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年末パーティー・レポート


1996.12.31(TUE)
EXTRA LARGE
@THE GARDEN HALL / YEBISU

FLYER

TIME TABLE

ORIGINAL T-SHIRTS DESIGN

96年の終りと97年の始まりを飾るにふさわしい年内最大規模のインドア・パーティー。
それがこの
EXTRA LARGEだった。

出演陣も日本のテクノ・シーンを代表するDJ/アーティストが総出演という超豪華なもの。
年末のこういったテクノ・パーティーも、年を追うごとに巨大化していっている。
かつての状況ならLIQUID ROOMで行われるのが妥当なようなものだったが、今となってはLIQUID ROOMだけでは収容しきれない規模にまでこのシーンは発展していっている。
その事実だけでも十分エキサイティングなことだ。

会場は23日にREEL UPが開催されたのと同じ恵比寿ザ・ガーデン・ホール
ただしこの日はREEL UPでは使われなかったガーデン・ルームもオープンし、3,000人は軽く収容できるようなスペースを用意していた。
フライヤーのデザインを担当したのは、KEN ISHIIEXTRAのビデオ・クリップを手懸け、映画「MEMORIES」での美しくも残酷な映像が記憶に新しい森本晃司氏によるもの。
これらの要素がパーティー開催前から否応なしにそのムードを高めていた。

オープニングはDJ FORCEのDrum'n'Bassからスタートしたのだが、最近の彼を中心としたシーンの盛り上がりを反映すべく、いきなりフロアーは大爆発。
続くKIHIRAYAMAのプレイでもそこはすでに十分エネルギッシュな空間となっていた。
そしてヨーロッパでのツアーを成功に収めてきた日本が誇るユニット、SUBVOICEがライブを披露。
ヒット曲"SUV07"を交えたパーフォーマンスは見るに値する本当に素晴しいものだった。
普段滅多に目にすることのない彼らのライブを堪能したことで、この日に価値を見い出した人たちも多かっただろう。

ライブが計算された時間で終了すると、カウントダウン
SUBVOICEが作ったJEFF MILLSの"CHANGE OF LIFE"っぽいピアノ・ブレイクをバックにYOSHIHIRO SAWASAKIがMCを務め秒読み開始!
ゼロをカウントするとフロアー後方から爆音と共に銀のテープが飛び出て、一面はストロボの集中照射によって真っ白に輝いた。

ドラマティックな演出で迎えた新年の第一発めのDJはWADAHAPPY NEW YEAR!の声があちこちでこだまする中、FLAREによるCO-FUSIONへのアンサー・ソングでスタート。

カウントダウンから少し時間を置いた30分後には、それまでクローズされていたサブ・フロアーの「ガーデン・ルーム」もオープン
ここの熱気がすごかった。
MCを絡めたFORCESAWASAKIのコンビネーション・プレイでスタート。
まるで日本を感じさせないノリで、ブースがフロアーと接近した位置に設置されてる分、DJとクラウドのダイレクトなコール&レスポンス。
RAINBOW 2000の時のCOSMIC GROUNDを彷彿とさせるノリだった。

ガーデン・ホールの方ではSHUFFLEMASTER、続いてロンドンからのゲストTIM TAYLORがプレイ。
TIMはMIX-UP3でも収録されている"PLANET ROCK"でスタートし、少々ヒップなノリのものから得意のハード・ミニマルなものへと展開。

そこを次いでKUNIの登場
96年のテクノ・シーンを語る上で忘れられないサイケデリック・テクノそのシーンをリードしてきたとも言える存在がKUNI率いるTOKYO TEKNO TRIBEだ。
KUNIは最初少しミニマルなトラックをプレイした後TTTの真骨頂とも言えるSUPER Gをプレイし、そのこだわりの選曲と独特の踊りでクラウドを魅了しつつ、同じTTTからのライブ・ユニットGENSHI+CHARMへと繋ぐ。

一方のガーデン・ルームでは、SHINKAWAがハードでアッパーなNU-ERGでフロアーを絶叫の渦に叩き込んでいる。
その大仰なブレイクごとにフロアーの隅から隅までもが天高く手をかざしていた。
そこに続いたQ'HEYのプレイは何と懐かしのインディーダンス/ニューウェーブもの
PRIMAL SCREAM"LOADED"からスタートし、SHAMENNEW ORDERなどが飛び出し、UNDERWORLD"REZ"から"COWGIRL"に繋げるあたりはクラウドも大喜び。
まさにこのお祭りに適した選曲だったと言えよう。

続くHYPER CUBE JUNIORのライブはTB303を3台駆使したハード・アシッド!
そしてKIHIRAのロック魂溢れるプレイでガーデン・ルームはフィニッシュ

その頃ガーデン・ホールではTOMOX-TRAでお馴染みなアッパーな選曲で盛り立て、PHIL FREEが少しBPM遅めのハード・トラックをプレイ。
ラストYO-Cは、最後を飾るにふさわしい相変わらずハッピーなプレイでパーティーは終了

全体を通してみると、早くから熱気にあふれていた分終了近くになるとフロアーに疲れが見え出していた感があったが、このパーティーが96年のテクノ・シーンをある意味総決算した重要なものだったと言えることは間違いないだろう。

これで97年のシーンも楽しみになったというものだ。


1997 (C) SONY RECORDS, a group of Sony Music Entertainment (Japan) Inc.

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