな島人が沖永良部最大の魅力である。大山百合香に対する愛情もとても厚く、町内放送で百合香の曲が何度も流れ、いたるところにポスターがあり、祝いの横断幕も飾られた。町が主催の毎年恒例の夏祭りに凱旋野外ライブを行ったとき、仕掛け花火で作られた「百合香 我が島の誇り」という言葉が暗闇に浮かび、まるで我が子に寄せるかのような祝福の拍手があった。 島が育んだ百合香の歌は、島の活力となるセンセーションでもあるのだ。
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