2004.10.26[18:39] 木馬の3B 桜井秀俊
「初恋のいた場所」
D       E7   G     D
日差しのようにあなたは やってきたのです
D      E7   G       D
微笑みながらわたしを 照らしていったのです
Am     G   Gm7      D
生まれて初めて海を 見た子供のように
D      E7   G    D
立ちつくしていたあの 初恋の来た道で
F#m      Bm
あなたでなければ
  E7      A
みんなと一緒に行き過ぎた
F#7     Bm
愛したときから
  E7      A  A7
みんなと別れてひとりきり
  D    G
あれが私のはじまりでした
 A      E A
今もぼんやり陽のあたる
 D     G  A     D
ほら あそこです 初恋のいた場所は
 D   G  A     D
今も忘れない 初恋のいた場所は

  パワーが…圧倒的にパワーが足りないこの楽曲を、細々と…ささやくように細々と歌う坂本先生。ちなみに皆さん、弾き語りの際には最後の行の「今も」ははっきりと「いばぼ」と発音してください。いわずもがなですか。いや、老婆心。
 しかしながらこのテーマ曲の頼りなさのお陰で、周囲の教師陣や3B生徒達が一層輝きを増しているという皮肉。この一人歩き感、たまりません。ここまでの段階に突入できたら、“北の国から”や“ふぞろいの林檎達”に並ぶ一生かけての大河ドラマになり得る可能性を、我らが“3年B組金八先生”は有しておる、こんこつはもはや何人たりとも否定できもはん。
 六合の村や仲屋酒店(現在はコンビニ)同様、桜中学って、実在するよね。藤子・F・不二雄描くところのパラレルワールドにね。あるよね。絶対。
 いやー、返す返すも今年の3B、大豊作ですわ。
 林檎達に全く引けをとらない、役と自身の一体化と申しましょうか、ハマり役が集団となったときのド迫力。火野正平似の彼(未だに名前が判明せず。当分、火野で行かせてください…)は当然、一生あのイメージでしょ。柳沢慎吾さんが一生、西寺実なように。断言。
 シリーズは現在第二話を終えたばかり。だのに何故…次回予告では早くもゲームコンビのメガネが、ヤク食って口から泡吹いてました。いくらなんでも飛ばしすぎですよ小山内先生!
 今後表に出てくるか否かは不明ですが、私、3B’s(ダンスチーム)のリーダー格、最後部席中央に座る長身の男子が気になって気になって。何故か。顔が、立ち姿が、どことなくデビュー当時のピート・タウンゼントに似てるから。マイ神様、ピートの乗り移った少年よ。そのダンスのキレと躍動感を生かして、リッケンバッカーをハイワットでガツーンと鳴らしてはくれまいか。ハマるって!無理ですか。
 火野しかりピートしかり、僕は彼らに‘60年代後半から’70年代の若者達が放っていたあの、飛びぬけたヤバさを感じています。ひしひしと。でもそれは明らかにかつてあったエネルギーとは異質の、まったく新しい何か…。そいつを探し当てる旅が、オレの金八第七シリーズ。今の僕はアムロの内側に眠る“ニュータイプ”を密かに感じ取って恐れの感情を抱いたブライト・ノアに他ならないのです。例え、通じてますか?
 予言します。
 彼らが20代を迎える2010年代、日本の芸能界は激震、各分野で数々の名作・名演が生まれるでしょう。今年の夏よりアツかった、あの‘70年代のように。
 ああ、ピート君。俺には聞こえる。君を呼ぶリッケンバッカーのフィードバックが!

2004.10.19[00:36] 来週のOTのラジオに 長嶋有
今、「ながら試験勉強」みたいに、小説をたらたら直しながら、OTこと奥田民生さんのラジオ(J-WAVE)聞いていたんですが、翌週のゲストは、なんと桜井さんじゃないですか!
楽しみです。僕、なんと、10月30日の広島市民球場、いくんですよ! 外野席だけど、いいんだー。グローブも持って行って、ファウルボールキャッチするんだー(えぇっ)。

先月のロックなロゼッタガーデンも「最前列で」みて、ライブレポでもしようかなあと思っていたのですが、夏に遊びすぎたツケが押し寄せて、締め切り地獄です。

今も、どこかの編集担当者がここみてたら、「なにBBSになんか書き込んでんすか長嶋さん!(尻上がりに声大きくなる)」本気で怒られそうな感じです。
でもたぶん、僕の担当編集、誰もここチェックしてないよ。浅間が噴火したときだって心配のメール一つ寄越さなかったんだから(まだいう)。

