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年末パーティー・レポート

1996.12.23(MON)
REEL UP - SUPER X'MAS '96
@THE GARDEN HALL / YEBISU
FLYER
TIME TABLE
KEN ISHIISUBLIME RECORDSがオーガナイズを務めてきて、常に最高のDJ陣をゲストとして迎えてきたパーティー、"REEL UP"。
今回は10月のCLUB ASIAでの熱狂も冷めやらぬその2ヶ月後である12/23に開催された。

当日は休日で翌24日は平日という中、通常のパーティーよりも早めの時間にスタートし、オープン前には会場の恵比寿ザ・ガーデン・ホールの前には長蛇の列が出来ていた。
詰めかけたクラウドの数は2,000を超え、12時前後には入場規制も行われた模様。

エントランスから通りかかる広いラウンジでは、この日の特徴とも言える女性DJを起用したリラックスできる空間がある。しかしこのスペースが、後に疲れたクラウド達が休憩するための力のないスペースになってしまったのは少々残念だった。

メンンフロアの方では、前回のREEL UPにも出演し昨年あたりからテクノのみならず各方面から話題になっているMOODMANMC L?K?Oからスタート。オープニングを飾るにふさわしい雰囲気のあるプレイを披露。

続くはPHIL FREE。最近はめっきりハッピー色も薄れ、よりシリアスな方向に転換した彼のプレイは今後も要チェックだ。

3番手は、REEL UPに登場するのは今回が初めてとなるTOMO。彼がSUBLIME系のパーティーに出演するのはめずらしいわけだが、彼自身のパーティー"X-tra"ではこれまでWADA、YAMAなどが何度も出演していることを考えるとこれはごく自然な流れと言える。TOMOは持ち前のアッパーな選曲でフロアーを一気に沸かせていた。

そこで登場したのが、この日来た多くの人たちにとって目玉の一つだった石野卓球
彼の人気ぶりは本当にスゴイ。
そしてその人気に負けない的を得た選曲とテクニックを伴ったプレイは、真の実力派と言えるものだろう。

そして23:30頃、早々とKEN ISHIIが登場した。
人と違った選曲を試みている彼のプレイはいつ見てもワクワクするものだ。
懐かしい曲を、ノスタルジックではなく別の切り口で聴かせてくれて、新鮮な感覚を与えてくれる。

ここまでで既にフロアーの加熱ぶりは頂点に達しようとしていたが、そこへDOCTOR Y.S.ことYOSHIHIRO SAWASAKIのライブ。彼のロック魂溢れるアグレッシブなプレイとパーフォマンスに見とれた人も多かっただろう。

ライブからうまくシフトした形でFORCEのDrum'n'Bassがさらに続く。
最近のDrum'n'Bass人気は異常とも思えるくらいで、97年のシーンを盛り立てることになるのはほぼ間違いないだろう。
FORCEが主催しているパーティー"RHYTHM FREAKS"も、絶好調のようだ。

2時手前になる頃、このパーティーを、いや東京のテクノ・シーンを支えているとも言えるSUBLIME RECORDSのYAMAが登場した。
アダルトな選曲で人気の彼は、この日も渋くかつハイパーなプレイが冴えまくっていた。

続いて96年テクノ・シーンの新人賞とも言える若手アーティストDJ SHUFFLEMASTERが登場。
そのファンキー&ミニマルなプレイは着実に人気を得るようになってきている。
彼も今後のシーンを担うことになるに違いない。

さらに東京ナンバー1DJと評価され、キャリア/実力ともに文句ナシの大ベテランDJ WADA
「自分はあくまでもクラブDJ」というスタンスにこだわる彼のプレイは「いぶし銀」とも評価されており、そのツボを心得た選曲でパーティーはフィナーレへ。

ラストは説明不要のFUMIYA TANAKA
この時には疲れきっていた休憩していたクラウドたちも一気にフロアに詰めかけ、残る力を全て発揮してそのハード・ミニマルなプレイに酔いしれていた。

一通りのプレイが終了し、アンコールの声が響く会場の中、再びKEN ISHIIが登場。
寡黙な印象のある彼はこの時めずらしくマイクを手にし、フロアーに向かって挨拶した。

「REEL UPもここまで来れて嬉しいです。」
そして彼を様々な面でバックアップしてきたSUBLIMEの山崎学氏(YAMA)を感謝の意を込めて紹介した。
最後に少し照れの入った声で
「メリークリスマス」
と言い、1曲プレイ。
何とかけたのはMINISTRYだった。
彼のルーツにあるこのインダストリアルな音は、MINISTRYを知らない若い世代にも衝撃を与え、MINISTRYを知る者たちにとっては狂喜させるものとなった。
事実YOSHIHIRO SAWASAKIの盛り上がり様はここで画像でお見せできないのが残念な程。

その暴力的な音が鳴り止むと静かに森山良子のクリスマス・ソングが流れ出し、その長い夜の幕を閉じたのだった。


1997 (C) SONY RECORDS, a group of Sony Music Entertainment (Japan) Inc.

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