3月3日にpal@popプロデュース『Welcoming Morning』、5月5日にCOILプロデュース『Good Day Afternoon』、そして7月7日には松本隆＋草野正宗の『水中メガネ』と松本隆＋細野晴臣の『七夕の夜、君に逢いたい』のカップリングと、この半年間チャッピーは次々と最高のサポートを得て余りにも素晴らしいシングルを繰り出してきた。 　そして、チャッピー連続リリースのトリを飾るニューアルバムがついに登場する。これまでのシングルに加え、さらにバリエーションに富んだ面子が満を持して参加。この半年で、一気にメジャー・キャラとなったチャッピーのデビューアルバムは、チャッピーの限界を底無しに開く大傑作になっちゃいました。
		ご存じのチャッピー、デビューシングル。pal@popプロデュース。当時まだチャッピー自体の知名度自体もそれほど高くなく、pal@popも全く謎の存在。チャッピーのデビューを高らかに宣言しつつも、謎ぎみという微妙に不思議にして鮮烈な曲。ところで、曲中のウィスパーボイスは川本真琴だったのはご存じですか？
		ROUND TABLEによる"everyday"は、着せ変えキャラクターであるチャッピーの本領を発揮されるべき用意された日替わり歌だ。チャッピー版「Calender Girl」。もちろん、チャッピーは現代っ子なので、月替わりでは我慢できない。というわけで、日替わり。
		ギターベイダーと、井上陽水という謎な組み合わせ。字面だけからじゃ、全く何も解らない組み合わせ。これこそ聞かないことには始まらない。ギターベイダーは自主制作のテープが爆発的に売れている注目のバンドで、作詞はご存じの井上陽水先生。陽水と来れば、民生というお約束もあるのだけど、今後はギターベイダーと来れば、陽水というのもありでしょう？。
		セカンドシングルとなったCOILによる男の子風ソング。COILプロデュースの友情参加ということで山崎まさよしがハーモニカを。タイトルはpal@popの"Welcoming Morning"に対して"Good Day Afternoon"という返答が寄せられた形となった。とりあえず、このシングルでチャッピーデビューの挨拶シリーズは終わり。
		そして、軽い挨拶を終えたところで、99年チャッピー年における夏が7月7日に、このシングルによって始まった。その余りの切なさに、聞いた瞬間に夏が終わってしまったリスナー続出。熱帯夜続きの今年の夏にあって、夏回想モードで夏の日々を過ごした不幸にして幸いな人々に幸あれ。アルバムで再び聞いて、夏を思い出すしかないでしょう。
		グルーヴィジョンズのお得意様、小西康陽プロデュースのチア・リーディング・ソングはほんとにチャッピーらしい曲に仕上がっている。チャッピーが最初にCDデビューすると聞いた時は、みんなこういう曲を待ってたんじゃないだろうか（その期待は気持ち良く感動的に裏切られたのだけど）。そういえば、チャッピーがはじめてピチカート・ファイヴのVJ映像として登場したときチアガール姿だった。ここにきてチャッピーは一周してきたのだ。
		テイ・トウワとのユニット、SP-1200のメンバー、toshihiko moriによるダンストラック。踊れるチャッピー、歌うチャッピー。このシングルではチャッピーが限りなくロボットボイスに近い生声を聞かせてくれる。
		福耳の「星のかけらを探しに行こう〜Again〜」の作曲者、馬場一嘉とTMレボリューション等の作詞を行う井上秋緒による曲。ソウルフル。すなわち、チャッピーにも魂ありということを、あっさりと証明。
		デビューシングルをプロデュースしたpal@popと同じくデビューシングル参加の川本真琴による楽曲。演奏しているのは曲名と同名のHappyending Soulwriter's Council Bandというバンド。このバンドにはナンバーガールの田渕ひさこ（G.）が参加している。他のメンバーも全員女の子のガールズ・バンド。チャッピーのために結成されました。
		詞、松本隆。曲、細野晴臣。演奏、ティンパンアレイ。クレジットだけで、品質保証された贅沢円熟トラック。"水中メガネ"でいきなり回想モードに入ってしまった夏を一気に回復させる最高の地力をもった曲。デビューしたての新人の曲にしては、どう考えてもこなれすぎ。"水中メガネ"と合わせて聴くことによって、夏を一回分体験できる。
		完全生産限定であっという間の即日完売、「幻のアナログ盤」に収録され話題となった福富幸宏の曲は最高速で複製していくチャッピーそのものの曲。今回のアルバム収録で末永く愛されるはず。まさにチャッピーのサウンドロゴ。