いや、ロックなロゼッタ、まさに「落雷秀俊」って感じでした! またやってください。折しもみうらじゅんさんの新刊「アイデン&ティティ32」読んだところで、(漫画と直接の関係はないけど)池田貴族さんのCD探そうと思っていたところだっただけに、タイムリーな曲もありましたね。

ああ、ライブはいいなライブはいいな。いくばかりでなくて、三味線もギター弾き語りも美声も踊りもない僕も、なんかやりたいなと思います。

思ってるうちに、トークライブってのもあるじゃないか、と思い付きました。年末に、テレビゲームに関するコラム本を出版するのですが、それに併せて、画面をみただけで爆笑物、感心物のテレビゲームを延々プレイして紹介する「ゲームソムリエ」というイベントを思い付いてます。……誰もこないかなあ。

そうそう、金八先生のゲームもあるんだよ。大森巡査も本人が出てきます。タイトル画面でスタートボタンを押さずにいると、金八(本人)の説教が肉声できける。
「いいですか、皆さん。人という字をみてください…」
その説教途中でスタートボタンを押すと、「おい、なんだよー!人がせっかく話してるのに、なぁーーん!」とすねる金八ボイスをきけます。
…そういうのを延々紹介していく不毛なイベント。こないか。暇ならきてよ桜井さん。

テレビ放送、次回はチェックしてみますわ。

2004.10.17[02:50] KINPACHI IS BACK! 桜井秀俊
 ゆうべ金八みた?
 スタートスペシャル、題して「金八が帰ってきた」。私にとって金八とは義務ですから。労働・納税・教育・金八ですから。当然、時間前にはご飯もおフロも済ませてビール片手に臨戦態勢よ。
 とはいえ、これは近年著しい金八っつぁんの枯れ方によるところが大きいのですが、正直言って内容にはあまり期待しておりませんでした。現在レッツゴー好々爺状態の坂本先生に、二十数名に及ぶ真剣十代をねじ伏せるパワーが有るとはとても思えず、ビール片手の臨戦態勢を取りつつも、ビデオを回すという二の手は打たなかったのです。
 これがオイラ、とんだていたらくでした。
 凄いよ今回の金八は!否、今回も、ですか。
 確かに金八っつぁんは枯れの一途を辿っとります。しかし、んなこたー脚本の小山内先生や制作スタッフの皆々様の方が百も二百も承知だったとです。その上で先生方がとった策は至ってシンプル。すなわち、
 “だったら周りで盛り上げる”
 なにはともあれ3Bの生徒達、はっきり言って狂ってます。とにかく踊りっぱなしのジャニーズ軍団や、ずーっと拡声器でアナウンスしている男や、絶対にゲーム機を放さない2人組等々…、例を挙げればキリのないThis is 餓鬼共。金八置いてけぼりなのに、なぜかエンターテインメントし続けている120分間。
 中でもひときわ光を放っていた、教室中央席を陣取るあの、火野正平似の、あの生徒…名前なんつーの!?ああ、返す返すもしっかりビデオに録っとけば…!やっぱ義務じゃダメだよ。権利だよ。俺は、俺たちは、金八を楽しむ権利を行使するのさ。すべきなのさ!
 反省します。次回からは必ずビデオを…。そしてご報告いたします。今年の3Bが、いかに可能性に満ち溢れた子供たちで構成されているかを。
 新シリーズ、大森巡査の登場シーンは、かっこよすぎて身震いしました。何を隠そう、俺は大森巡査のサインを持っとります。何を隠そう、自分のデザインしたTシャツに書いてもらったのだ。神様、この発言がどうか大勢の嫉妬を呼びますように、呼ぶような2004年の暮れになりますように。
 いのりつつ、追って更なるレポートを。書くから観なって!
 

2004.10.05[11:47] Do the art!(夜の部) 桜井秀俊
 〜能楽囃子(のうがくばやし)〜
 能の楽器演奏のこと。囃子(はやし)には、笛、小鼓(こつづみ)、大鼓(おおつづみ)、太鼓の4種があり、「四拍子」と言われ、これに謡(うたい)が加わると、雛人形で有名な五人囃子となります。ちなみに「三拍子揃った」という言葉は、能の打楽器3種が揃うことに由来しています。

