KEN ISHII TALKS ABOUT "SLEEPING MADNESS"

前作「Metal Blue America」から18ヶ月を経て、遂にケンイシイの新作Sleeping Madnessが5月21日リリースされます。NYからDJ スプーキー、ロンドンからはタルヴィン・シンが参加するなど、更にグローバルな活動が押し進められる中で完成したこのSleeping Madnessについてケンイシイ本人に語ってもらいました。

 

遂にリリースされる新作Sleeping Madnessですが、まずこのタイトルが持つ意味、またそれに関連してこのアルバムが全体としてもつテーマのようなものがあったら教えて下さい。

僕が元々「美しい」とか「かっこいい」と感じるものって、常に相反する二面性を持ったものだったりして...例えば表面的には普通に綺麗だったりしてもちょっと一枚剥がしてみるとそこに刺々しいものがあったり、或いは理解し難いようなものが見えたりするものにひかれる部分が自分にあって、音楽をつくる上でもパッと聴いた感じが聴きやすいものであっても、その裏でかなり実験的なことをやっていたり、若しくは別の神経に刺激するというような事がやりたいなと思っていて、またその影のような部分がいつ目覚めるのかわからない感じを今回タイトルにしてみたいと思ったんです。アルバムのテーマというか、内容的にはこれまでアルバム毎にチャレンジのようなものがあったんだけど、今回はそれらを一旦振り返ってみつつ自分にとって今一番ナチュラルなものを再確認した上で、それに何が新しいものとして加えられるだろうかという意味で、例えばコラボレーションを通して自分を違った角度から見たりして、自分にとってあくまで自然なかたちで新しいものを付加するという試みといったものになっています。

では今回参加しているDJ スプーキーやタルヴィン・シンとの共同作業というのもケンイシイさんにとってはまったく自然な流れだったということですね。

そうですね。前作「Metal Blue America」ではその時点で自分が興味持っていた様々なことを一度にやってみたという感じだったんだけど、Sleeping Madnessでは更に一歩進めて自分で制御できない部分、それは自分以外の人間のアイデアであったりもしくはミディ制御されない、つまりライブな演奏であったりするんだけど、そういったものを取り入れてみたいという考えがあって、実はアルバムに収録されているもの以外にもいくつかのコラボレーション作業は行ったんだけど、自分のナチュラルなものを見つけ出していくためにという意味もあって、また日常的に一緒にスタジオに入って和気あいあいとする中で出てくるひらめきみたいなものをつかみたいなと思った部分もあって...。

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