INTRODUCTION
99年5月31日午後1時30分、白金台のSony Musicにおいて、小室哲哉さんのニューレーベル TRUE KiSS DiSCに関する記者会見が、プロデューサーの小室哲哉さん(以下TK)、Sony Music社長 丸山茂雄、Sony Music専務取締役 五藤宏の同席のもと行われました。

まずは、巨大スクリーンでTRUE KiSS DiSCの活動方針および所属アーティストが紹介されました。おのおののアーティスト紹介の他に、Fankmaster FlexやDe La Soul,Kenny "Dope" GonzaらTRUE KiSS DESTiNATiONに関わったN.Y.アーティストたちのメッセージも。そして…

TM NETWORK
そして、TM NETWORKがこのレーベルで活動をはじめることを発表!詳しくはホームページをご覧ください!


CONVENTION
壇上にSony Music社長 丸山茂雄、Sony Music専務取締役 五藤宏、そしてプロデューサーのTKが登場。丸山社長からTKとSony Musicの関係について述べられたあと、ふたたびTKと組んでTRUE KiSS DiSCレーベルを本格的に始動させることが発表されました。

MESSAGE FROM TK
TK「鈴木あみを筆頭にTRUE KiSS DESTiNATiONなども含め、まだまだ新しいサウンドに対する自分のパーソナルな欲求もあって、このレーベルの中で(みなさんにも)自由に楽しんでもらいたいと思います。
TM NETWORKに関してはいまがちょうどいい時期じゃないかと考え、(残りの)2人にも相談したら『このレーベルだったらぜひやりたい』ということになり、実際に始めることにしました。
さらには、こういった自分のプロデュースだけでなく、他にももっとセルフプロデュースのできるアーティストや、海外のアーティストなども受け入れるレーベルにしたいです。
また、Sony MusicおよびSONYのテクノロジーによるワールドワイドな協力の部分には、僕自身も大変期待していますし、デジタル配信というのもすごく話題になっており、アーティスト=プロデューサーとして僕は、正直言ってそのへんもやってみたい、と考えてます。
ただし、配信といっても、そういう販売形態を取りたいというわけではなく、プロモーションツールとして使った場合の、ユーザーの方のレスポンスの早さに非常に魅力を感じています。実際、10月からSONYではMusic Linkというものを始められるということなので、そのへんからはじめてみようとは思っています。
準備段階も含めて、いろんなことがとてもいい形で始まってきています。なにかすごくエポックメイキングなことができるんじゃないかと期待していますし、僕もクリエイターとしてさらに頑張っていきたいですね」(要約)


MESSAGE FROM Sony Music
丸山「昨今の音楽ビジネスというのは、スピードと新しいテクノロジーというものが必要な時代に来ています。もちろん、もっとプリミティヴで小さな"曲ひとつ"というところで進んでいく音楽ビジネスもある、というのはわかっていますが、あえて、この新しいレーベルでは、スピードと技術、そして我々全体のパワーで引っ張っていきたいと考えています」(要約)

その後、五藤専務より各プロダクトの詳細な説明がありました。


QUESTION
デジタル配信への取り組みとおっしゃいましたが、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのでしょうか?(日経エンタテインメント!さまの質問)

TK「CSのスカイパーフェクTVで、Music Linkというデジタル配信をSONYさんが正式にスタートさせるということで、そちらで始めるつもりです。
当然、インターネット配信という言葉のほうが世の中には広まっているのですが、インターネットには、さまざまな権利の問題やプロテクトの問題があります。インターネットのサイトをプロモーションとして使うことは今後もありますが、ちゃんとしたデジタル配信、音楽の配信という意味では、Music Linkが最初になるのではないかと思います。半分以上実験という形になるでしょうが、衛星からダウンロードして音楽を聴くということが初めて具体的になるんじゃないか、と。
また、DVDなども、今後はかなり積極的に情報をいろいろ入手して、いい形で発表していきたいですね」


QUESTION
TM NETWORKは、期間限定ではなく、恒久的なグループ活動として捉えていいんでしょうか?なぜTMNではなくTM NETWORKなんですか?(TOWER RECORDS bounce編集部さまの質問)

TK「半永久…というわけではないですが、しっかりとした形でシングルをリリースし、オリジナル・アルバムをきちんと作ろうということまでは3人で話が済んでいます。また、現在のシーンに対する80sのバンド〜BOOWYやTM NETWORKなど〜からの影響って大きいと思っているのですが、そんな影響力を持つTM NETWORKという言葉を大事にしたいので、TMNではなくTM NETWORKにしました」


QUESTION

TRUE KiSS DESTiNATIONの今後と、TM NETWORKとの差別化について。(CDデータ編集部さまの質問)

TK「TRUE KiSS DESTiNATiONは、自分のクリエイティヴ・マインドでの一番尖った部分、もっとも最先端の部分の音を作ってみたいという欲求からはじまったプロジェクトで、N.Y.のヒップホップアーティストやラッパーなどとののつながりやコラボレーションをもてる音づくりを大事にするユニットです。
今年になってからR &Bが日本でもカルチャーとして根付き始めたということもあり、去年の夏からN.Y.で自分なりにリサーチしてきて、そういった(N.Y.と)いちばん近い距離にあるユニットだと考えています。
実際、すでに複数のヒップホップやR&Bのアーティストとのコラボレーションは進んでいますので、それがクラブやアナログ盤として流行りそうな気配は自分でも感じています。

TM NETWORKは80年代から2000年までの時間軸を楽しんでみたい、逆にTRUE KiSS DESTiNATiONは、オンタイムなネットワーク、向こうのレアな音とのつながりを確かめるプロジェクトで、自分の中ではずいぶん違う役割です」


QUESTION
TRUE KiSS DESTiNATiONや鈴木あみなど、本当にさまざまなアーティストが所属していますが、ファッションやスタイルは、どういったコンセプトでプロデュースしていこうとお考えなんでしょうか?

TK「ここ何年かは、アメリカのカルチャーが日本の若者に大きな影響を与えていると思います。ですが、日本独自のものは現場の若者たちがいろいろアレンジして創るものですので、「いまアメリカではこうなってるよ」というのを、僕がうまく通訳して紹介していければいいと考えています」



1999 (C) Sony Music Entertainment (Japan), Inc.