 くりいむしちゅ〜上田氏調うんちくを飛ばしてみたものの、思いっきりパンフレットの丸写しです。すんましぇん。
 各楽器の役どころを西洋楽器に強引に置き換えてみるならば、笛=ピッコロフルート、小鼓=タム、大鼓=ティンパレス、太鼓=コンガ、といったところですか。実際書いてみると思った以上に強引でしたが、そこんとこは何卒ご了承頂きつつ、何にせよ我々の業界ではあり得ないバンド編成。硬ぁい床に正座して、なにをおっ始めようというのか4人のおとっつあん方。
 パフォーマンス開始早々、私、軽ーくぶっ飛ばされました。
 いわゆる“ぃよぉーっ”“ポン!”の応酬に、笛の甲高いメロディー(フレーズなのかアドリブなのかは不明)が乗っかるというのが基本的なスタイルと見うけましたが、演者の「気」が、明らかに格闘モード。“ぃよぉーっ”でReady、“ポン!”でGo。獲物を捉える鷹の如き並々ならぬ殺気をもって繰り返される、打楽器奏者同士の打撃戦。脳天をつんざく笛のサウンドは、さしずめ戦闘によって巻き起こる竜巻か、はたまたお相撲さんをけしかける行司の「はっけよぉい、ぁのこったのこった、ぁのこったのこった」、か。例えがその機能を果たしていない不安に駆られつつ、とにかく「この人たちは俺達(客)にケンカ売っとる」、胸にこみ上げるは予感ではなくもはや確信。我々はともかく、今日のお客さんはファミリーがメインだとゆーのに、全くもって容赦のない奴らだぜ。しかしこの音楽…うーむ、す、すんげー。
 3分、5分、7分と演奏が進むにつれ、奴らのせめぎ合いはヒートアップする一方。発生するうねりは巨大化する一方。約15分間に及ぶ演奏が終了した瞬間、俺の手は勝手に拍手を始めていました。すこぶる強く。隣席の師・鶴澤清馗さんも同じ様子。会場のファミリー達さえも。
 それは人間の表現というより、ほとんど台風一過の後味。電気なんて勿論無かったむかーしから磨き続けられてきた音楽。自然がよりダイレクトに芸術に影響を与えていたであろうことは想像に易く。凄いね能楽囃子、ケツメイシより花鳥風月、アースウィンドアンドファイヤーよりセプテンバーな夜だったぜ。この大会場を震わせた生音(!)は、アースシェイカーより激しいマグニチュードで(もういいですか)眠れる大地を呼び起こし、渋谷中のアスファルトとコンクリートを根こそぎひっぺ返さんばかりだったのさ!
 同時に、アスファルトの上でコンクリートに囲まれ、電気なしではとても生きてはゆけない音楽なんぞを日々追っかけて生きておる我が身を見つめずにはおれない気に。追っかけ過ぎて魂の骨粗しょう症に陥らぬよう、ご先祖様から連綿と続いた足跡をしっかり心身に叩き込まんとなー、それあっての新しいモノよのー、と、しみじみ感じ入った次第。そこへいくと義太夫、電気以前とはいえあくまで街の音楽、日本人ブルース魂の源流、三味線弾いた後にギブソン鳴らすと音が前より太くなっているという事実。体験すればするほどリアルに響く2004年・秋なのさ!
「桜井さん、ここで義太夫三味線やりましょ。生音で(笑)」と師。
 分かりました。必ず。でも、練習させてください、5年くらい。
 終演後、案の定一杯ひっかけたいイイ気分になっている、本日マイカー移動の俺。しかもそんな夕べに限って、場は「軽く食事でも」という空気に。この場合の「食事」は決してカレーやハンバーグではなく、アルコールとほぼ同義であることは言うまでもなく…。呑むな呑むな絶対呑むな、呑んだら負けよと心で必死に唱えている俺。ところが師一行が訪れたのは、あろうことか「日本酒の旨い店」。
 イイ感じの店内。カウンター奥にずらっと並べられた一升瓶をなるべく視界に入れぬよう努力しつつも楽しく、昼間の国立劇場及び夜のオーチャードホールの話で盛り上がる。この後も仕事が残っているから呑まないなどとぬかしていた数名も、ひとりまたひとりと戦線離脱。テーブルにどんどん並んでゆく冷や酒が眩しい。
 そこへなんと、夜の部主役のうちのお二人、狂言のSさん、それに大鼓のKさんが登場。当然盛り上がる店内。義太夫三味線の清馗さんも同席ということで、古典芸能の明日を担う3人の若者が渋谷に集結!といった雰囲気に。自動的に右手を高々と上げている俺。
「すいませーん!冷…冷たいウーロン茶…下、さい。」
 
古典漬けの濃ゆ〜い秋の一日、とどめに待っていたのは松見坂での飲酒検問。
「フーって、息かけてくださいねー。」
 報われた努力の成果だぜと言わんばかりのフー!
「お気をつけてー。」
 お巡りさんに送り出されていざ、マイ冷蔵庫。黒ラベル目指して帰路についたのでした。

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