デビュー当時、ある雑誌の取材でこう答えていたことがあった。
“僕らが夢見る歌、それは初まりであり終わりであり、恋愛であり友情であり、生であり死であり、人生のすべてが詰まっているような歌。そんな歌をいつか歌ってみたい”。
まさに今その時がやってきたんだ、とあのモスクワで思い出していた。
ただその方法も糸口さえつかめずに期待と不安を抱え、脚を押し出すように歩き出した。僕たちは出口なき心の旅へと踏み出してしまっていた。
それは想像以上に長くて苛酷なものだった。自分を見失い、友情をはき違え、欲望に翻弄されるがあまり明日さえ自ら消してしまう。なんという旅に出てしまったんだと後悔したこともあった。そこであの出会いたちがなければ僕らは心を失ってしまっていただろう。
人は生まれてきてなぜ生きて行くのか? そしてどこに行こうとしているのだろうか。そのテーマはあまりにも大きすぎて何度も潰されそうになる。悔しい、苦しい、もう降りたい...。しかしそれらを経験することによって学んだことがあった。
人間の本当の愛と夢...。愛や夢とはこうしたいのになんで、と自分本意に突き進めばいいのではなく、誰かを幸せにしたいと思うことで初めて走り出す。それを幼いころに人は本能的に悟ってしまう生き物なのかもしれない。
答えは自分の中にあった。
このラストツアーを書き上げたことによって、ようやく僕らの夢がスタートした。そう、人生とは終わりのない旅... 。
もうなにがあっても迷うことはないさ。歩き出そう。この曲があるかぎり僕らは夢を追い掛けることができるだろう。
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