-さて、今回の「OUT LOUD」を聞かせてもらって、自分の印象としてはこれまでのロック的なアプローチとともにジャズ的なアプーローチを強く感じたんだけど、それは作者であるふたりの意図したもの?

N:いえ、僕らにとってジャズというのは以前から根底にあったものだし、例えば「4 A Moment Of Silence」などはジャズ的なアプローチの作品だと思っています。だから今回のアルバムにそういうジャズ的な要素が入っているのはごく自然な流れですね。トランペットの音なんかも、吹いてくれたのは以前からの知り合いでかつて一緒に遊びで曲を作ったりもしていた人だし。僕らのサウンドは例えばロックのコード感だけでは表現しきれないものだし、そこをジャズ的なアプローチで埋めていってる感じですね。

-じゃぁ今後のライブで管楽器を入れたりするアイデアもあるの?

N:そこは今いろいろと考えているところなんです。僕らは今のところライブは日本よりイギリスやヨーロッパの方が中心ですし、そうなるとプレーヤーのスケジュールの調整なんかもかなり難しいんで...。逆にその部分を全く違った音にしてライブでは違ったアプローチのものにすることも考えています。

-なるほど。ライブといえばさっきちょっと話にも出たけどこの夏にはヨーロッパでいくつかのフェスティヴァルに出演したよね。自分達以外に面白かったライブはあった?

N:スピリチュアライズドが面白かったですね。まぁステージングよりももっぱらサウンド面でのことだけど。ああいう感じのサウンドはブンブンサテライツ以前にも自分で作っていたりしたので、単純に聴いていて気持ち良かったです。あとはゴールディーなんかも面白かったですね。

K:僕はPJハーヴェイが印象的でしたね。ああいうアグレッシブなアコースティック・サウンドは好きです。

-さて、アルバムの1曲目「MISSING NOTE」では美しいコーラスが入ってるけど、これは川島くんひとりの声なの?

N:そうです。川島のヴォーカルをオーバーダブしてつくりました。

-今回ヴォーカル・トラックは「PUSH EJECT」と「ONENESS」の2曲なんだけど、詞という点では他にも作りためているものなんかはあったの?

K:そうですね。いままで作ってきたテーマでつくっているものもあるし、さらに今後そのテーマを広げて書いていきたいという考えもありますね。

-ラストの「ON THE PAINTED DESERT」ではストリングスが効果的に使われているんだけど、このアレンジは二人のアイデアも取り入れながらという感じだったのかな?

N:そうですね。最初ベーストラックに僕の方でシンセでラインのアイデアを入れておいて、それをもとにしてアレンジしてもらいました。

-個人的にはこのストリングスの音が高域はもちろん、中低域の音もきれいですごく心地よくて印象的だったんだけど...。

N:音域的にも余裕をもたせてベーストラックをつくっていたので、低い弦の音もすんなり出たんだと思います。

-ストリングスのせいもあるのかもしれないけど、この曲はちょっと現代音楽的な感じがするね。

N:そうですか?実はこの曲の基本のコード進行は中学生の頃に作っていたものなんです。

-えっ!中学生!?

N:そんな複雑なトラックじゃないですよ。(笑) 初めてシンセ買った頃って、面白がって単純な2コードの繰り返しにベースを動かして行ったりとかするじゃないですか。そんな感じで作ってたものです。

-その初めて買ったシンセって何だったの?

N:DX100ってヤツです。あれはベースのプリセット音がよくて、デリック・メイとかも使ってましたよね。