思想電車

思想電車

チュール

KSCL-1579/シングル/2010.06.09/¥1,165+税


物想いに耽る時間の大切さを忘れていませんか?

楽曲ダウンロードはこちら


 

DISC 01>

試聴 > 推奨環境はこちら
曲が試聴できます。 ビデオクリップが試聴できます。 1.  思想電車
曲が試聴できます。 2.  それが大人ってもんなのか
曲が試聴できます。 3.  ママのうた

物想いに耽る時間の大切さを忘れていませんか? チュール、デビュー第二弾シングルは、TBS・MBSほかTVアニメーション「おおきく振りかぶって 〜夏の大会編〜」エンディング主題歌!
物想いに耽る時間の大切さを気付かせてくれる、チュールならではの楽曲になっています。酒井由里絵のキャラクターと、ヴォーカル、そして作詞、作曲、無限の才能。それを支えるギターサウンドを生み出す、ギタリスト重松謙太。
牧歌的なおおらかさを残したポップス的なアプローチで、あたりまえのことを歌う中に、忘れていた大切な何かを思い出させるような彼女の声の魅力を前面に出し、同性、同世代が共感を持てるような「うた」を届けられるアーティストを目指して活動中。
現代感はもちろん大切にしつつ、70〜90年代のような、「日本語を大切にしたうた」を創っていきます。
サウンド、ヴィジュアル、パッケージ、ライヴ展開においても、手作り感、アナログ感に独特の色彩感のオリジナリティを前面に押し出したいわゆる「チュールらしさの表現」にこだわっていきます。

【タイアップ】
M1「思想電車」:TBS・MBSほかTVアニメーション『おおきく振りかぶって 〜夏の大会編〜』エンディング主題歌

【初回仕様限定盤】
@「おお振り」描き下ろしワイドキャップステッカー
A 紙ジャケット仕様
B 特製「おお振り」キラキラ野球カード “チュール” バージョン ランダム封入 1枚封入
「三橋」「阿部」「モモカン」 3種よりランダム封入


 聴こえてきたのは朝露がころんと落ちそうな,椿の葉っぱみたい
にツヤツヤした女の子の声。印象に残ったのは“♪夜が少しきれい
に見える”というフレ−ズで,聴き終えた時,これは旅を歌ってる
んだと気付く。目的地は描かれず,むしろその道中こそが主役であ
る。でも旅って,そのあたりが一番楽しみで,一番興味深くもある。
日常と非日常が,もっとも複雑に混ざり込む場所だから…。気取っ
た言葉は使ってない。“田舎町”“夕暮れ”“日記”。ワ−ドロ−
ブのような普段使いの単語が並ぶ。なのに深い。なんでかな? 使
い過ぎ,すり減り気味の言葉を磨き直し,表面の凹凸を取り戻して
るから? もっとちゃんと聞こうと,音源を手元に。
 歌の前半は目的地もなく,ここではないどこかへと離れていく感
じ。最初に印象に残ったのは“♪夜が少しきれいに見える…”だっ
たけど,その過程として「夕暮れ」が三回も出てきて,その都度
印象が微妙に違う。最初は“見届けたことが嬉しく”て,次は“見
てたら寂しく”なっちゃって,最後はその時間帯に“間に合って嬉
しかった”存在として登場する。ここで思うのは,そのたびに主人
公の心を映すスクリ−ンとして「夕暮れ」が機能してることだ。こ
の歌の作者はそんな巧みな構成をしていた。そして結論めくが,最
初に出てくる“夜が少しきれい”は郊外へ行き,空気のせいもあっ
たかもしれないが,戻ってきてからの“少しきれい”は,空気のせ
いなんかじゃないということ。すでにこの旅で,心の中が洗浄され
てたからなのだ。
 「思想電車」が何両編成で,何番ホ−ムから出発するのかは知ら
ない。でも,すでに僕の心の中で広い野原に向け走り出しているの
かもしれない。だったら窓側に座って,何もせずぼ−っとしていよ
う。一番大切なことが,車窓の景色に浮かびあがるまでは…。

小貫信昭