-アルバム全体についてなんだけど、以前インタビューさせてもらった時に、アルバムの構成みたいなもののアイデアがあるといった話を聞いたと思うんだけど、実際このアルバムはその頭の中の構成にあわせてそれぞれの楽曲を当てはめていったの?

N:いや、最初は確かにアルバムとしてのイメージをもってレコーディングに入って行ったんだけど、実際レコーディングを行っていると、そのイメージが1枚のCDという枠では納まりきれないという感じがしてきたんです。それにやはり1曲1曲を作り上げている時にはその曲に入っていっちゃうんで、実際には出来上がった楽曲をアルバムのかたちにまとめていくという作業が伴いましたね。

-じゃあ逆に言うと今回のアルバムにブンブンサテライツのすべてが凝縮されている訳ではないということかな?

N:そうですね。もちろん今回の作品は作品として自分達のやりたいことを表現できていると思いますが、正直言ってやりたいことってまだまだいっぱいあるんですよ。それらは今だったらやろうと思えば全部できちゃう。自分達のテンション的にはそれくらいいい状態だと思うんです。けどそのやりたいことを1枚のアルバムに納めるなんて到底無理だとわかって...。

-そのやり残したという部分がきっと今後の作品に反映してくると思うんだけど、具体的に言うとそれは例えばどんなものかな?

N:ひとつにはもっとトリップ感をもったものですね。

-それは「LIMBO」のようなダブっぽい感じを押し進めたものという意味?

N:いいえ、「LIMBO」なんかはサウンド的なトリップ感ですよね。それはもちろん僕らの好きなものなんだけど、僕のここでの「トリップ感」というのはもっと気持ち的なもので、例えば曲の尺的にもかなり長めのもので単調なリズムが少しづつ展開していくような、それに僕らのテイストを取り入れたものなんかがやってみたい気はします。

-さっきの話じゃないけどアコースティックなものとかは?

N:ひとつにはあります。けどやるんだったら勿論安易にはやりたくないから時間をかけて作っていきたいですけどね。

-川島くんはアコースティック・ギター持ってたっけ?

K:今は持っていないですね。けどアコースティックはやりたいし、かなり練習が必要だけど、それをやってでもトライしていきたいですね。

-さて、最初の方でもちらっと話に出てきたけど、10月にまたUKツアーがあるんだよね。8月にもV98に出演したり、それに続けてオランダやベルギーのフェスにも出演してた訳だけど、ヨーロッパでのオーディエンスの反応はどう?

N:まだ僕らはそんなに知名度のあるバンドじゃないし、従って僕らのライブをを初めて体験する人も多いんですけど、一旦ライブを始めると反応はイイですね。

-イギリスに関して言うとフェスを入れるともう5回目くらいになるし、マンチェスターとかの地方都市も次で2回目になるからそろそろ手ごたえみたいなものが出てくるとイイね。

N:そうですね。けどイギリスは日本に比べるとシングル盤はそんなに売れる国じゃなくて、アルバム勝負みたいなところがあるんで、実際の手ごたえというのは来年ヨーロッパでアルバムが出てからになるでしょうね。

-じゃあヨーロッパではその間リリースはないの?

N:いえ、「PUSH EJECT」はヨーロッパでももう出る頃だと思います。

-それはリミックスなんかも入ってる?

N:いえ、今回はラジオ・エディットとかが収録される予定です。

-前回の「7 IGNITIONS」のときブンブンサテライツとしては初めてリミックスされたんだよね。これまでは他のアーチストのリミックスをする方の立場だった訳だけど、リミックスされた自分たちの曲に対する感想は?

N:実はリミックスされたものには全然関心がないんですよ(笑)。リミックスされるとその曲は、もう自分の手からは完全に離れちゃいますから。アーチストとしてはビート・ミート・マニフェストもデプス・チャージもオプティカルも好きなんだけど...。ただ意外だったのはどのリミックスも思っていた以上に原形をとどめていたってことですね。最近のリミックスって、もう「オレの作品だ」的なものが多いじゃないですか。その割には原形をとどめているものが多かったなと...。

-じゃあそろそろ時間も来ちゃったみたいなので、これからまたUKのツアーもあって忙しいと思いますが、がんばってください。