制作スタッフインタビュー
『キカイダー01 THE ANIMATION』監督 元永慶太郎

その中でも「キカイダー」という作品については?
森先生の作品はほとんど読んでいますけど、その中でもやっぱり「キカイダー」には影響を受けていましたね。雑誌は買えなくて床屋に行くとサンデーが読めるんですよ。単行本は揃えていたんですが田舎だったので注文して届くまでに何故か半年くらいかかる(笑)。あの最終回にもものすごい衝撃を受けましたし。やっぱり当時「キカイダー」と「デビルマン」のラストには衝撃を受けたので、まさか今自分でやれるとは、と言う感じはあります。
元永監督から見て「キカイダー」の魅力とは?
うーん、全てが魅力だとは思いますけどね。特撮は特撮で好きでしたし。ヒーローものでありながら哀しみを背負っている主役を描いているという…。マンガはそれをもう一歩進めた様な。一貫して哀しみを描いていて。単行本全巻持っていても最後まで読み切ってしまうことが悲しくて、途中まで読んでまた最初に戻ってみたり。「あのラストまで行き着きたくない」みたいな。
ではOVA「キカイダー01 THE ANIMATION」について伺いたいと思います。やはりTVアニメ版のラストから繋がってのストーリーになるのでしょうか?
そうですね。基本的にはTVシリーズのラストを受けての物語になります。 今回は全4話のOVAシリーズということで、色々と原作のエッセンスを抽出して再構成したお話になります。とはいえ原作から遠く離れてしまうわけではないです。原作の中心に流れる部分はちゃんとあってそれに肉付けしていくということですね。
今回はTVアニメ版には登場しなかったキャラクター達が総登場する事になりそうですね。
そうですね。監督として全てのキャラに平等に愛情を注いでいるつもりですが、どうも最近風天和尚に思い入れが傾いてきているなと(笑)。イチローはもちろん初の映像化になるキカイダー00(零)も出てきます。登場の仕方は原作通りではないと思うので、そこはお楽しみと。ジローについては基本的にはテレビシリーズの性格を踏襲していますが、少し大人っぽくなっていると思います。テレビ版では生まれ落ちた状態から始まっていますが、今回はもう少したくましく大人になっていくというか…。ちょうど対比されるキャラクターとしてイチローが登場しますから、やんちゃな兄貴と良くできた弟みたいな感じに見えるかも知れません。イチローとの対比で根底のテーマである良心回路も描けるでしょうし。
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