コンプリート クーロンズ・ゲート(右)

クーロンズ・ゲートというゲームの全てを網羅した、上質な攻略本である。
香港ロケを行い、綿密な取材を重ね、アイテムやマップといった攻略に必要な要素を
漏れなく収容することで、とにかく分かりやすさを身上に掲げている。
あくまでプレイヤーにとっての親切路線を維持しながら、陰陽と道教の世界観について
深い考察を加えたり、何気なくネタ本紹介をするなど、文化的な背景もしっかりとおさえられている。
ゲームの傍らでまじめに考え、まじめに遊ぼうとする余裕がうかがえる。

定価1505円(+税) ソニー・マガジンズ刊

 

クーロンズ・ゲート パラノイア(中央)

序文にウィリアム・ギブソン。そのアイデアを聞いたときから、
これは「攻略本」ではないと直感した。クーロンズ・ゲートが指し示す
ポスト・サイバーパンクという観念の海にダイブし、その深みへ導引する。
荒俣宏、中沢新一、武邑光裕といった顔ぶれがクーロンズ・ゲートの周囲に広がる
漠とした世界の道標として光を放っている。
こうした記述的なサブテキストが「本文」である全シナリオ掲載に奇妙な断層を
生み出し、読み手は知らず知らずのうちにパラノイア領域に上り詰めていくという仕掛けだ。

定価1800円(+税) アスペクト刊

 

番外(左)

さてこれをなんと評せばいいのだろうか。もちろんイレギュラーであることには
間違いない。何を隠そう、香港で出版されている攻略本である。
攻略も攻略、アイテムやマップは言うに及ばず、ラストバトルやエンディングクレジットまで
紹介するという徹底ぶり。著作権法真空地帯だけに、これくらいで驚いてはいけないのだが、
特筆すべきは、ほんの数フレームしかないイベントムービーのカットを
しっかりキャプチャーしてあることだ。そのセンスに妙なこだわりを感じてしまう。
「機迷GAMER」とは香港ではメジャーなゲーム誌だ。