ウエストバム:

ウェストバムこと西のアフリカ・バンバータは、ヨーロッパ最大のテクノ・フェスティヴァル<LOVE PARADE>が行われているベルリンで80年代初頭からDJをはじめている。85年には自分のレーベル、LOW SPIRITを設立。翌年にはドイツで初のハウス・パーティーをスタートさせてジャーマン・アシッド・ハウスを先導していった。その後は、91年にレーベル主催の大規模なレイヴ・パーティー<MAYDAY>をはじめ、当時ヨーロッパを中心に起こったレイヴ・ブームと同時進行して盛り上がりをみせていった。ここからはドイツでNO.1の女性テクノDJ、マルーシャなどのスターを輩出しており、ここ最近ではカール・コックス、マーシャル・ジェファーソン、そして石野卓球など世界の実力派DJもプレイしている。このようにウェストバムはドイツ・テクノを語る上で絶対に欠かすことのできない存在なのである。そしてこの度、初めて日本発売となる彼の最新アルバム『We'll Never Stop Living This Way』(BMGビクター)や石野卓球が企画監修した新DJ MIXシリーズ『DJF 125-ELECTRO MIXED by WESTBAM』(ソニー)によって彼の偉大なる活動の歴史が明らかになることだろう。

DJF 125
ELECTRO MIXED by WESTBAM
SONY SRCS8539 \2,548
石野卓球の新DJ MIXシリーズ。第1弾の案内役はジャーマン・アシッド・ハウスの父、ウェストバムによるノンストップ・エレクトロ・ミックス。ニール・ランドストラム、ジョーイ・ベルトラムからジョン・ライドン&アフリカ・バムバータによる幻のナンバーまで聴ける。

WESTBAM/
We'll Never Stop Living This Way
BMG 74321 53029 2
音楽活動15年以上のキャリアを持つウエストバムの最新アルバム。なによりもアルバムのタイトルがこの作品のすべてを物語っている。エレクトロを基調に、ハウスあり、テクノあり、ガバあり、D'N'Bありのジャーマン・クラブ・シーンの生き証人が体験した音群が満載。
●『DJF(世界DJ同盟)』のコンセプトについて
「もし僕の『DJF』に名前をつけるとしたら2つのグルーヴによる1つの世界(One Nation under two Groove)にするよ。というのは、2つの正反対とされるリズムを1つにするというコンセプトのもとに僕はミックスしているから。ディスコ、ハウス、テクノそしてガバといった感じのフロアー向けの4つ打ちリズムがある一方でエレクトロ、トリップ・ホップ、ドラムンベースがある。全く別のリズムがお互いを強調し合うんだ。
また、フロアー向けのリズムって、ただ踊り狂うエクスタシーから生まれる開放感のためだと僕は思うんだよね。それはディスコから始まり、いや、そのずっと前から原始人が火を囲んで踊ってたのが始まりなんだよ。オフ・ビートがどんどん出てくるにつれて、みんな歴史に名が残るようにとか、シリアスにとか、ストーリー的になってきたと僕は感じている。それはドラムンベースがシリアスなメッセージになってしまっていることからも分かるよね。まあ、ともかく僕にとってDJするということは、音楽の限界を取り除くことなんだ。そしてそれによって音楽の普遍的なメッセージを解りやすくすること。もちろん音楽を単にエンジョイすることもできるしね。2つのターンテーブルの上で2つのコンセプトの音が融合するのが最高だな。
考えれば考えるほどDJって、音楽的なものじゃなくて社交的なものなんだ。DJは「人」に「音楽」を伝えるだけじゃなくって、「音楽」に「人」を伝える存在であるべきなんだ。音楽を通して人と人とを結びつけるのと同時に、人を通して音と音を結びつける存在。『DJF』のコンセプトはDJをDJと結びつけるものだと僕は解釈しているんだ。ノンストップ・ミックスのDJミュージックに何でも取り入れれば、ポップカルチャーのハッピーな感じを伝えていく。それが永遠に続くんだ」

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Takkyu Ishino
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